天文はかせ幕下

RASAの片ボケの原因

元旦の撮影では、RASA11"と294MCproの組み合わせで気合を入れ、ボーデの銀河を撮影したところ、片ボケで敗亡・破滅しました。

タカsiさんやKyoeiOsakaのSさんからもアドバイスいただいて、原因を3つ考えました

  1. リテーニングリングの締め付けすぎ
  2. ZWO製のEFマウントのスケアリング
  3. RASA11"の光軸のズレ

まず1.からご説明いたします。下の写真は、RASAのカメラ取り付けの様子です。一番左の大きいリングが「リテーニングリング」。そこから右へ順に、「M48カメラアダプター」「Tリング」「EFマウントアダプター」「延長筒1」「延長筒2」です。6つもの接続リングをへて、赤いカメラを繋げています。

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このリテーニングアダプターを、顧問はけっこうがっちりと締め付けてました。というのも緩すぎると少し力を加えただけでカメラが回転してしまうので。しかし、マニュアルを見直して見たら、「リテーニングアダプターを締め付けすぎると、補正レンズが歪んで像が乱れるので、程よく締め付けてください」とあるではないですか。それが原因?

 

次に2.。私の手元にあったZWOのEFマウントは、なんかちょっと作りが良くなくて、実際に装着してもすこし緩く、カメラが「遊び」ます。これについてはKyoeiのSさんに相談したところ、「最近、このEFマウントがモデルチェンジなされた」との情報が。早速注文して、そのマウントを手に入れました。

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左が古い方。右が新しい方です。質感的には新しい方がはるかによい感じで、装着時も程よく硬い手応えがあって、カメラもしっかりと固定されます。

 

最後に3.については、トライバーティノフマスクをこしらえて、現場で星像を確認しました。

ショーモない結果

結論から書きますと、上の三つの原因は全てハズレでした。原因は冒頭の写真の「延長筒1」と「延長筒2」の間にほんの小さなバリがあったためだったようです。

ほんとすみません。

そのバリは、後天的に顧問がリングを落下させるなどして発生したものと思われますが、とにかくそのせいで0.1~0.2mmほどのスケアリングズレが生じてしまっていたようでした。

どうもこういうポカミスに足元をすくわれることが最近多いです。

でもでも。新旧のEFマウントの品質の差はかなり大きく、その違いも片ボケに少なからず影響していた可能性があると推察しています。古い方のマウントを使われている方は、新型に買い換える価値は十分にあると思います。

あと、片ボケのほとんどない状態でも、延長筒内にフィルターを入れると、片ボケがわずかに増大することも認められました。玄天とかの薄いフィルターを使うと軽減できるのでしょうか?

記録

以下は備忘録。今回の検証結果を残しておきます。

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RASA11"+294MC、片ボケがある状態でのバーティノフマスク像。中心でピントを合わせると、左側では真ん中の光条が下側に、右側では上側にズレているのがはっきりわかる。

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上の写真のバーティノフマスクを外した場合。左側は微光星がわずかに肥大している。

 

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マウントを交換して、スケアリングエラーが解消された状態での星像。微光星の大きさが全面でほぼ均一になっている。

 

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トライバーティノフマスクをつけて撮影したカペラ。光軸は問題なさそうである。

 

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最後に、ほぼ撮って出しの獅子座トリオ。片ボケも認められない様子。