10月はいろいろと忙しい。それでもようやく時間がとれたのでε200の光軸合わせをやりたいと思います。ε光学系の光軸合わせの解説としては、
が分かりやすく参考になりますが、ここでは上の動画の補完的なことも説明します。
準備編
まず、使用するのはタカハシ純正の「センタリングアイピース」です。
このアイピースは1mmほどの穴が開いています。光軸が合った状態で穴を覗けば、眼球の中心が光軸に一致する仕組みです。裏側からみると
とわざと光を反射するアルミ材が二重丸の目玉模様を描いています。その理由はあとで。このセンタリングアイピースを望遠鏡に装着するために使用する接続環に、
このようにテグスで十字を張りました。これは自作しましたが、「センタリングチューブ」を買えば自作の必要はありません。そうして、
こんな風に望遠鏡に接続し、センタリングアイピースを覗きながら、斜鏡と主鏡の傾きを微調節していく訳です(セロハンが張られているのが接続環)。
調整法の概要
ε200の場合、斜鏡と主鏡にしたの写真のようなセンターマークがあります。
左の主鏡写真には、丸に十字線。右の斜鏡写真には小さな点が打ってあります。
望遠鏡を明るい背景の方向へ向けて、センタリングアイピースを覗いてみます。光軸が合っていない状態では、これらのマークやその他の物が一直線上からズレて重なって見えます。次の写真のような感じです。
手前から説明していきます。まず、接続環に張ったテグスが大きくぼんやりと見えています。その向こうには斜鏡の影とスポーク、斜鏡のセンターマークが見えます。さらに向こう側に主鏡のセンターマークがあります。一番背後にはテグスの鏡像とセンタリングアイピースの裏側のアルミが、目玉のように見えています。アルミが鏡面加工になっているおかげで、中心付近のセンターマークがはっきり見える訳ですね。なるほど。
光軸合わせでは、
- テグスの十字線
- 斜鏡のセンターマーク
- 主鏡のセンターマーク
- センタリングアイピースの鏡像
の4つを中心へ合わせていきます。以下その手順を書いていきます。
光軸合わせの手順と方法
まず、補正レンズを外します。
斜鏡は、次の写真のように、4つのネジで固定されています。中心のネジを緩めると斜鏡はグラグラ動き、回転もします。3つの小さなネジを調整して傾きを変えます。
これらのネジを調節して、まずはじめは、テグスの十字線の交点と斜鏡のセンターマークが重なるようにします。センターマークはそれほど見やすくないので、少し苦労します。さらに、斜鏡を回転させて、主鏡のセンターマークの中心に斜鏡のセンターマークを持っていきます。調整後、センタリングアイピースから覗いた像は次の写真のような感じです。
完璧とは言えませんが、こんな具合です。テグスはぼやけているので、ぼんやりした領域の中心にセンターマークを持ってきています。
でもまだ、アルミの目玉が中心からズレていますね。これは主鏡の傾きを調整して、中心へ持っていきます。主鏡は次の写真のように3つのネジで固定されています。
これらのネジは「子ネジ」と「親ネジ」になっていて、子ネジをすこし緩めて親ネジを回すと、主鏡の傾きを変えることが出来ます。親ネジをどう回せば、アイピースの鏡像がどう動くかを解説したい所ですが、私の能力では言語化不可能です。
ε200は、800mmと比較的短い焦点距離ですが、それでもセンタリングアイピースを覗きながら、主鏡の底のネジを回すのはかなりの苦行です。最近のε鏡筒はコンパクトなので、そんなこと無いのでしょうね。
30分ほど格闘して、上の写真まで追い込みました。まだ少しズレていますが、今日はここまで。