天文はかせ幕下

電視観望+リモート観望会の練習

序(準備状況)

ひと通り準備が整えてあった電視観望によるリモート観望会。連休の晴れ間を使ってようやくテストしました。使用機材は以下の通り

  • カメラ:ZWOASI294mc、SONY α7S
  • 光学系:Celestron RASA11", NB1フィルタ
  • 架台:iOptron CEM70G
  • 撮像ソフト:SharpCap
  • 導入ソフト:Cartes du Cial (Sky charts), All sky Plate Solver
  • 無線wifi:Huawai Nova lite 3(私物)
  • パソコン:Acer ノートパソコン windows8

α7Sとパソコンの接続はiodataHDMI-USB変換を使いました。これはHUQさんがやっていた方法です。

配信方法は、顧問私物のスマホをアクセスポイントとしてパソコンをインターネット接続して、TeamsでSharpCapの画面を共有する仕組みです。ですので撮影場所は、スマホの電波が良好に繋がる範囲である程度暗いところが望ましくなります。今回は

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このあたりで行いました。仙台空港近く、岩沼海浜緑地の入り口です。ゲートが閉じられて袋小路になっている場所を利用しました。

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環境はこんな様子。撮影方向は市街地で、写真に撮ると真っ白。海側の反対方向は星が比較的よく見えています。

配信側として気になるのはデータ通信量です。こちらは3時間くらいの接続で800MB程度でした。子供にスマホ貸して、youtube見せる方がずっと通信量使います。これは気にしなくて良さそうです。

では、当夜の記録です。

破(破滅的トラブルとそのリカバリ

20時配信開始をアナウンスしていて準備開始が19:30とギリギリになってしまって・・・、これはカメラアダプタを忘れたためでした。一度赤道儀を撤収して車で学校まで往復、1時間程度のロスでした。近征地で助かりました。

赤道儀の設置からアライメントまでは、CEM70G(三脚に赤道儀を固定するネジ回し以外は)はスムースな気がします。とくにiPolarが優秀で、カメラを接続しただけで即座に極方向を示してくれるのはありがたいです。

その後スマホとパソコンを繋いで、Teamsにアクセス。茨城高専の皆さんと会話しながら準備を進めました。その後に起こったトラブルは以下の通り:

  • SharpCapから、USBカメラとしてα7Sを接続すると、画面は認識するけれどsharpCapが固まってしまうトラブル。結局、現地での接続を諦めて294mcにチェンジ。
  • ところが294mcに替えても、sharpCapが固まってしまう。
  • パソコンをwindowsからmacBookに替えて、asi studioを使うことに。すると今度はwifiが繋がらない。
  • windowsに戻って、wifi繋いでasi studioをインストール。これでようやくリモート観望が可能に。
  • しかしcartes du cielが赤道儀を認識しない。しかたなく、精度は落ちるけどCEM70Gの自動導入を使う

結局茨城高専の皆さんには1時間ほど待たせてしまいました。まあ、トラブル発生は予告済みでしたので、皆さんまったり待ってくれました。それでも、けっこう良い画像が配信できました。受信側に回っていたglsnsciさんのキャプチャ画面です。

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まずは北アメリカ。鏡像のままです。5秒露光ですが立体感あると思います。asi studioのasiLiveはカラーバランスバッチリの画像を吐いてくれて、コントラスト調整つまみだけで強調の具合を調整できるので、非常に使いやすいです。

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もう一つは三日月星雲NGC6888。5秒露光でこれですからね。フラット補正してませんが、フォーサーズなら周辺減光は気になりません。

あとはM27、M15、M57などを見ましたが省略。

急(急場をしのいで・・)

茨城高専の皆さんとさよならして、片付けの前に上記のトラブル群が気になりました。もう一度ひとりでテストしてみますと、SharpCapもcartes du cielも正常に動きます。自動導入もプレートソルブ もバッチリです。Teams接続がいけなかったのだろうか?glsnsciさんをもう一度呼んで、Teamsを繋いだ状態でもう一度テスト。しかしすべて正常に動きます。

それで、淡い対象をもう少し観望。

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ハート星雲中心部です。

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さらに思い切り強調した網状星雲。どちらも5秒露光です。あんまり強調しすぎると、電視観望っぽく無くなってしまいます。

 

それにしてもトラブルの連続、何がいけなかったのだろう?この辺は、さらに経験を重ねる必要がありそうで、一般公開に踏み切るのはまだ時間がかかりそうです。

cartes du cielで星図を見せながら、自動導入して対象を見る、という流れは非常に教育的です。近く、本番の観望会を実現させたいです。