天文はかせ幕下

天文年鑑

 今月11月21日は、天文年鑑の発売日です。部員の皆様におかれましては、各自購入しなさい。

来年の天文年鑑を手にして「年の瀬だなあ」と感じるのが、正しい天文部員というものです。

天文年鑑 2018年版

天文年鑑 2018年版

 

 

プラネタリウム報告

こんにちは、すずりょうです。先日の高専祭でのプラネタリウム展示について報告します。

高専祭前日は、先日まで製作していた部品たちを組み上げる作業を行いました。ドームの骨格を作ったわけですが、これに時間がかかり、夜の9時まで作業をしましたが、タイムアップとなりました。f:id:snct-astro:20171027204203j:plain

高専祭1日目は6時半から組み立て作業と、投影機の改良に励みました。高専祭が始まった後も改良していましたが、うまくいかず、翌日へ持ち越しとなってしまいました...

 

高専祭2日目もまた、朝から改良作業に追われました。みんなでプラネタリウム作戦を成功させるために、黙々と作業をします。自分は天文部以外の出店があり、しばらく抜けましたが、お昼頃プラネタリウムへ行ってみると...

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プラネタリウム展示ができているではありませんか!あの後も1年生たちは頑張り、なんとか投影まで漕ぎつけたようです。

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いやぁ、すごい。半年でここまで持ってくるなんて。と自分は思っておりますが、1年生たちは反省点と不満をぶつぶつ漏らしていました。更なる改良と努力を重ねて、プラネタリウムがパワーアップすることと思います。今後のプラネタリウム計画に期待ですね!一年生達よ、頑張れ!

M33の再処理

コモンです。先日アベがアップしたM33をさらに再処理しました。後日、別の条件でさらに撮影し、重ねました。

M33のうず構造のちょうど中心部に、ひとつ明るい星がありますね。それが埋もれないように控えめに処理しました。どうでしょうかね。

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  • Location; はやま湖(福島県飯舘村)
  • Takahashi ε200 on NJP赤道儀、PHD2によるオートガイド
  • Canon 60Da, ISO 3200
  • Light Frames; 240 sec×14 (19-21℃)、ISO 3200
    Light Frames; 360 sec×11 (19-21℃)、ISO 1600
  • DSS > DPP(トーンカーブ補正、色調補正、色ノイズ軽減

プラネタリウム製作

こんにちは、すずりょうです。今週末は仙台高専の文化祭「高専祭」が催されます。我らが天文部は、一年生のハタナカを軸に着々と計画を進めていたプラネタリウムを展示しようと考えています。毎日放課後は工場(本校創造教育センター:旋盤やボール盤、NC機械など各種機械がある)に通いつめ、プラネタリウム本体の部品製作に励んでいるところです。

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ボール盤で穴あけをしたり、ハイトゲージでけがき線をいれたり...

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ジグソーで板材を切り出したりなどなど、さまざまな工作機械を駆使し、技術者のタマゴたちは作業にのめりこみます。

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プラネタリウムを展示するドームのてっぺんの骨格ができました。あと数日で高専祭です。果たして当日までに間に合うのでしょうか...?

 

はじめてのおーとがいど

※投稿した画像をスマホや研究室のPCで確認したところ、ホワイトバランスが合っていない様です。私のノートPCの画面は赤色が出にくいようです。修正版を後程投稿します。2017/10/26

アベは破門(茶番)

どうも顧問です。
先日、アベに報告させると書きましたが、どうやらやる気のないアベは未だに画像処理を終えていないそうです。
まったく、なんっとらん。合宿の時の写真も、結局報告していない部員アベは破門ですな。
最近バイトに精を出しているし。全くもう。


嘘です。どうも、部員のアベです。ようやくやりました画像処理。GIMPで画像をあれこれ弄っていたら夜中の2時です。

先日から興奮気味な記事を顧問が書いておりますが、遅ればせながらオートガイドの報告をします。

はじめてのおーとがいど

本年度の目的である「黒魔術"オートガイド"の召喚」を実行すべく、顧問と二人はやま・・・湖に向かいます。
因みに、オートガイドの導入が本年度の目的であることを、車の中で初めて知ります。こりゃ驚いた。
秋も本格的になり、寒露極まるこの季節。寒さと結露が心配です。ぶっつけ本番のオートガイドは、もっと心配です。

今回の対象星は"M33"であります。色々悩んだ末、ISO1600で360 secの露光に挑戦することにしました。
顧問の記事の通り、当初不安であった”ぶっつけ本番のオートガイド”が、なんとすんなりと成功してしまいます。PHD2すげぇや。

