天文はかせ幕下

オリオン座とバーナードループ

小学生のころから何度も望遠鏡で眺めていたオリオン座の周辺。その東側に大規模な円弧状の星雲が広がっていることは,最近知りました。バーナードループと呼ばれているそうです。憧れだったこの領域を,初めて撮影しました。

神割崎にて。夜半過ぎに撮影していたオリオン座周辺のパノラマ合成です。

Orion and Barnard's Loop

日付: 2018/11/3
カメラ: Canon EOS 60Da
レンズ: Zeiss, Apo-sonner 135mm, F2.0->F2.8
縦2枚,パノラマ合成
露光データ: 左側は180sec(ISO1600)x12枚,M42を含む右側は180sec(ISO1600)x13枚と60sec(ISO400)x6枚と20sec(ISO400)x6枚をPSでHDR合成。
Mount: kenko sky memo R
蛇足:リンク先のFlickrに飛ぶと,さらにシャープな写真がみられます。

2つのフレームのヒストグラムのピーク値をRGBそれぞれ慎重に合わせたので,接合のエラーは無いと思います。構図もそこそこ決まりましたし。ただ,画像処理でかなり苦悩しました。左側のバーナードループ,中央の馬頭星雲と燃える木,3つ星,右下のオリオン大星雲とそれぞれ特徴的であるため,ある部分に注目して処理をしていると他の部分が崩れたりします。例えば,3つ星周辺の青をもっとはっきりさせたいなと思いつつ,PSでマスクを駆使しながらマウスをクリック,

「Before..,After. Before.......After!」

などと「よっちゃん*1」になった気分で悦に入っていると,下の方でオリオン大星雲が崩壊していることに気づかなかったりします。

下の写真は苦悩の過程です:

f:id:snct-astro:20181108231929j:plain

「案1」はある日の深夜までの作業で仕上げたものです。右上や左下部分に緑の偽色があって非常に汚く,M42付近の青もしつこいです。翌朝になって,M42付近の青の彩度を修正したのが「案2」です。その日の夕刻になって,「案3」では右上部分のカビが生えたような緑の偽色に気づいて,それを修正。「案4」で全体的にマゼンダによっていた赤い星雲を修正し最終盤としました。