天文はかせ幕下

みんなでカウントしよう(お知らせ)

部員の皆さんにお知らせ:

電波観測を7月から継続していますが、流星エコーをカウントするためにHROViewの準備を整えました。みなさん、一日3分くらいで良いので、カウント作業に協力してください。細かい説明は顧問が致します。よろしくお願いしまする。

電波観測_カウント

部員のタナカ氏が、電波観測のエコー数をカウントしてくれています。それを簡単に処理してみたので、結果を載せておきます。

 

カウントした期間は、6月21日〜30日です。1日あたりのカウント数の平均値の推移は下のグラフのような感じで、だいたい安定していました。エラーバーは標準偏差です。

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これらのデータを全て平均して、各時間帯ごとのエコー数をプロットしたのが下の図です。これもエラーバーは標準偏差です。

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おそらく、地球の自転の関係で24時間周期の変動がでます。15時あたりに小さなピークが出るのが謎です。

以下、タナカ氏によるメモ;

  • 1時間当たり20個程度の流星が観測されている
  • ロングエコー(約20秒以上)は、早朝3:30~7:30の時間帯に特に集中している
  • 上記のロングエコー集中時間帯と15:00頃、21:00以降に観測数が集中している
  • 逆に普段の部活動の時間(17:00頃)は観測数が少ない
  • 流星数を数えるだけなら、1日分のデータについておよそ15~20分程度かかる

 

流星電波観測、中間報告

4月26日の記事で、電波観測をはじめますと書いてからなにも報告してませんでしたが別にほったらかしていたわけではありません。どうしても電波エコーの受信ができなかったのです。

しかし我々は不断の努力をしておりました。ケーブルを変えたり、アンテナの長さを調整したりハンディタイプの受信機を手に入れて使ってみたりと思いつく限りのことを試していたのですが、なかなかうまく行かず半ばあきらめかけていました。

 

そこで日本流星研究会の小川さんに「できないよー(泣)」なんて泣き言メールを送りつけて相談に乗っていただきました。「結局は受信機が悪いのでは?」というアドバイスでした。

 

良い受信機となると、新品で10万円近くします。それはなかなか買えないなー。と考えていたところ、そういえばうちの高専には「アマチュア無線部」があった。余っている古い受信機とかを貸してもらえるかもしれない。アマチュア無線部員を探せ!ということになって、目を皿にして探したところどこにも見つからない。のちほど同部は部員数ゼロの休部状態と判明しました。ということは。。

「じゃあ、受信機使ってないよね?貸してよね?いつ返すかは未定ですけど」

と元顧問の先生にお願いして、アイコムのIC-706Mk2Gといういい感じの受信機を借りてきました。それでいきなりエコーを観測できるようになりました。アマチュア無線部のみなさん、ありがとうございました。ちゃんと返しますからね。

下は、今朝未明に記録されていた一番大きなエコーです。次の流星群は7月末の水瓶座δ。そのときに、空を見上げながら電波観測との同定を行ってみたいです。それで、観測データの解析もやらなければ。

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初投稿!天の川とM8とM20と

 

読者の皆さん,はじめまして!すずりょうと申します!正月にmyカメラ(EOS Kiss X7)を手に入れたのですが,顧問の先生はどこからこの情報を手に入れたのでしょう(笑)「カメラで星の写真を撮ってみないか」と言われ,試しに参加した南三陸・神割崎での観測会で観た見事な星空にとてつもない感動を覚えました.4月に正式に入部しまして,4月に神割崎にてmyカメラで撮影した天の川は,以前顧問の先生に投稿していただきました.

 

さて,5月の観測会ですが,みやぎ蔵王白石スキー場にて行われました.結構長い時間観測をしていましたが,M8干潟星雲とM20三裂星雲を天の川の中に見つけたので12枚ほど写真を撮って,後日重ね合わせ処理をしてみました.

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青や赤の色がきれいですね.天の川は肉眼でも観ることが出来ますが,これらの星雲は望遠鏡やカメラがないとなかなか観られません.ピントを合わせるのがなかなか苦手で...もっとうまく撮れるよう精進せねばと思いますね.また観測に行けたら投稿します.それでは今日はこのへんでっ!

