天文はかせ幕下

過去画像の再処理してます・・

先日、DeepSkyStackerでスタックする前にraw現像を施したほうが、色が引き出せやすいという記事

raw現像を取り入れた画像処理の流れ - 天文はかせ序二段(仮)

を載せまして、当ブログとしては、あれだけブックマークがついたのは初めてのことでした*1。7月の新月期に入っても、宮城県は曇り空が続いていますので、ここは自宅にこもって、これまでに撮影した画像の再処理をいくつか試みていました。

M16の再処理

まず、今年の6月13日に撮影したM16ワシ星雲の画像の従来の方法による処理結果です:

M16_eagle nebula

2018/6/13 22:00-25:30
カメラ:
Canon 60Da 

光学系:Nikkor 300mm F2.8 ED (->F4)  with Astronomik CLS CCD filter
露光:ISO1600 360sec x 22 
マウント:NJP赤道儀、PHD2ガイド
画像処理:DSSでフラット・スタック処理。PhotoShopでレタッチ。

これは、見た感じ「うーん、赤いね・・」という感じしか出ない感じです。新しい方法なら、色が引き出せるかもしれません。ところが結果は大して変わりませんでした(なので掲載も省略します。)。そもそも元画像には青の情報がほぼ存在していないようです。もともと赤が一方的に強い領域なのか、それともこの撮影で使用していた光害カットフィルター(Astronomik CLS CCD)が原因の可能性もありそうです。

M8,M20から「バンビの横顔」

もう一つ、干潟星雲、三裂星雲から「バンビの横顔」にかけての画像を再処理しました。

まずは従来の方法による処理結果:

lagoon_HDR_ps2

カメラ:Canon 60Da 
レンズ:Apo-Sonner 135mm F2->F2.8
露光:ISO1600 90sec x 22 + 45sec x 6 + 20sec x 6
マウント:SkyMemoRノータッチガイド
画像処理:DSSでフラット・スタック処理。HDR EflexProでHDR合成。PhotoShopでレタッチ。

そして新しい方法による処理結果:

around M20 and M8

カメラ:Canon 60Da 
レンズ:Apo-Sonner 135mm F2->F2.8
露光:ISO1600 90sec x 22
マウント:SkyMemoRノータッチガイド
画像処理:DSSでフラット・スタック処理。PhotoShopでレタッチ。

Photoshopによる画像処理も、我々の場合はまだまだ発展途上の状態で、うえの二つは全く同じレタッチをしているわけでなく、単純な比較はできないということをあらかじめお断りしつつ、新しい方法のほうが色がよく出ていると思います。とくに三裂星雲の青いほうの部分、干潟星雲の左側のNGC6559(猫の手星雲)、バンビの首元あたりのNGC6595あたりを見比べてみるとわかりやすいですね。

これから夏の撮影が、ますます楽しみになってきます。

*1:天文リフレクションのかたが、我々がアップするような小ネタについても丁寧にピックアップしてくださるおかげだとおもいます。素晴らしい活動ですね、ありがとうございます。