天文はかせ幕下

サイディング・スプリング彗星と火星のニアミス(顧問)

「火星の近くに彗星が見えるから、出かけてくる」と、家内に言い残し、夕刻に自宅を後にした。彼女は「だからなんなの?」という表情であった。

 僕も「だからなんなのか?」という気持ちが無くもない。天体写真の被写体というのは、何万年ものあいだ殆ど姿を変えない。ましてや普通の写真家がやるように、アングルを変えて独自の視点から撮影するなど全くの不可能である。望遠鏡やカメラに費やした資金 と技術が飽和すれば、皆が皆おなじような写真になるというそういう趣味だ。なのでちょっとでも状況が変化すれば、超新星であろうと彗星の接近だろうと記録したくなるのです。

 さて19日。天候は申し分無く、すばらしい夕暮れでした。しかし結論からいうと、彗星はたぶん映っていません。

f:id:snct-astro:20141020130935j:plain

2014年10月19日 MT-200 ISO800 EOSKissX5 光害カットフィルター使用15秒露光x15枚

ちょっと火星に気をとられすぎて、感度の設定を弱くし過ぎました。彗星の位置も「火星を撮れば近くに映るでしょ」程度の認識で視野の中心からずれ過ぎです。今回はしっぱい。