5月観測会(白石蔵王スキー場)

 

何人か1年生の新入部員が入ってくれました。先日の週末、さっそく観望会に出かけてきました。ダラダラとなにもしないでいると

「なんやこの天文部ってのは、何もしぃひんでオシャベリしとるだけやな。辞めるか」

大阪弁で罵倒され、去られてしまうことを恐れるからであります。白石蔵王スキー場は、白石駅まで車で30分弱なので終電で帰宅する1年生にも都合がよい。標高800mと高く、空もソコソコ暗いです。

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当日は、17時に学校を出発。高速道路に乗って南へ。前方には透明度の高い、きれいな空が広がって期待が高まります。

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途中、菅生PAに寄り道して夕ご飯を食べました。なかなか美味いです。

f:id:snct-astro:20170519185902j:plainまだ明るい時間帯に、スキー場の駐車場へ到着。ほかには誰もいませんでした。この場所は東側が開けた斜面で、その方向には白石市の光害が強くて、西は山が広がって視界が狭いです。ですが、南は七ヶ宿村の方向で、こちらはかなり暗くなかなか良かったです。

暗くなってから、1年生達はドブソニアンやF6屈折をつかって、おおぐま座周辺の銀河(M51,M101, M81&82)やM104、M13を観望しました。そのあと、夜半には上がってくる蠍座や射手座をまたずに、終電で帰宅となりました。ざんねん!

1年生を白石駅に送ったあと、高学年の我々は更に観測を続けたのでした。しかし、この日も風に負けて、撮影はうまく行きませんでした。

 

うまく行きませんでしたけれども、結果をupします。

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2017年5月19日 20:45-21:30 NGC4565
canonEOS60Da センサー温度23℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 
ISO1600 240sec x 6、ダークなし
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理。

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2017年5月19日 23:00-24:24 M20 三裂星雲
canonEOS60Da センサー温度21℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 
ISO1600 120sec x 12、
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理。

まず、風の影響でガイドが上手く行かず、NGC4565は3割位の写真しか使えませんでした。使った写真も極めて質が悪いです。そうすると画像処理も上手く行かなくて気が滅入ります。それで、そのあとは比較的明るいM20を120秒露光で撮影したのですが、これは低空過ぎて撮影がきつかったです。この日はシンチレーションもあまり良くなかった。 

 

 

体にムチ打ってはやま湖

天体観測のためには、雲がなく、風がなく、月がない、必要があってこれを「三無い」と呼ぶのかどうか。GPV予報やWindytyなどを見て良い条件の日に巡り合うと、「これが今月最後のチャンス、いや人生最後のチャンスかも」などと大げさに思い込んでしまうわけです。今月2日のよるもそんな感じで、唐突に昼に出発を決め、最年長部員のアベと二人でははやま湖に行ってきました。

私は1年前に失敗したM63を、アベはアンタレス付近の撮影に挑みました。M63はそこそこ写ったかなという感じです。

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2017年5月2日 24:03-25:51 M63 ひまわり銀河
canonEOS60Da センサー温度約17℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 
ISO3200 240sec x 12、
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理

 覚書つべこべ

NJPのノータッチガイドの性質が段々と分かってきました。現在、1200mmで4分露光を標準としていますが、そのばあい3の倍数枚目の像が周期的に流れて写ります。おそらく赤経のギアの何処かに精度の良くない歯があるのではと思います。これは仕方がないので、そういうものだと割り切って撮影をしていくしかなさそうです。

また、長時間ガイドをしていると段々と追尾精度が悪くなるのですが、その理由もわかってきました。どうやら赤経ウォームギアの固定に問題が有るようです。追尾をしている間にだんだんとウォームギアがズレて、かみ合わせの圧力が強くなっていくようで、ひどくなるとモーターが脱調してしまいます。ウォームギアのかみ合わせは、2つのネジで固定されていて、分解しなくても調整できるようになっています。その調整で解決できるのかどうか、調査中。