天文はかせ幕下

オートガイドの不調

顧問でございます。

ここ数年の間、このブログはもっぱら私が更新しておりました。ようやく学生たちもそれぞれの撮影技術を得て、記事を更新してくれるようになりました。しかしその主力メンバーのナカムラ・タナカ、阿部にスズリョウは、次の3月で卒業し、それぞれ旅立っていきます。でもまあ、それは仕方のないことであります。

オートガイドの不調

さておき、20日の撮影では、オートガイドが途中から機能しなくなりました。備忘録として、当夜の具体的な症状を時系列にまとめておきます:

  • 天頂付近のM45を撮影開始。300mmの焦点距離で7分露光をしても点に写っていた
  • カメラレンズが西へ傾くにつれて、星が赤緯方向に流れ始める。
  • PHD2のキャリブレーションをやり直すと、”Star does not move enough”とエラーがでて数回失敗(確かnorth stepでそれが起こったような不確かな記憶)。
  • いろいろいじくってからキャリブレーションをやり直すと、とつぜん成功する。
  • しかし、星は赤緯方向にドリフト。

23日、顧問はひとりではやま湖に趣き、オートガイドの点検も兼ねて300mmの8分露光で撮影をしました。すると今度は、赤経方向のわずかな流れがおこりました。様々な状況を勘案して、推測した原因を列記します。

  1. NJP赤道儀には、赤緯赤経モータからのトルクを一時的に逃して微動ハンドルを有効にするためのクラッチがある。そのクラッチを緩めたり締めたりを繰り返すことで、ギアを回転軸に固定しているイモネジが緩むことがある。20日の撮影では赤緯のイモネジが、23日の撮影では赤経のイモネジが緩んでいたのかもしれない。あるいはクラッチそのものが緩んでいた可能性もあり。いずれの場合においても、モーターからの回転がウォームギアに伝わらなくなる。
  2. オートガイダーのケーブルを、ほかのUSBケーブルやモーターのケーブルと一緒くたにして束ねていたため、ケーブルの重量がオートガイダーにのし掛かっていたかもしれない。バカである。
  3. ニコンの300mmレンズのとりつけバランスが悪かったかもしれない。

一番濃厚な原因は、上の1.です。当日、グングンと低下した気温も、クラッチの緩みを誘発した可能性があります。次回の撮影では、以上のすべて改善・チェックして臨みます。気をつけましょう。