天文はかせ幕下

反射望遠鏡でシュリーレン撮影

ここのところ出番の無い口径25cmのSkywatcherドブソニアンですが、ちょっと別の用途に使ってみました。シュリーレン撮影という、流れの可視化法の一つです。こんな映像

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が撮れます。手前に見えている光は、ろうそくの炎。薄茶色の円が、ドブソニアンの主鏡です。炎から立ち上る熱の上昇がよく見えます。

 本格の光学実験器具メーカーから凹面鏡を仕入れて、これだけのシュリーレン撮影をしようとすると、たぶん100万円近くのお金が必要になります。一方、skywatcherDOBはおよそ6万円です。ちょっと考えられない値段の差です。レンズの研磨の状態も、実験器具メーカーのそれと比べてまったく退けを取りません。

撮影方法

天体望遠鏡さえあれば、皆さんのご家庭にあるものでシュリーレン撮影ができます。まず天体望遠鏡の主鏡を取り外します。

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それを机の上にしっかりと立てかけて固定します。つぎの写真のような感じ。

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この鏡の焦点距離は1200mm。なのでその2倍の2400mmの位置に「点光源」をおきます。点光源はアルミホイルに針で小さな穴を穿って、懐中電灯を後ろから当てれば作れます。今回はハロゲンランプと、ちゃんとした実験用のピンホールを使いました。

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てまえ左側にあるのが点光源。右の青い箱状のものは、CCDカメラです。点光源から発した光が鏡で反射してCCDカメラに戻ってくるようにカメラと鏡の位置を調整します。光源と鏡の距離を、ちょうど焦点距離の2倍にとっているので、点光源から発した光は、カメラの位置で再び点に戻ります。
 CCDカメラを使う必要は必ずしも無くて、一般のデジカメでも大丈夫です。ただし絞りは最大に解放します。コントラストをかえてみた写真です。

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黒い斑点は、おそらくカメラレンズか鏡の表面の汚れです。シュリーレン撮影は、汚れや凹面鏡の研磨状態のチェックにも使われるそうです。