9月27日の夜から28日の明け方にかけて、福島県の浄土平に出かけて撮影をしてきました。明け方に、東の空から昇ってきたレモン彗星(C/2025 A6)を撮影しました。
こちらはリザルト:
Date: 2025-9-28 3:23~3:59(JST)
Location: Jododaira, Fukushima, Japan
Optics: Sharpstar 15028HNT
Camera: ASI2600MC-pro
Exposure: 120s x 19f (gain100)
Processing: PixInsight
予想していたよりもずっと明るくてびっくり。複雑な尾の構造も写し出すことが出来ました。
それにしても、彗星の撮影っていつも尾が画角からはみ出ます。一枚撮りの淡い姿を参考に構図を決める時は、核を写野の隅に寄せるのをいつもためらってしまうのです。画像をスタックすると
「もっと端っこに寄せればよかったー」
って後悔するんですよねえ。ちなみに上の画像はトリミングしてます。
星と彗星が両方止まっている画像処理で仕上げましたが、撮影の1時間くらいの間に彗星は星空のなかをわずかに動いています。
福島市の光害の影響がある浄土平の東の空でも、わずかに尾を引いている姿を、双眼鏡でも確認できました。来月が楽しみです。
測光にも挑戦
Makaliiを使って測光もやってみたところ、結果は約6.5等でした。あらためて手続きをメモしておきます。撮影データは、F2.8の光学系に取り付けたASI2600MCで取得しました。露光時間は2分、Gain100です。
1)キャリブレーションを行った1枚のフレームにDebayerを行い、Gチャンネルを取り出します。

画像は、16bitのfitsのunsigned integer形式で保存します。

(追記:デジカメで撮影した場合は、サイト「星空公団」で配布されているRaw2Fitsを使うのが便利です
Rawファイルをアイコンにドラッグ&ドロップするだけで、fits形式のファイルをRGGBに分けて出力してくれます。
2)上で保存したfitsをMakaliiで読み込みます。「開口測光」を使って、彗星になるべく近いところにある星の明るさを測定します。

3)彗星は、尾を除外して核の明るさだけを測ります。開口測光の「半自動モード」をつかって、カウント数を調べました。「全自動」では正しく核を覆うことができなかったので、マゼンダの円が彗星の核を覆うように値を手動で入力しました

本来は開口測光ではなく「矩形測光」を使うのが正しいそうですが、自分で試したところ大きすぎるカウント数が出てしまい、うまくいきませんでした。この辺りは我流です
4)Stellariumなどの星図ソフトで基準星の等級を調べ、こんな感じ↓の表にまとめます

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5)基準星のV等級を横軸、測光で得られたカウント数を縦軸にとり、Excelなどをつかって片対数グラフにします。

このような直線の関係が得られます。線から大きく外れている星があったら、変光星を選択してしまっているかもしれないので、除外しておきます。
6)そうしたら最後に、彗星のカウント数をもとにして直線状にプロットを打って、その横軸の値を読み取ります。今回は6.5等の結果でした。

はじめ、まともな値を出すことが出来ず、Twitter上で吉本@彗星屋さんにいろいろ教えてもらいました。ありがとうございました。10月にはいったらまた撮影して明るさを調べてみようと思います!
