天文はかせ序二段(仮)

天文はかせ序二段(仮)

仙台高専(旧・宮城高専)天文部の活動記録です

294MCとHeuib IIでM33銀河を撮影

底なしの黒い水の上に、まっすぐな橋が闇へ消えゆくように架かっています。渡ると、右手に30m四方ほどの目的不明な広場。我々が冬シーズンによく使う、はやま湖の撮影地です。ここでの撮影中に職質された時、警察官の話によれば自殺の目的で訪れる人も多いのだとか。。。

宮城県に木枯らしが吹いて間もない水曜日の夜、はやま湖に撮影に行ってきました。

平日では、学業が本望の(?)部員たちは誘いにくいです。というか誘っても来ません。

なんてつぶやいて、出かけてきました。暗くて怖いの嫌なんです。 

しかし、上のつぶやきをみた山形大の地学研究会の学生さんたちが、あとからやってきてくれました。おかげで月が出るまでの短時間の撮影を楽しく過ごすことができました。彼らとお会いするのは二回目。前回はおよそ1年半前の霊山でしたね。

こういう繋がりは、ありがたいものです。

ASI294MCとHeuib IIでM33を撮影

今回の目的は、新しく導入したHeuib IIフィルターと294MCの組み合わせでM33を撮ることです。

カラーCMOSではUV/IRカットフィルター使わないと色出ないってこと、知っている人にとっては常識扱いみたいなんですけど、私は知りませんでしたよ。

f:id:snct-astro:20191124160311j:plain

これが294MCの各チャンネル感度の周波数依存性。Gの感度がRチャネルまで裾野を伸ばしているのが、ノーフィルターでRのコントラストが下がる理由なのだろうと言われています。そこで400nm以下のuv領域と700nm以上のIR領域をカットすれば、相対的にRのコントラストが上がるというわけです*1

しかしながら、UV/IRカットフィルターを入れたとしても、ASI294MCでの撮影では、結果が基本的にG被りになります。私の場合だけなのかもしれませんが、SharpCapでホワイトバランス調整スライダを動かしても、Gが取りきれないくらいです。

そこでHeuib IIなのです。このフィルターは、おおよそUV/IRフィルターと似た働きながら、さらにGとRの間の600~650nmの波長帯をカットしています。

f:id:snct-astro:20191124160137g:plain

相対的にGを弱めてくれて、RとBのコントラストが上がるのではと、顧問は愚考しました。

早速結果です。

M33 Triangulum Galaxy


Date: Nov. 1th, 2019 (12/1 replaced)
Location: Fukushima, Japan
Optics: RASA 11"(F2.2 620mm) with Heuib II filter
Camera: ZWO ASI294MC PRO
Camera parameters: gain 200, white balance R50,B50, Brightness 30, Sensor temp. -10deg., RAW16bit.
Mount: Takahashi NJP, MGEN autoguide
Exposure:a stack of 20 flames x 240sec.

フィルターごとの比較とかしてる余裕はなかったですが、今回の撮影では色がよく出てくれました。ようやく、294MCで納得のいく結果が得られたなと安心しております。

*1:ではなんで、zwoがデフォルトからuv/irカットフィルターを入れずにクリアフィルター仕様にしているのかは謎