天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。

2025年夏合宿報告(顛末編)

お盆休み明け、8月18日から20日の2泊3日の日程で天文部の合宿を行いました。その始終を報告いたします。

出発

いつものハイエースに荷物を積んで、昼過ぎに出発します。

往路の車窓から見上げた空です。すこし大気が不安定だったようで、このあと驟雨に見舞われました。

宿につく頃には雨も上がり、福島市街の上空に低い虹が見えていました。

顧問はcircular PLフィルターを取り出して部員に渡し、くるくる回すと虹が濃くなったり消えたりする様子を見せます。

「これは光の偏光という性質の反映で、3年生くらいになると物理で習うでしょう」

と理科教育に余念がありません。

お宿紹介

宿泊先は福島県福島市、吾妻山のふもとにあるユースゲストハウスATOMAです。

素泊まりの利用で、一泊4000円程度でした。昨今は宿泊費が高騰していて、2泊の合宿を実施するとなると部員の負担が大きくなりがちなのです。今回は助かりました。

場所はこの辺り(左下の赤いマーク)。地図上で右端に位置する福島駅からの直線距離で9キロくらいです。言い分無しに暗い夜空が見える環境では無いですが、それでも天の川は見えますし、天頂から西側なら十分に撮影ができます。

コチラは宿のロビー(曇った夜の待機場所)です。吹き抜けの天井が心地よく、落ち着いていい雰囲気でした。

コチラは個室。今回は寝るだけの利用。

あと写真は撮れなかったんですが、お風呂も真新しい青森ヒバ作りで香りが素晴らしかったです。

第一夜

この後、近くのスーパーに夕ご飯の弁当を買い出ししたりして時間が過ぎ、夕暮れを迎えます。薄明を過ぎると、西の吾妻山から乾いた涼しい風が吹き下ろしてきて、同時に雲も晴れてきました。

軽く虫よけスプレーをぬっておけば、半そでで快適に過ごせます。

ATOMAの51㎝赤道儀

今回の合宿のハイライトはコチラでした。福島天文同好会の方々が制作された51cmのフォーク式赤道儀による観望です。

この天文台は、宿泊時に申し込んでおくと、宿のご主人が導入していろいろ案内してくださるのが通常です。しかし今回は特別に、我々だけでの赤道儀の操作と観望を許可いただきました。

「君たち、分かってるようだから勝手に使っていいよ」

と名誉あるご評価を頂いたのです(やったぜ)。

赤道儀はフリーストップでウネウネ動かすことができ、手を離すとしっかり天体を追尾してくれます。南北方向に若干のアソビがあって操作は少し難しめなんですが、そこはT君が早々にコツをつかんで、メジャーな天体なら導入してくれました。

顧問が見た中では、M13の姿が圧巻でした。大口径の効果で星がしっかり分離して見え、球状星団にまばらに分布している赤っぽい星の色が分離して良く見えました。

(参考画像)M13、2020年撮影。中心付近に分布している赤い星が眼視でも見えました

他にはT君が、根性でアイリス星雲を導入したら、少しボヤっとした明るい中心核の姿がわかりました。まさか眼視で確認できるとは思ってなかったので、驚きました。

風とシーイングも穏やかでガイドの調子よく、撮影もすすみました。結果は次回の記事(リザルト編)で公開いたします。

長閑(のどか)な昼間

昼間はとくにやることがありません。遅い時間に起きて、宿の周りをフラフラしていました。出しっぱなしの三脚に赤とんぼがとまっています

昼食に利用した道の駅ふくしまの帰りに、桃の露店に立ち寄ったり(しかし買わなかった)

2日目の夜は、昨晩に比べると少し雲が多めでした。そこそこ撮影して、翌日の車の運転のために早めに就寝しました。

というわけで「以下略」で失礼します。次回のリザルト編につづきます(記事が上がったら下にリンクを追加します)