天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。
本を出版しました!→PixInsightの使い方[応用編]

観測のほうこく

レグルス食を楽しみました

今月はレグルス食がありました。しし座の1等星が月に隠される現象で、少しマニアックな天文イベントとして十分に楽しめるものです。 天文部からは、ななぜりくんが外で粘って撮影してくれて、X に写真を投稿していました。 先ほど撮影した、レグルス食の潜入…

たのしい惑星状星雲:NGC246を撮影しました

はじめに 惑星状星雲とは、私たちの太陽のような、ごく普通の星が迎える最期の姿だといいます。 そう考えると、夜空は無数の星雲で埋め尽くされ、まるで宇宙にインクを撒き散らしたような光景が広がっていてもよさそうです。現実にはそうなっていないのは、…

こんな均整の取れた銀河があったとは、NGC6744

チリのリモート天文台で8月に撮影していたNGC6744が、お気に入りのリザルトになりました。 date: 2025-07-24~2025-08-26 location: el sauce obsavatory, Chile Optics: Vixen R200ss ExtenderPH camera: ASI294MM-pro exposure: L120s x 264, R120s x118, G…

2025年夏合宿報告(リザルト編)

前回、記事にした天文部の合宿。今回はリザルト編。撮影結果を報告いたします。 さて、本ブログ「天文はかせ幕下」。天文活動をしているのは顧問ばかりで、めったに学生部員の姿が見えないぞ!というご批判は・・・直接受けたことは無いのですけど、読者の皆…

2025年夏合宿報告(顛末編)

お盆休み明け、8月18日から20日の2泊3日の日程で天文部の合宿を行いました。その始終を報告いたします。 出発 いつものハイエースに荷物を積んで、昼過ぎに出発します。 往路の車窓から見上げた空です。すこし大気が不安定だったようで、このあと驟雨…

超新星SN2025rbsの撮影

お久しぶりです。天文部2年のT(仮称)です。 記事にするのがかなり遅くなってしまいましたが、先月、吉田浜へ連れて行ってもらいNGC7331に現れた超新星 SN2025rbs を撮影しました。 超新星の撮影 当日はMT-200で撮影しました。自身初の反射望遠鏡を使っての撮…

月夜の蔵王でナローバンド撮影

前回のデュアルナローフィルターの記事での蔵王遠征、初めての試みだっただけでなく、月のある夜の撮影も自分にとっては新鮮でした。ですので簡単に遠征の記録をしたためておこうと思うわけです 撮影日はお盆の終盤、8月15日の夜でした。当夜は22時ころに月…

義務感いっぱいで撮影した「アンタレス付近」

稜線を越えてくる強風で、夜空全体が山鳴りのような音を立てています。真っ黒の雲が沈みかけの月明かりを覆い隠して、あたりは不気味この上ない様子。夜中11時の蔵王連邦、賽の河原駐車場に到着すると、自分以外に誰の姿もありません。 「はー。やっぱ帰ろ」…

新入部員、20年前のカメラと30年前の望遠鏡で銀河を撮影するの巻

事の起こり 「赤道儀を貸してくれませんか?」 4月に入ってきた新入部員の一人、TS君からそう頼まれました。なんでも、自分の望遠鏡とカメラで銀河を撮影してみたいとのこと。顧問は彼の申し出に正直驚きました。最近の天文部員の多くは眼視観望派で、積極的…

「小口径が大口径より分解するケース」を(再)検証しました

これまでの経緯 前回の反省点と今回の方法 検証方法 結果と考察 動画の比較 スタック後の静止画の比較 終わりに これまでの経緯 (悪シーイング&短時間露光)の状況では、8cm程度の小口径の光学系のほうが、大口径よりも分解する――。この意外な逆転現象…

チリのR200SSの補正レンズを交換してズームアップ。さっそくNGC300を撮りました

望遠鏡をズームアップしました チリリモートのR200ssは、運用開始から2年3か月ほどが過ぎました。 高い晴天率の空の下で望遠鏡は毎日フル稼働してますので、年を2周もするとあらかたの対象は撮りつくしてしまった感があります。そこで数か月前、これまで取り…

晩秋のはやま湖で洞窟星雲(sh2-155)

11月の新月期、星沼会のみなさんは喜界島へ星空観望に行かれていました。天候にも恵まれて楽しい時間を過ごされたようです。 masahiko.me aramister.blog.fc2.com 顧問はと言いますと、まあ。ちょっと悔しいので理由はつまびらかにいたしませんが、宮城県に…

Tsuchinshan-ATLASは大彗星に認定です。バン!(ハンコを押す音)

(概要)明け方に見えていた表題の彗星が、太陽の方向に消えていった10月9日前後、NASAのSOHO衛星の視野に飛び込んできたその姿は眩しいほどで「-5等級に達した」との報もありました。ところが12日の夕刻にようやく再会できた彗星の姿はライブビュー画面のシ…

2024年、天文部夏合宿報告その1

9月3日から二泊三日の日程で、仙台高専天文部の合宿を実施しました。 まずは合宿報告のテンプレート、「合宿晴れない問題」の記録です。ひと月以上前から計画する合宿はなかなか晴天に恵まれません。以下はこれまでの苦渋の記録です 2013年 初日晴れ、二日目…

岩手南部で低緯度オーロラ!

