天文はかせ幕下

銀河シーズン、第二回目はM100を撮影しました

この時期、街が寝静まる時間帯になりますと、獅子座、かみのけ座、乙女座といった比較的地味な星座が頭上に並びます。ちょうど、天の川銀河の円盤に対して垂直の方向にある星座たちで、星が少ない領域でもあります。変わりにたくさんの系外銀河見えていて、例えばかみのけ座の方向を200mm程度のレンズで撮影してみますと、こんな写真が撮れます。

Virgo cluster

 数え切れないくらいの銀河が映り込んでいるのが分かりますでしょうか?

この写真の右上あたりに綺麗な渦巻状の銀河があります。M100と番号づけられた渦巻銀河です。

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今回の神割崎遠征では、これを撮影しました。

 

前回のはやま湖遠征の失敗がありましたから、 顧問は山籠りの修行をしておりました。何回かの予行練習を重ねた甲斐あって、APTのプレートソルブ などを大体使えるようになり(そーなのかーさんに大変お世話になりました)。おかげさまで、機材を設置してから撮影に入るまでのプロセスがだいぶん楽になり、トラブルもだいぶん排除できてきました。

現在、撮影までの流れはこんな感じです:

  • 機材を設置
  • iPolarで極軸あわせ
  • ハンドコントローラーからOne star Alignを実行(基準星方向に移動)
  • APTを起動してプレートソルブ >シリウス導入>One star Alignを終了
  • APTからM100へgoto
  • プレートソルブ>M100が中心に
  • PHD2のキャリブレーション
  • SharpCapで撮影

NJP赤道儀で手動導入していた頃に比べると、圧倒的に楽になりました。心にも余裕がてできて #天文なう 写真が捗ります

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こちらはオートガイドの様子を確認する顧問です。相変わらず星空みてません。

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明け方に天の川なんか撮影してみたり。

 

目的のM100はたっぷり6時間ちかく露光しました。その結果はこちらです

M100

Date: 2021-3-9
Location: Kamiwari-saki, Miyagi
Optics: Takahashi MT-200 1200mm F6, MPCC Koma Correcter, UV-IR Cut filter
Camera: ASI294MC pro
Exposure: 240s x 65, gain120
Processing: Pixinsight, Photoshop

 

ここ最近、teamsで行っていた勉強会にてdeconvolution処理について学んだことが多くあって、この画像でその成果を出すことができました。詳しくは次回以降にまとめたいと思います。