天文はかせ幕下

10月下旬の遠征

ことの起こり

ちかごろ大分寒くなってきましたね。

天文部の部員は、なぜか男女揃って体脂肪率の低い学生が多い。スリムなのは悪いことでないのですけど、そうなるとどうしても寒さに弱い。本格的な冬になってしまってから遠征観測に行こうものなら、彼(女)らはあっという間に低体温症、ということになって意識の混濁・錯乱などをおこしてしまうかもしれません。そこで寒くなる前に顧問は

「今夜、観測に行こうではないか」

とみなさんをお誘いしたところ、

「いくぜ!」

と4人ほど部員が集まりました。

新しい機材

そろそろステップアップして新しいカメラを導入したいなぁ、と顧問は思っていました。冬にはMT200を主に使って小さな銀河をたくさん撮影したい。コマコレクターを装着したMT200のイメージサークルは、フルサイズのカメラをカバーできるほど大きくはないので、APS−Cのカメラでいいものはないだろうか・・・。そう思っていたところ、とあるweb上のオークション会場にEOS60Daという天体写真専用カメラが出品されているのを見つけました。会場では、他にも60Daを欲しがっている者が数名いて、激しい争いになりました。顧問はとちゅうから錯乱状態に陥りながらマウスをクリックしまくって、これを落札しました。

そして遠征

名取市を17時出発。「常磐道」という高速道路に乗って南へ。南相馬鹿島スマートICに隣接した食堂で食事をとりました。

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「お腹がいっぱいです」という4人(左から「おのでら、田中、中村、加藤」です)。みんなスマートですね。ここで高速道路を降りて、内陸へ20分ほど車を走らせると、目的地の「はやま湖」に到着。宮城と福島の県境にあるダム湖で、期待通り暗くて星がよく見えました。

部員「おのでら」は、スカイメモRと300mmレンズで撮影の練習、「田中」「中村」は、初めて一眼レフをつかって固定撮影の練習をしました。とにかくみなさん熱心でした。ところが、さいきんハードな卒業研究ですっかり疲れてしまっている「加藤」は、ちょっと星を見て「はあああー」とかため息をついた後、カップラーメンを食べたのち「寒いっす・・」とかいって車の中で寝ておりました。

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はやま湖での星空(中村・田中撮影)EOS kiss x5 iso1600 60sec露光

顧問は、60Daのファーストライト。M33を撮影しました。赤いポチポチが少し映って嬉しいです:

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2016年10月24日 22:30~23:40 M33
canonEOS60Da タカハシε200 on NJP赤道儀 ノータッチガイド
ISO1600 210sec x 20 =70min、光害カットフィルタ不使用
DSSでコンンポジット、ダーク・フラット補正後、EOS Digital Photo Professionalでノイズ除去

今回の観測、現地では4時間ほどの滞在でしたが、思いの外さむかった。冬に観測するならもう少し考えないといけません・・・。