天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。
本を出版しました!→PixInsightの使い方[応用編]

PixInsightでハイパス

前置き

PhotoShopの「ハイパス」という機能を利用して、天体写真の「うねり」を強調する古くから良く知られた方法があります。今回はこのテクニックをPixInsightで行う方法について、簡単にまとめました。

「ハイパスって何?」という方は、天リフのワンポイント講座をご覧ください:

ハイパスの方法をPixInsightで

手順は以下の通りです。

(1)Multiscale Linear Transformで、ローパス画像を得る

(2)Pixel Mathで、ローパス画像からハイパス画像を得る

(3)Pixel Mathで、ハイパス画像と元画像をソフトライトで重ねる

 

では、コチラのM8の画像を例に説明します。

(1)Multiscale Linear Transformで、ローパス画像を得る

まず、Multiscale Linear Transformを起動して、以下の設定にします。

上では64ピクセル程度の構造を強調する目的で、Layersの数を6に選んでいます。この値は画像によって適宜変更してください。これを上のM8の画像に適用すると、次のぼやけた画像が得られます。

空間周波数の低い成分を取り出した、という意味で”LowPass”と名前を付けておきます。

(2)Pixel Mathで、ローパス画像からハイパス画像を得る

下の図のようにPixel Mathに数式を入力して、元画像のM8に対して実行します。

$T-LowPass+0.5

すると、こんな画像が出てきます。

これがPhotoShopで得られるハイパス画像です。”HighPass”と名前を付けておきます。

(3)Pixel Mathで、ハイパス画像と元画像をソフトライトで重ねる

ハイパスの重ね方は、ソフトライトが最も自然なようです。少し長い式ですが、Pixel Mathに以下のように入力して、元画像に対して実行しま

(HighPass>0.5) * (1-(~$T) * ~(HighPass-0.5)) + (HighPass<=0.5) * ($T * (HighPass+0.5))

ハイパスの結果

元画像に比べて、うねりが強調された結果に成りました。

LHEとの比較

同じようにうねりを強調するプロセスとして、pixInsightにはLocal Histogram Equalization(LHE)というツールがあります。LHEでKarnel Radius=64として比較してみます

結果はあまり変わらないかと思っていましたが、結構差があります。明部の表現はハイパスのほうがナチュラルで、好みです。

今回は以上です

 

*****以下、サムネ用画像