明けましておめでとうございます。今年も仙台高専天文部をよろしくお願いします。
さて昨年の12月25日、私は先生と一緒に深夜の学校で天体観測を行いました。
使用機材はMT-200、赤道儀、EOS kiss、そしてフィルムカメラのニコンF601です。今回はフィルムカメラで天体写真を撮ることを目標とします。
天体写真を撮る上で注意すべき点はピントと露出です。デジタルでしたら試し撮りをすることができるのですが、フィルムですとそうはいきません。
ファインダーでは暗くて、ピントを合わせるのは明るい星でないとできないのです。
ここで使うのが磨りガラス法です。
フィルムを入れる前にカメラの裏蓋を開けて、フィルムが入る場所に磨りガラスを当てます。この状態でシャッターを開けると磨りガラスの表面に、フィルムと同じように、レンズを通った光が結像します。この方法ですとファインダーより明るい像を得ることができます。これをルーペで見ながらピントを合わせるのです。
露出ですが、これは勘に頼るほかありません(笑)
長さを変えて複数枚撮ります。
フィルムは部室にあった富士のスーパーHG1600を使いました。スーパーな上にハイグレードだそうですが、10年以上前の代物、果たして大丈夫でしょうか...
まずは木星を撮ってみました。
1枚目は露出計に合わせて1/2秒で撮ってみました。現像してみると真っ暗です。おそらくは寒さで電池が弱り、露出計が誤作動したのでしょう。
2秒で撮ったのがこちら。
衛星を確認することができます。
2秒 F6 ISO1600
続いてオリオン大星雲
1分 F6 ISO1600
3分10秒 F6 ISO1600
3分10秒のものがよく写っています。また、露出が長くなっても画質に変化はありません。フィルムの長所ですね。
まとめ
- フィルムが古く、退色が著しいです。そもそもISO1600と高感度であるので粒状性が悪い*です。赤道儀があるので次回はもっと感度の低いフィルムにして、露光時間を延ばした方がいいでしょうね
- 電池の保ちには悩まされました。寒さですぐに弱ってしまうのです。F601のシャッターは電子式ですので、電池がないとシャッターを開けておけません。天文部には機械式のニコンFM2もあるので次回はこちらを使った方が良いと思います。
* デジタルカメラでもフィルムでも、感度が高くなると画質(粒状性)は悪くなります。ISO1600というフィルムは普通に入手できるフィルムの中では最も高感度です。デジタルですとISO25600とかいうものがあったりしますが...
夕の空に金星と水星が並んで見えます
運良く雲が切れたので、撮影してみました。