天文はかせ幕下

はじめての浄土平

皆さんにとって、天体写真撮影の「聖地」はどこでしょうか? 

先日、「土捨て場」の閉鎖で話題になったしらびそ高原はよく引き合いに出されます。ほかにも、天城高原やすさみ町、秋吉台四国カルストなど、きっと地域ごとにそれぞれ特別な撮影地があるのだろうなと想像します*1

 

さて今月の新月期は、土曜日に晴天に恵まれました。そして顧問は、満を持して浄土平にお出かけしました!

関東方面の天文ファンの間では「浄土平は聖地だよ」という方も多いでしょうし、この地に特別な想いを抱いている方も知っております(リンク)。計画時はとてもワクワクしておりました。

この日は、たくさんの天文ファンが関東方面からいらしていて、暗い空での撮影を楽しんでいる様子でした。あまりの賑わいに、レストハウス近くの駐車場では交通の往来がおおくて目が暗順応せず、

「普通(といっても蔵王程度)の星空かな?」

というのが本音の印象でした。しかしながら帰宅して撮影結果を確認すると、ほとんどカブリ補正の必要ないデータが並んでいて、浄土平の空はかなりのクオリティであったようです。やっぱり、あそこは「聖地」だったようです。

ただ一つ注意点が。ここはネットが通じません。設営後にTelescopiusで構図を確認しようとしたら全くアクセスできず、かなり焦ることになってしまいました。「天文ナウ」ツイートもお預けでした^^

 

そんな遠征の顛末は

にまとめております。出来心で、すこしファンキーなイントロになっております。少し音量を下げてごらんください。

 

撮影結果

今回の対象は、クワガタ星雲付近です。

The bubble and Lobster Claw

Date: 2021-09-11
Location: Jodo-taira(Elevation 1600m)
Camera: Asi2600Mc pro
Optics: Celestron RASA11"
Exposure: 240s x 54flames(gain0)
Processing: Pixinsight, Photoshop

毎度のことですが、リンク先に飛んでいただいたほうが、高画質でお楽しみいただけます。といいますかぜひクリックしてご覧いただきたい。

画像処理は、

・全体を若干赤カブリさせること(そうすると、背景の分子雲がリッチに見える)
・星をキラキラ見せること

を念頭に行いましtた。クワガタの鋏の間の暗黒部がつぶれているという指摘を、星沼会のみなさんからいただいたので、これは再処理の時の課題にします。

 

*1:個人的なことですが、我々にとっての聖地は「はやま湖」と「神割崎」。それぞれ、親しい撮影仲間のかのーぷすさん、そーなのかーさんと初めて会った場所でもあります。