天文はかせ幕下

JP赤道儀について

天文部の活動場所である機械科棟の屋上。その一角、配電盤設備などがおさめてある物置のようなスペースに長年眠っていた所を2014年に発見されたJP赤道儀とMT-200。普段は屋上へ抜ける踊り場スペースに保管しています:

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これまでにモーターやコントローラなどの動作を調べ、それらがまだ十分に使えることを確かめてます。しかし尋常でなく重いので稼働率が低く、まだ土星と火星しか撮影してません。そろそろ、メシエ天体を長時間露光に挑戦したいところです。

それで、極軸あわせについて調べておりました。極軸望遠鏡を覗いてみると

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というような意味不明な文様。ともかく、来年までは目盛が対応しているみたいだ(すごい!)。調べてみるとα-umiとσ-octという記号はそれぞれ北極星南極星を表しているようです。なので、この文様の一番内側の円周上に北極星を配置すればよいのだろう。

でもどこに?

さらに調べる。どうやら「時角」というものを計算しなければならないようです。顧問は物理学が専門であり、そんなの簡単に計算してやるぜと意気込みましたが「ユリウス日」とか「恒星時」ややこしくてすぐに沈没。恥を忍んで「時角」とGoogle検索:

時角の計算と表示

という便利なサイトがあります。こんなサイトを作ってくれるなんて、親切な方がいらっしゃることに感謝しなければなりません。しかし、サイトはいつか消滅するかもしれないし、なによりネットがつながっていないと、極軸合わせができないじゃないか。文明に頼りすぎてはいけない。

 タカハシのサイトの「各種サポート情報」で北極星時角早見盤なるPDFが公開されてました:http://www.takahashijapan.com/ct-support/supp-pdf/polarischart.pdf これを印刷して、さっそく製作

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自宅でビールを飲みながら作ったものだからつまみの油で汚れてしまいました。しかしなかなかの出来。経度の補正もあるので、学校がある野田山の経度を書き込んでおく。使い方は簡単なので説明を略。

以上で、だいたい準備は終わりました。

 

諸注意:

  • 極軸をあわせるときは赤経の回転軸をしっかりゼロにセットすることをお忘れなく。極軸望遠鏡の文様は、赤経軸と一緒に回転します。
  • 赤道儀を設置したとき、東西方向の水平を出しておかないと、赤経の回転軸をゼロにセットしても意味が無い。ピラー脚には水準器がついています。
  • 暗視野照明が無いので、暗闇では極軸望遠鏡の模様は見えません。夕方、まだ明るいうちに北極星を見つけて極軸をあわせるか、あるいは、懐中電灯を極軸望遠鏡の対物レンズに当てると、模様が見えます。暗視野照明をそのうちつけなければなりません。
  • 極軸望遠鏡は視野が反転して見えてます。上の早見版は、反転を前提として北極星の位置を表してくれているようです。