先日、曇天にはばまれて不発だった神割崎遠征では、ラッキーな出会いがありました。下段で撮影されていたお気楽ジョガー (@hiroshi_xy) | Twitter さんとお近づきになれたのです。そして後日、氏から連絡がありなんとASI183mmとフィルターホイールセットを貸していただけるとのこと。たった10分ほど立ち話をしただけだったのに。
Twitterでも、天文仲間たちが機材をシェアしているようすをよく見かけるようになって、なんだか最近の伝染病の流行が、別の面では人と人の距離を縮めているような、そんな気がいたします。
コチラがいま顧問の手元にあるモノクロカメラ。ホイールの中にはバンド幅3nmの高級なナローフィルターが入っていて驚きました!ありがとうございます。
そんなわけで過去の発言「モノクロナローは老後の楽しみ」を撤回し、ベランダ撮影に踏み切ったのです。
準備
まず、物干しスペースのベランダの一角を、冬期にひと月ほど占有し続けることについて妻から了承をとりました。そのうえで、SharpStar15028HNTを載せたKenkoのSE2を常設します。
むかし庭の舗装につかった平べったい石を置いて、マジックで三脚の位置をマーキング。普段は自転車カバーをかけておきます。
ベランダ撮影覚え書き
ドリフトアライメントはざっくりでも何とかなる?
ベランダ撮影といえば北極星が見えない場合がほとんどなので、極軸のドリフトアラインメントが必要になります。RNAさんのブログ
やLambdaさんのブログ
を参考にしました。GoogleMapを使って、自宅の壁が南北に対して何度ズレているかを把握するアイデアはさすがでした。
撮影初日に30分くらい格闘し、極軸精度が曖昧なまま撮影に入りまました。するとガイドグラフは赤緯が一定方向にズレつづけ、終始修正が入る形に(ということは北極星が東西方向にズレている)。ですが結果は点像だったので、おおらかな気持ちでヨシ!としました。
毎回ドリフトアラインをするのはかなり面倒なので、赤道儀は出しっぱなしです。
電線はそんなに影響しない
こちらはベランダからの撮影方向。
「S」の文字を入れた方向が真南で、南に低い対象は南中後すぐに電線に掛かってしまいます。
電線はそんなに影響しなさそうか気がするけど、どうなんでしょ? pic.twitter.com/84N08chilr
— だいこもん (@pochomskii) 2022年1月31日
実際のところ撮影結果に影響はほとんど表れないようで、電線越しに撮影したフレームもどんどん採用できました
撮影すると、子供が暴れる
ベランダ撮影では、三脚の周りを歩くとPHD2のグラフがピコーンと動きます。その様子に長男興味を持ってしまいました。自宅内をわざと飛び跳ねて、グラフが動くかどうか確かめようとするのです。室内で子供がドタバタするくらいでは、ガイドには影響なかったのですが、私が撮影を始めるとワザと階段をジャンプして、そのあとガイドグラフを確認しに来るので閉口しました。
結果
撮影対象は「カモメ星雲の右翼」。左翼かもしれませんがそれはどっちも似たようなものです。各フレームの詳細はキャプションに書いてます。共通の撮影条件は以下の通りでした
Optics: SharpStar15028HNT
Camera: ASI183mm pro
Exposure per frame: 240sec.
Gain: 120
Sensor Temp.: -10deg.
お気楽ジョガーさんからも、星沼会の皆さんからも「S2,O3は泣きが入るほど淡いから吠え面かくなよ」的なことを言われておりましたので、Haは満月期、S2とO3は新月期に撮影スケジュールをあてました。ところが思いのほか晴れなくて、残念ながら時間切れ。
Hα=10時間、O3=5.7時間、S2=2.5時間
とバランスの悪い配分になってしまいました。
それでも星沼会のみなさんにアドバイス受けつつ、SHO合成をしてみます
SHO Composition, total 18.7 hours.
あー、やっぱり頭部を撮るべきだったか。でも、羽根先端の明るい領域を写してみたいと思ってたんですよね。
最近、machoさん
が、東京からのナローバンドでハート星雲など」を撮影され、天文ガイドにも入選するなど目覚ましい結果を出しており、コモンとしては目標だったんですけど、及びませんでした。でも初挑戦としては結構満足です。
(machoさん、ブログ更新待ってます)