天文はかせ幕下

仙台高専天文部の顧問が、日々の天文活動や天文情報を綴っています。

2025年夏合宿報告(リザルト編)

前回、記事にした天文部の合宿。今回はリザルト編。撮影結果を報告いたします。

 

さて、本ブログ「天文はかせ幕下」。天文活動をしているのは顧問ばかりで、めったに学生部員の姿が見えないぞ!というご批判は・・・直接受けたことは無いのですけど、読者の皆様は感じてらっしゃるのではないかと思います。

これまで12年余、天文部の顧問をやって来て思うのは、どんなに天文沼へ引っ張っても、近づいてこない学生は決して近づいてこないってことです。反対に、放っておいてもボチャーンと落ちてくる学生も(稀に)います。

最近記事を書いてくれるT君とTS君はそんな学生です。

すでに赤道儀の使い方もそれぞれ独自におぼえて、撮影地に連れてきさえすれば、一人で勝手に撮影するようになりました。そういうわけですので、今年の合宿報告では部員の作品を紹介できる運びになりました。嬉しいことです

 

今回は、T君のリザルトです。

Iris negula

アイリス星雲
Date:2025-08-18
location: ATOMA, Fukushima-city
optics: Nikkor 300mm F2.8ED@F5.6
camera: canon EOS6D
exposure: 60s x 194f (ISO1600),

彼のEOS6Dはノーマル機なので、反射星雲であるこの対象を選んだようです。画像処理はDeepSkyStarckerとSirilだとおもいます。3時間近くの撮影で、分子雲も結構出ていますね。バイアスノイズのような縦縞が目立つのはなぜか良く分かりません。もうすこし露光を伸ばしたらよかったのかもです。

TSくんの結果は届き次第で掲載します。

こちらは顧問の結果。L-Extremeフィルターを使って大王イカ星雲にチャレンジしました。

sh2-129

date:2025-08-18,19(2nights)
location: ATOMA, Fukushima-city
optics: Celestron RASA11 620mm F2.2, Optlong L-Extreme filter
camera: ZWO ASI2600MC/ASI2600MM
exposure: RGB 180s x 41f, L 180s x 80f (gain100), total 6hour
Processing: Pixinsight and Photoshop

RASA11'をつかって二晩、トータル6時間ほど露光してみましたが、肝心のダイオウイカはとっても薄っすら。周辺のHαに比べてO3は極端に暗いので、L-eXtremeで同時露光する対象としては適してなかったかもしれません。この対象を浮かび上がらせるなら、O3は独立に取得して、Hαとは別々に画像処理するほうがよさそうです。

 

あとは横で放置していたケフェウス座の周辺。

 Cepheus

date:2025-08-18
location: ATOMA, Fukushima-city
optics: Zeiss Apo-sonner 135mm F2@2.8
camera: canon EOS6D
exposure: RGB 120s x 90f (ISO1600),
Processing: Pixinsight and Photoshop

ケフェウス座はとても魅力的な領域」って、これまで何度も書いています。135mmにフルサイズの画角で全体を撮影したのは初めてでした。こういう画角を撮影しておくと、次回以降に400mmとか600mmの画角での構図探しに役立ちます。

アノテーションした画像も載せておきます。次回はsh2-134のあたりとか撮ってみようかしらん。

Cepheus annotated

それではまた来年!