はじめに 事の起こり 7年前の苦い思い出 当日の記録 撮影地、到着時の様子 時系列の空の変化 タイムラプスにして初めてオーロラであることが判明 ニュース報道など はじめに 最近のこもんの対人コミュニケーションは、過半数SNSで占められてしまっています。…

往年?の名機EOS6Dの性能を、Drizzle+BXTで150%引き出す

「低画素機」の利点と欠点 低画素機は、Drizzle Integrationが効く! さらにBXTが効く!! Before-Afterギャラリー リザルト おわりに:EOS6Dはまだまだ現役 冒頭の写真は、135mmF2レンズのZeiss Apo Sonnarを取り付けたCanon EOS6Dであります。顧問にとっ…

自宅で馬頭星雲

ドラモリドラモリ、ドラッグストアモーリー。ドラモリドラモリ、ドラッグストアモーリー。って頭の中で、かかる薬局店のテーマソングが繰り返し鳴りやないのは、そこに自分が出入りし、プロテインなどを買っているのが悪い。1年ほど前、近所の商業用地に建設…

夜空の明るさ,一晩の変化を測定しました

夜空の明るさを表す定量的な指標としてSQM値というのがあります.これは空の1平方秒角あたりの明るさを星の等級で表したものです.その測定方法は,以前 に書きました. 遠征して星の撮影をする我々にとって最も関心があるのは,観測場所ごとのSQM値です.有…

神割崎で2年ぶりのアンドロメダ

宣伝 「来月の皆既月食の前に,現場でzoomのテストしておきたいですよね」 って話があって,10月20日(木)の夜に私は神割崎にいました.天リフの山口編集長,そーなのかーさんと中継の問題点の洗い出しを行いました. 11.8皆既月食×天王星食 ライブ観望会。18…

学校からIR新星景写真

月末の学園祭に天文部で出店するネタ作りの一環で,1年生と赤外線での天の川撮影を試してみました. 我々の学校,光害で天の川はもちろん見えません.しかしIRパスフィルター これと,赤外線に感度のあるカメラを使うことで,見慣れた学校風景に天の川がは…

sharpstar15028とフルサイズカメラで、蒼い馬星雲

まずは結果 昨年導入したSharpStar 15028HNT、これを使って撮影したのはまだ2点しかなく、次の二つです。 __ 一つ目はナローバンドの習作で、お気楽ジョガーさんからお借りしているASI183mmとフィルターで撮影したかもめ星雲の右翼。二つめはのちに丹羽さん…

第4回、ソンブレロチャレンジ。結願しました

自宅での第三回から幾ばくもなく、顧問は第四回のチャレンジを目的に遠征に出かけてきました。3月の、月曜の夜のことでした。 結果 撮影記 遠征地選び はじめてのLRGB撮影 シーイングに急激な変化が! 画像処理 RGB画像の色ハロ L画像のコンポジット Deconv…

NGC4216を撮影

「今晩は、何を撮影されているんですか?」 「あ。えーと、NGC684と672のあたりを撮ってみようと思いまして」 「ほお・・・(知らないので会話が続かない)」 なんてこと、コモンはよくあります。 特に、しばしば撮影をご一緒する かのーぷす さんは毎度私の…

一人はやま湖

底なしの黒い水の上に、闇へ消えゆくように橋が架かっている。渡ってすぐ右手に30m四方ほどの不明な広場。我々が冬シーズンによく使う、はやま湖の撮影地。夜中に巡回してきた警察官の話によれば、自殺の目的で訪れる人も多いのだとか。。。 (はやま湖に…

EOS6Dを追加購入して、アンタレス付近をモザイクしました

天体写真用のカメラ、ここ数年の間、ZWOやQHYCCDの冷却CMOSカメラが主流になりつつあります。その性能は素晴らしく、「冷やし中華」なんて皮肉った呼び方もほとんど耳にしなくなりました。 そんな潮流に反して、あえて国産の一眼レフCanonEOS6Dを追加入手し…

アンタレス付近、2021年バージョン

9日の夜、東北地方は寒冷前線が通過して暴風が吹いていました。また南から梅雨前線が迫ってきています。この日の夜の予報は晴れ。 「これでしばらく晴れなくなっちゃう。ちょっと無理してでも撮影しとかないと」 自宅でスマホを眺めながら呟いた顧問に返事を…

寒波の神割崎で、カタツムリ星雲

お正月明け1月9日の神割崎遠征について思い出しながら書いておきたいと思います。 新月期は撮影に専念して、満月期にブログを更新する方がイロイロと良いのじゃないかなと思い始めています。天リフにピックアップされる確率も上がるのではないか知らん。 確…

ならはで星鍋

天文部の顧問をやっておる私は、観望会などの各種イベントを行うのは苦手な人間です。役所や警察署に申請出して、周知活動した挙句、当日は雨。なんて大変すぎるんです。自分が楽しみたいだけなんだろと言われれば返す言葉がございません。 でも子供の教育な…

木星と土星の最接近(新兵器準備編)

21日の木星と土星の大接近。みかけで0.1度まで近づくのは400年ぶりとか800年ぶりなとどと言われております。貴重なイベントに際して,どういう写真を撮るのが一番楽しいかと考えてみますと,これはなかなか難しい問題です。 といいますのは今回の大…

明け方、極低空のエラスムス彗星(C/2020 S3)を撮りました

先日のソウル星雲をアップしたエントリーにて、nyancotanさんからコメントいただきました。 「C/2020 S3を撮影されたし。当方、高緯度地方在住により困難を極め、南方に住む爾ら若者に託す。次の満月までがラストチャンスぢゃ!うっ!うごふっ!!(意訳)」…