天文はかせ幕下

夏場の撮影ではちゃんとダーク減算をしよう、という反省

先日、やくらいガーデンへ出かけて行って撮影した網状星雲の画像処理にて、バックグラウンドの強い色ノイズと輝度ノイズに悩まされました。気温が高かったのと、露光時間が480秒と我々としては長時間の部類にあったためだと思います。ISO感度はいつもどおり1600でした。

一方、最近の撮影では、ダーク減算をサボっています。あちらこちらで「ホットピクセルはraw現像でだいたい消せる」とか、過激な意見だと「ダーク減算でかえってノイズは増える」なんて書いている人もブログ上にいらっしゃいます(引用はしませんが)。

じつは我々自身も、以前 

ダーク、フラット、フラットダーク、オフセット・・・ - 天文はかせ序二段(仮)

にて検証していて、フラット補正のみを施して強調した画像と、フラット補正とダーク減算を施して強調した画像を比較して、背景のノイズにそれほど差が出なかったと書いておりました。

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上の2枚は、その時の画像です。確かに背景のノイズにはそれほど差がありません。しかしこれはオリオン大星雲・・・つまり冬の画像です。撮影時のセンサー温度は10℃〜12℃でした。それに対して、先日の網状星雲ではセンサー温度は35℃にも達していました。

そこで先日の網状星雲の画像に対して、後からダーク画像を用意して、Deep Sky Stackerで減算をし、ちゃんと比較してみました。下の2枚は、RStackerでフラット・ダーク処理した後、raw現像(ノイズ処理は行わない)をして、DeepSkyStackerで加算平均したそのままの結果です。

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ダーク減算は、ちゃんとやらなければダメですね。とくに夏場は気をつけましょう。