天体写真においては、画像処理のどこかのタイミングでRawをtiffなどに変換します。その時に使っているソフトウェアによって、色や解像度に違いが生じるのではないか? これまでの経験からそんな気がしておりましたので、試しに一挙比較を行ってみることにいたしました。
サンプルはEOS6D + Sigma 105mm art (レンタル)で昨年に撮影していたアンタレス付近の一枚ものの撮って出し画像です。手持ちの全ての処理ソフト
- Digital Photo Professional (DPP:Canon純正の画像処理ソフト)
- Photo Shop の Camera Raw
- Deep Sky Stacker (DSS)
- Stella Imege ver. 8
- Pixinsight
の5種について比較を行いました。公平に比較するためには慎重な調整が必要なのですが、今回は次のようにします:
- DPP:WBのみ調整、デフォルトでonになっているシャープ化処理をオフにして16bit tiff 出力。(この画像を比較基準とする ヒストグラムピークは120/255)
- PhotoShop:CameraRawでWBを調整、デフォルトでonになっているカラーノイズ処理とシャープネスはオフにして、16bit tiff出力。
- DSS:一枚の画像を形式的にスタック後、結果を"Embed Adjustments in the saved image but do not apply them" にチェックを入れて、16bit tiff出力、PSでWBのみ調整。
- SI:RGGBパターンでディベイヤー、オートストレッチにてWB調整後、レベル調整にて上下スライダの値の差が14bitで、かつヒストグラムのピークが120/255になるように調整後、16bit tiff出力(SIは32bitで処理を行うためこの操作が必要、14bitとしたのは6DのADCが14bitだから)。
- PI:RGGBパターンでディベイヤー、Background neutralization でWBを調整後、レベル調整でヒストグラムのピークが120/255相当になるように上側スライダのみを調整して、結果を16bit tiff出力(PIも32bitで処理を行うためこの操作が必要)。
それぞれのtiffは、webに載せるために、PSでjpgに変換しています。ではそれぞれ見て見ましょう。
1. DPP
2. PhotoShop Camera RAW
3. Deep Sky Stacker (DSS)
4. Stella Image
5. Pixinsight
いかがでしょうか?
顧問の印象では、発色では
PS > DPP >>DSS>>PI >>>>> SI
と感じました。DSSは予想どおり、SIとPIについてはちょっとひどすぎるので、比較の仕方が悪い可能性もあります。
意外だったのは、解像度(感)にも差が出たことです。これも顧問の印象では、
DPP=PS=SI>PI>>>>>DSS
です。これも比較の仕方がわるいのか?
いままでPSで行なっていたRAW現像を、DPPに変更しても良いかもしれません。比較方法については議論の余地があります。気になる点がありましたら、コメントいただけると嬉しいです。