天文はかせ幕下

5月:蔵王山での観測遠征記 その1

学生やOBたちとの約束もあって、5月3日は遠征観測に出かけました。まずは学校を出発して南西方向へ。遠刈田温泉に向かいます。

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目的地へのルートの目印になる、大きな鳥居。期待できる空が広がっています。

今回の撮影地である蔵王山の賽の河原駐車場は、宮城-山形を結ぶエコーラインと呼ばれる有名な山越え道路沿いにあります。天文人口密度の低い(と思われる)宮城県でも比較的に混み合う撮影スポットです。山越えの風を避けられるベストポジションを確保するために早めに出発しました。

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まだ明るい時間に一番乗りで到着。写り込んでいるのは、元部長のハタナカ(プラネタリウムの責任者)。高地の美しい夕景を見て、人生の何か大事なことに気づいたかのような後ろ姿ですね。実際は、顧問に

「適当にその辺に立て」

と言われてボンヤリ立っているだけです。

同じく参加予定だった新部長のヒヨリはあいにく都合つかず欠席でした。もう一人、特別ゲストは本校のOBで、有名カメラレンズメーカーに就職したA氏です。

そして。。。ででん!

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A氏所有の通称「ボケマスター」Sigmaの105mm F1.4 Artを今夜だけお借りしましたよ。夜半過ぎにはこれで天の川周辺をノータッチ撮影します。初めて手に取りましたが、「よくこんなもの製品化したな!」と呆れてしまうくらいデカイレンズです。でもこのレンズ、ほんとすごい性能でした。

前半戦

夜半までは春の星座。そこでMT−200でソンブレロ銀河M104を狙いました。強風のためかガイドは暴れ気味で、たったの13枚スタックでした。

Sombrero Galaxy M104

Sombrero Galaxy M104

Date: 3th May 2019, 21:00~
Location: Miyagi, Zao
Camera: Canon 60Da
Optics: Takahashi MT-200 1200mm F6, MPCC Koma corrector
Exposure: 360sec. x 13(ISO1600)+ 120sec. x 3 (ISO 1600)
Guide: Takahashi NJP with MGEN

円盤のなかの模様をだすのが目標でしたが、まったく無理でしたね。まあ、こんなもんかといった写りです。MGENのガイドで、RA方向の修正条件パラメターを甘くしすぎPモーションを修正してくれなくなるという凡ミスを今回は味わった。

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MGENのパラメターをひたすら弄っておるワタクシ。A氏による撮影です。・・・星空見ろよ。

そして後半戦へ。

日付が変わる頃には、わずかに暗くなった仙台市の向こう側から天の川が登って来ます。A氏撮影のタイムラプスです:

このあと、M101や天の川周辺を明け方まで撮影しました。つづく!