前置き
先日、岩本彗星の撮影をしていたときのついでに、M81とM82の周辺も撮っていました(といいますか、こちらが本命で岩本彗星はついででした)。最近よく使っているフルサイズの6Dと500mmレンズの組み合わせでの撮影ですと、この二つの銀河は小ぢんまりと画角に収まり、その周辺に広がっている薄雲のような宇宙のチリ(分子雲)との組み合わせが良い感じになります。
その構図は定番でもあるのですが、このへんの分子雲は非常に淡いことで知られており、鮮明に捉えるためには数夜を費やして5時間とか6時間といった露光をするわけです。そんなの無理です、わたしには。
そこで、一晩でも最良の結果を得るために、こんな作戦を練りました:
- 街の灯りが弱くなる0時以降に撮影する
- その上で、薄明ギリギリまで3時間の露光を確保する
- 撮影場所も、いつものはやま湖よりも南に移動して、仙台から離れる
0時以降にM81&82が天頂付近に位置する季節は、2月を逃せばまた来年です。そんなわけで平日に遠征してきたわけでした。
M81, M82と周辺の宇宙のチリ
当日は風が強いながら天気に恵まれて、およそ3時間の露光を確保できました。しかしそれでも足りないので、分子雲のあぶり出しはそこそこにしました。でも、銀河の階調を残して、目をこらすとうっすらと分子雲がもくもくしているくらいが自然なのかなとも思います。
Date: 14th. Feb. 2019, 0:30~
Location: Hara, Fukushima
Camera: Canon 6D
Optics: Mamiya Apo Sekor 500mm F6
Exposure: 360sec. x 29(ISO3200)+ 120sec. 10(ISO3200)
Guide: Kenko SEII with PHD2, dithering
覚書:
(あ)もうちょっと西方向(写真でいうと右)に画角をとればよかった。
(い)なぜかM81もM82も、赤っぽくなってしまった。
(う)撮影場所は、先日書いた通り原町フラワーランドの道端です。常磐富沢の秘密のばしょまでいけばさらに良い結果になるかもしれませんが、ちと遠い。
(え)mamiyaの500mmレンズ冷静になってみてみると,周辺像のコマ収差が強いのがわかります(250mmはフルサイズ周辺まで点像なんですが)。ちょっと気になりますね。ライバルはFSQ85とかここで書いてましたが,フラットナーを取り付けたFSQの星像には遠く及びませんね。