天文はかせ幕下

NJP赤道儀:赤緯軸のベルトドライブ改造(DIY)

前置き

この試みは、いま(2018/11/27)のところ失敗していますので、興味のない方はお読み飛ばしください

赤緯方向のガイドが安定しない理由

われわれのNJP赤道儀は、PD5-XYコントローラとギアモーターで駆動されている未改造のオリジナル品です。その2軸オートガイドでは、制御にPHD2を用いたにしろM-GENを使ったにしろ、基本的には赤緯軸方向が安定しない傾向がありました。POLE MASTERなどを用いて極軸が追い込んであれば、赤緯方向の修正はほぼ必要なくなるはず。それなのに赤経方向が安定して、赤緯方向が暴れるという一見奇妙な結果は、一般的にもよくみられる傾向のようです。

これは正確な極軸合わせがアダとなっているのだと考えています。というのは、赤緯方向の修正が稀にしか行われないならば、その伝達ギアは基本的には「浮いた」状態にあるはずで、つねにバックラッシュ(歯車の噛み合わせの「あそび」)の影響を受けるからです(一方、赤経方向は常に駆動しているのでギアいつも噛み合っており、バックラッシュは皆無といってよい)。

よって、対策としては

  1. 赤緯方向のみバックラッシュを抑える改造を施す
  2. わざと極軸を東西方向にずらして、赤緯に一方向の修正が入るようにする

の二つで、これはいままで数多くの方々が考えてきたことではないかと。まずは1.を試してみました。

タイミングベルトとギアの用意

Misumiを通して、タイミングベルトとギアを買いました(2500円くらい)。

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小さいギアは歯数14、大きいギアは歯数72です。

もともとのNJP赤道儀赤緯駆動の仕組みは以下の写真の通り:

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右側の小さなギアが、モーターに直結しているミニオンギアです。動きを観察してみると、このギアモーター内部でのバックラッシュがもっとも大きく、次いで、写真に写っている噛み合わせ部分のバックラッシュが影響していそうです。そこで

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こんな風にギアの交換を行いました。無加工で取り付けできました。

結果(ででん!?)

かえって、バックラッシュが目に見えるほど、増大してしまった!

原因の推察

タカハシのギアモーターは、もともとギア伝達を前提として設計されているせいか、タイミングベルトのテンションによる負荷で回転軸が簡単に偏心する。バックラッシュと抑えるためには、ベルトにかなりのテンションをかける必要があるようで、そうするとギア軸の偏心によって写真の二つのギアの回転軸が平行でなくなってしまう。結果、どうしてもベルトに緩みが生じてバックラッシュがかえって増大してしまう。。。

やっぱり、ギアと、コントローラーを両方とも交換しないといけないようで、それは我々の手に余る作業です。

極軸をわざとずらす作戦は、どうなのでしょうね。調べれば前例が出てきそうですが。