天文はかせ幕下

2018年の目標など

このブログの左カラム「月別もくじ」を見てみますと、各年の記事の数を見ることができます。2017年の更新回数は55で、これまでの最高記録でした。目標としていたオートガイドも導入して、ブログタイトルも「入門」から「序二段」へ昇格する飛躍の年になりました。「三段目」への昇進基準は冷却CCDカメラの導入です。いつになることやら。

2018年は、1月27日に起こるアルデバランの接蝕の観測を皮切りに元気に活動してまいりたい所存です*1

バラ星雲の周辺の画像処理

年末の休暇。自宅でゆっくりとphotoShopに取り組む時間もすこしあって、先月の20日に撮影していた画像を処理しました。70mmのマクロレンズで撮影したバラ星雲からコーン星雲の周辺です。

f:id:snct-astro:20180101152843j:plain

2017/12/20  バラ星雲付近
カメラ:Canon EOS60Da
レンズ:SigmaMacro, 70mm EX DG(->F4)
露光:ISO3200 180sec x 15
SkyMemoRノータッチガイド
画像処理:DSSでフラット・ダーク・スタック処理。PhotoShopで強調&ノイズ処理

今回は70mmの「カミソリマクロ」が良い仕事をしてくれました。このレンズとスカイメモとの組み合わせで、もっと色々な対象を撮影できそうです。

あと、この領域は非っっっjo常に星が多い所です。これまで何回も撮影して来ましたが、単純にトーンカーブを持ち上げる画像処理を行うと、星がでしゃばってガチャガチャになってしまい、まともな写真になりません。そこで、ネット上で「ぴんたん」と名乗っている方の手法を参考にして、以下のように処理しました。

  1. 光星をのがざないように星マスクを作製
  2. 星マスクを使って星に処理がかからないようにして、ごく弱めにレベル補正でコントラスト強調。星の周りに輝度が落ち込んだリングができないように弱めに。

  3. 星マスクを使って星を選択した状態で「領域範囲->選択範囲を変更->拡張」を選んで1pxほど選択範囲を拡張してから、「フィルター->その他->明るさの最小値」で星を消す。赤い星雲周辺の星の痕跡をスポット修復ツールでぽちぽちと丹念に消す。明るい星は「明るさの最小値」で消しきれないので、これもスポット修復ツールで丹念に消す。

  4. 出来上がった星消し画像を元に、星雲だけを選択するマスクを作っておく。
  5. 星消し画像と元画像を不透明度を調整して重ねる。こうすると星が暗く写った画像を作る(「ぴんたん」による*2)。
  6. 星が暗くなった画像にたいして、トーンカーブなどを用いてコントラストを強調
  7. あとは星雲を選択するマスクをつかって、赤を強調したり、全体の色カブリを補正したりして、最後にcameraRawフィルターをつかって処理して完成。

とにかく画像処理では、星を小さくすることに全力投球です。「星が小さいのがそんなに嬉しいんですか?」という1年生部員ハタナカの声が聞こえて来そうですが、本当にそのとおりかもしれません。少なくとも顧問は、Photoshopに向かっていると「これは一体なんの作業なのか?」と疑問が頭をもたげてきます。 

高画質版もあげておきます: 

bara _dss_ps

 

*1:が、よく考えたらその日顧問は出張でした。一年生たちに「観測にいきますよ」とアナウンスしていただけに謝らなければなりません。そのかわり、別日の遠征を計画しましょう。

*2:なんか呼び捨てですが、ネット上のハンドルネームに~~さんをつける呼び方にどうしても違和感があり、こう書いてます。