Photo Data
  • Location; はやま湖(福島県飯舘村)
  • Takahashi ε200 on NJP
  • Canon 60Da, ISO 1600
  • Light Frames; 360 sec×11 = 72 min(17-21℃)
  • Dark Frames; 15 (16-24℃)
  • Flat Frames; 16
  • DSS > GIMP(レベル補正 > カラーバランス > 色相 > 明るさコントラスト > トーンカーブ > レベル補正から繰り返し) > DPP(色ノイズ軽減)
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    M33-さんかく座銀河-

流石はオートガイドです。結露でダメになった分を除けば歩留まり100%の撮影でした。赤道儀機械的なピリオディックエラーによる歩留まりの悪さが問題でしたが、まるっと解決です。

しかし、ここで気になるのが、Dark Frameのセンサー温度です。外気温は約7-9度ほどでしょうか、寒さに耐えかねた我々はDark Frameの撮影を帰りの車の中で行いました(窓全開)。窓が全開とはいえ、どうしてもセンサー温度は撮影時より高くなってしまいました。
そこで、顧問が後日冷蔵庫でセンサー温度を調整したDark Frameを撮影してくれました。

当日撮影したDark Frameと合わせて31枚に増やすことができたので、改めて画像処理を行ってみました。
因みにDark Frameの温度は16-22度で画像処理しました。
そして、最近GIMP-ver2.9.6がリリースしたそうで、以前まではできなかった16bitの画像処理ができるようになりました。なのでGIMPver2.9.6をインストールし16bitでの画像処理を試みます。

Photo Data
  • Dark以外上に同じ
  • Dark Flames; 31 (16-22℃)
    f:id:snct-astro:20171026031104j:plain
    Dark Frameの数を15枚から31枚に増やして画像処理

画像処理の際にノイズが目立ちにくくなったような感触を受けました。そのおかげか結構強引な処理の仕方でも何とか仕上げることができたと思います。
分子雲のディテールも以前より再現されているように思えます。しかし、不覚にも中心が白トビしております。どこかの処理で飛んだのを見落としておりました。トホホ。

※取り急ぎ修正版. 研究室のPCにはDPPなどが入っていない為、色ノイズは軽減しませんでした。結構派手に弄ったせいでノイズが酷いです。2017/10/26
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比較の為、2枚を重ねたGifを載せておきます。意外と1枚目の色かぶりが酷いことが分かりますネ。
本来ならば同じ処理工程を踏んだ結果を載せるべきでしたが、今回は割愛させていただきます。午前3時。私、眠いです。
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また、以前に撮影したM33がこちらです。

Photo Data
  • Location; 神割崎(宮城県)
  • CanonEOS70D, ISO 3200
  • Light Frames; 180 sec x18 =54 min
    f:id:snct-astro:20171026041622j:plain
    2016/10/02 “初の直焦点”にて(ほぼ1年まえじゃんか。衝撃。)

こうして比較すると見違える様にディテールが浮き出ていますね。凄い。凄いぞオートガイド!!まさに黒魔術。否、これは科学の勝利の結果である!!


おまけ。オートガイドの様子

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オートガイドによって、追尾補正をしている様子。


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色んな機材からコードが伸びてぐちゃぐちゃに。後ろではオートガイドの威力に顧問が小躍りしています。

NJP赤道儀&PD5-XYコントローラでオートガイド その2

以下の記事の続きです:

snct-astro.hatenadiary.jp

オートガイドというと、なにかというと「ガイドが暴れる」とか「ガイド星が見つからない」なんてトラブルに苦しんでいる方々を、blogなどで拝見します。まずは動作テストが肝心です。そんな火曜日。今夜は晴れそうですね。でも台風が来ているようで、今夜を逃したらしばらく観測は無理ですね、なんて話しておりました。

我々の特徴は、何かにつけて「慎重さ」が欠けている点です。学校の屋上ででテストするとか、妥当な選択肢ははじめからありません。ぶっつけ本番で遠征して、オートガイドが上手くいくとは思えませんが、「はやま湖」まで出かけてきました。

いつも通りに機材を組みます。今回は、M33を撮影する事にしました。ISO1600で6分くらいの露光が目標です

  1. 赤道儀の極軸望遠鏡に、何となく北極星を入れる
  2. pole masterで極軸合わせ
  3. 手動でM33を導入(天頂付近なのでこれがツラかった)
  4. PHD2を起動して、M33付近の適当な星をクリック。キャリブレーション開始
  5. 延々とキャリブレーション。待てど終わらない。これはもうダメかも分からんね。といっていたところ、キャリブレーションが終わる!
  6. うぃんうぃん、なんてモーターが動いて赤緯赤経を修正している様子。PHD2の画面を見る限り3秒角以内に収まっている様子。
  7. 闇夜の中で「すげえ、すげえよPHD2」と叫びながらBackYardEOSで撮影開始。 

