天文はかせ幕下

赤外撮影と赤道儀のてすと

 

先日の設営では、赤道儀のトラブルで撮影ができず、危うく発狂しかけたことを

に書きました。

どうも電源周りに原因があったようで、と言いますのも後から冷静になってみれば、パソコンの充電を開始したタイミングで赤道儀の挙動がおかしくなったのでした。

しかし。何にしても動作テストをしておかないと、次の遠征に望めません。念のためCEM70のファームウェアをアップデートして、赤道儀のとパソコンの電源を別系統にしたうえで自宅でテストしました

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そのときの様子。電柱がナトリウム灯の影を落としているところに機材を設置します。

「あすこのご主人、夜中にごそごそと作業していることがたまにあるんだけど、気色悪いわよね」

近所の奥様方にはそう見られている思うのです。まあでも、変人であるというイメージが一度定着してしまえば、あとは気を使う必要もなく楽なものです。この日は、作業中に隣のご主人(数少ない理解者)が会社から帰宅されて、ちょっとお話ししたり。

動作テストのついでに、最近流行の赤外撮影を試してみました。294mcにsightron japanの赤外パスフィルターを装着します。

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このカメラのマウント部には、付属のリングを利用してネジ径31.7mmのフィルターが装着可能です。「アメリカンサイズ」と呼ばれるフィルターで、小さいので比較的安価に手に入ります。小さな銀河の撮影なら、多少のケラれは気にしなくても良いでしょうというわけです。

がしかし、いざ撮影に入ると真っ暗で何にも写らずプレートソルブ もピント合わせもできません。実は、別のところにUV-IRカットフィルターをつけっぱなしにしてしまっていたのでした。IRカットとIRパスを重ねたら、何にも写らないわけです(このポカミスでバタバタしている際Twitterでタカsiさんに相談したり、お世話になりました。)。

そのあとは、AstroPhotographyToolsのプレートソルブ も、オフアキガイドもバッチリ決まって、気持ちよく撮影できました。

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M104 and M100
Date: 2021-3-4

Location: natori-city, Miyagi, Japan
Camera: ASI294mc-pro
Optics: Takahashi MT-200, Sightron IR720 pro filter
Mount: CEM70G off-axis Guider+QHY5II174M
Exposure: 240s x 5f gain:120

 M104とM100です。どちらも20分露光でたいしたことないですが、それはともかく今回久しぶりに

「お、写った!」

って感動を味わえました。

天体写真の楽しみの半分くらいはこの「お、写った!」なのだろうと思っています。それだから皆さん、どんどんと淡い対象に挑戦したり、あえて光害地で撮影したりするのでしょうね。この気持ちを忘れないようにしないと。