天文はかせ幕下

木星、今シーズン2回目。

25日の夜は、梅雨の晴れ間に恵まれました。

「シーイングが良さそうな夜は、木星の撮影するよ。当日にアナウンスするから準備しといてね」

と天文部の3年生達に言ってあって、windytyの画像からそれが今夜と思われました。

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1枚目が上空3000mでの風速、2枚目が同高度での気温です。このように風が弱く、気温差がないことが重要かと思っています。さらに上空4800mを見ると、寒暖の境目が宮城県以南に達しています。これは悪い要件。

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しかし年間を通して見るに、これほどの条件はそうそうありません。

「じゃあ、今夜20時まで学校に残っていてください。」

「えー、今夜っすかー。」

と部員達は突然災難が降りかかってきたような顔をしてましたが、結局4人の3年生が集まりました。

 

撮影場所は学校の屋上です。MeadeのLX200のアライメントに手こずって、撮影開始まで1時間かかってしまいました。部員達は30秒の木星の動画を撮影し、あまり遅くなるといかんので早々に解散。AutostackkertとRegistaxを自分で調べて、画像処理してみよと宿題を出し、その後、顧問は夜半まで撮影を続けました。

これまで経験の中では最高のシーイング

あんまり多くない経験の中では、当夜は過去最高のシーイングでした。50GB分くらい動画を撮って、画像処理してみた結果が、こちらです。

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木星 6月25日 21:50~22:00ころ
Camera: ZWO AIS294MC
Optics: Meade LX200 30cm F10 and Kasai 2x Barlow
Exposure: 30ms, Gain: 300
Autostackkert!3にて70%のスタック,
30s動画5コマをWinjuposでDe-rotation 処理
Registax6でwavelet処理、PSで仕上げ。

「最高のシーイング」と言った割には、こんなもんかって出来です。でもそれはもっとスゴイひとたちの撮影結果と比べてしまうからで、この解像度は自己新記録。満足しております。まだまだ改善点は残されておりますので。

以下覚書:

  • Winjuposの惑星の位置合わせ。自動認識があまりうまく動かないので、すべて手動でおこなった。衛星が写っているのでそれを基準にしたけれど、良いのか?
  • 「シーイングの良い」夜でも、時間帯によって著しく悪化する時間があることを、身を以て知った。
  • 画像をよく見ると、直交した縞ノイズが見えている。これはAutoStackkertのAPサイズの設定が小さすぎるせいであるかもしれない(twitterで助言してもらった)これは後日検証。