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撮影中のキャプチャ画面です。6分は我々にとっては、史上最長ですが、何の問題もなくすべての画像が点像になりました。100%の歩留まりです。

この日は14枚目まで撮影していたところで、斜鏡の結露に見舞われ、撤収となりました。画像処理の結果は、部員アベにより報告される予定です。

ともかく、ついに我々はオートガイドを手に入れました。これでこのブログも「入門」レベルから脱したのではと自己評価しております。よってタイトルを

天文はかせ序二段(仮)

に改めたいとおもっていますが。

気になる点:

  • 極軸はかなり追い込まれていると思うのですが、赤経赤緯の修正量がほぼ同じなのが「?」です。赤緯はほとんど修正いらずなのではと思っていました。
  • EOS60DaのセンサーサイズはAPS-C(22.3×14.9mm)で、使用した鏡筒の焦点距離が800mmなので、撮影画角は水平方向で1.67°です。60Daの解像度はRAWで5184×3456pix^2だから、1ピクセルが1.67/5184=1.16秒となります。ガイドは±3秒くらいうごいてますので、星も3〜4ピクセルくらい大きくなっているということです。微光星はだいたい10ピクセルくらいで写っているので、もう少し工夫してガイドの精度を上げれば、もっと星を小さく写せるかもしれません。

部員アベによる報告は、以下をご覧ください;

snct-astro.hatenadiary.jp

 

 

NJP赤道儀&PD5-XYコントローラでオートガイド その1

はじめに

今年の初め、我々は次のような事を書きました:

今年の目標は、オードガイド*1を取り入れることです。しかしその前にNJPのノータッチで何分まで露光を伸ばせるか色々と挑戦中で、今回の240secは最長記録となりました。

そして書いておいて忘れておりました。といいますのも理由があって、オートガイドを取り入れるには様々な困難があります。いま我々が使っているのは、タカハシのNJP赤道儀です。往年の名機とよぶべきものですが、ずいぶん年代物で「オートガイド端子」というものは付いていません。そのままではオートガイダーが取り付けられないわけです。 

K-ASTECという天体撮影グッズを取り扱うお店では、NJP赤道儀でオートガイドや自動導入を行なうための改造を受け付けています。しかしそれは何年か予約待ちをしなければなりませんし、20万円以上の費用もかかります。

「MT-200やε200が載るような新しい赤道儀を買うのも無理だよなー、困った者だよなー」と悩んでおったわけです。

 ヤフーオークションでコントローラの改造 

そんななか、「ヤフオク」を探索していて、

タカハシ PD5-XY PD4-XY-B オートガイド端子加工作業 ■即決価格 8500円

という何ともマニアックな出品を見つけました。PD5-XYというのは、NJP赤道儀のモータを操作するための、コントローラです。なんか怪しくもあり、躊躇しておりましたが、ついに先月これを落札して、コントローラを改造してもらいました。その結果、

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こんな感じの端子が、取り付けられました。こんなんで大丈夫なのでしょうか?

オートガイダーとか色々と購入

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今回新たに購入した物品です。オートガイダーはQHY-5LIIというのを選びました。取り付けのための60mmの鏡筒バンドも買いました。

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残りの必要なものは、天文部の物置から引っ張り出してきた品々を再利用しました。まずレンズはニコンの135mmF2.8(写真左上)。オートガイダーはCマウントというネジでレンズを取り付けるのですが、これとニコンレンズを接続するためのアダプタもなぜか見つかりました(写真右下)。アタッチメントのプレートも物置に転がっていて・・・

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こんな風に全体が組みあがりました。ガイドのシステムは、プレートにM8ボルトで直接に固定します。最近のオートガイダーは感度が高くて、明るいガイド星を探すための微動マウントは必要ないそうなので。とにかく頑丈に取り付けました。

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さて、ガイド用のPHD2 Guidingなるソフトウェアもインストールしました。あとは
遠征の前に追尾のテストですね。。。

 

つづきはコチラ

snct-astro.hatenadiary.jp

*1:オートガイド:赤道儀で星を追尾する際に、望遠鏡にオートガイダーと呼ばれる小さなカメラとレンズをとりつけ、そのカメラで星の動画を撮影し、星がズレたらそれを修正するための信号を赤道儀におくる仕組みのこと。