天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。
本を出版しました!→PixInsightの使い方[応用編]

チリのR200SSの補正レンズを交換してズームアップ。さっそくNGC300を撮りました

望遠鏡をズームアップしました

チリリモートのR200ssは、運用開始から2年3か月ほどが過ぎました。

高い晴天率の空の下で望遠鏡は毎日フル稼働してますので、年を2周もするとあらかたの対象は撮りつくしてしまった感があります。そこで数か月前、これまで取り付けていた"Corrector PH"を”Extender PH”に交換して、焦点距離を760mmから1120mmにズームアップしました。

F値は3.8から5.6となるので明るさは半分になりますけど、画角は下図のように結構狭まります。

NGC300は全天一美しい銀河(と思う)

それでまだ撮っていない銀河などを撮影していこうと思うわけです。さっそく一発目はNGC300を撮りました。

NGC300

Date: 2024-11-25,12-01,05,21(4 nights)
Location: El sauce, Chile
Optics: Vixen R200ss, PH Extender (1120mm F5.6)
Exposure: 120sec. gain120, (L, R, G, B)=(212, 62,57,57), 240s gain200 Ha=65f, total 17.2h
Processing Pixinsight, Photoshop

この銀河、全天を見回してもトップ3に入る美しさだと感じています(たの天ブログでも丹羽さんがこの銀河の特別な美しさを指摘をしていました)。

とても良く似た銀河にM33がありますが、NGC300のほうが上じゃないか。と、そんなことを言うと

「なぜだー、そんなのお前の主観だろ!土手カボチャ野郎が」

と文句を言いたくなる方があるでしょうから理由を言語化してみますと、まずは腕の本数です。視認できる範囲でNGC300は4本くらいなのに対して、M33の腕の本数はずっと多くて8本くらいあります。虫でも足の本数が多い奴は気色が悪いですよね。哺乳類の足は4本ですし、そのくらいがバランスよく見えます。

それ以外にも、バルジ(銀河中心の膨らんだ部分)の黄色と全体に対する大きさのバランス、およそ60°くらいの絶妙な俯瞰の角度、腕の青さ、H2領域の分布の具合などなど、何処とみても完璧です。

ただ、自分の画像処理が自己評価75点でした。ピクセル等倍で見ると、デコンボリューションによると思われる人工的なウネウネが出てしまっています。来年撮りなおして、もう一度処理してみようと思います。