夏の合宿、例年通りならばペルセウス座流星群(例年8月13日頃にピーク)の週におこなっています。ところが今年は、皆ぼんやりしていて宿の予約が取れませんでした。それで、18日からの一泊二日という半端な日程に。
これが功を奏しました。というのも流星群の週は、全国的に曇り空。それからドンヨリ空がしばらく続いて、17日は宮城県で大雨。18日に一日だけ晴れて、翌日からはまた曇り空。まさにピンポイント。天文部の遠征での連続晴天記録は、これで6日に伸びました。
18日:出発
ハイエースに、赤道儀や三脚、ポラリエ、SkyMemo、ε200などの機材を詰め込んで午前10時に学校を出発。栗駒山の登山口「いわかがみ平」を目指して、高速を北へ。先方には青空が広がっています。
顧問のワシ。良い天気のドライブは気持ち良いです。
長者原SAにて休憩。みなさんご機嫌です。お盆休み明けにもかかわらず、食堂は混雑していて車内で弁当やパンをたべました。
このあと高速を降りて、栗駒山へ。好事魔多しとはいいますが、前方に見える山々には雲が広がっています。
そしていわかがみ平に到着。標高は1100mほど。
広い駐車場もあって観測にはもってこいです。明るいうちに機材を設置しました。
山頂からは、強風が吹き降ろしてきて雲が流れてきます。時折、雨(というか雲そのものかもしれませんが)も吹き付けてきます。結局この後、ここでの観測を断念し、車で15分ほど下界へ下ったところにある、今回の宿「新湯温泉くりこま荘」の駐車場に観測場所を変更しました。(つづく)
18日夕刻
宿入り。新湯温泉栗駒荘。17時半よりお食事。イワナの田楽焼きを食したり。
宿の駐車場は空が開けていて、観測にも好適でした。去年の合宿では、原っぱでの観測だったのでひどい結露に悩まされましたが、その点アスファルトは良いです。
すこし山を下っただけで、天候も非常におだやか。しかし西からの雲は不断に流れてきます。青空はほんの少し。日没後もこの傾向で、射手座やさそり座周辺の観測や撮影はできませんでした。
18日夜
雲が流れるのを待つ間、こんな写真をとったりして暇つぶし。
ベテルギウスの位置が違ってました・・・。温泉に浸かったり、仮眠をとったりして更に待つ。当日のGPV予報を信じるならば、日付が変わる頃に雲が晴れるはず・・・。
19日未明
はたして、風上方向の雲が切れ、にわかに星空が広がりました。天頂にはすでに秋の星座です。
8/19/2015 沈む大三角形(部員kato)
カメラ:Canon EOS Kiss X5,レンズ:EF−S,ソフトンAフィルター使用
露出時間:?,ISO:?
8/19/2015 カシオペヤ座周辺(部員kato)
カメラ:Canon EOS Kiss X5,レンズ:EF−S,ソフトンAフィルター使用
露出時間:?,ISO:?
うえの写真には、ペルセウス座の2重星団とアンドロメダ星雲が写ってますね。EF−Sはかなりの広角レンズですが、さすがに周辺では星像が歪んでいます。2段ほど絞って撮影すれば、すこしマシになるでしょうか?
顧問は、去年と同様、アンドロメダを撮影してみました。
8/19/2015 M31アンドロメダ
カメラ:Canon EOS Kiss X5,鏡筒:タカハシε200,NJP赤道儀
露出時間:60sec x 10枚,ISO:3200
風が強かったので、あまり長い露出はできないと判断して、60秒と短めです。それにしても良く映りました。ビックリです。暗い空で撮影すると、DeepSkyStackerでの画像処理もすごく簡単で、色々といじる必要がありません。あと、この写真はフラット補正をしていません。名取市での撮影では、ε200を使うと周辺のケラレがひどかったのですが。なんでなのだろう。
もうひとつ、
8/19/2015 M27 亜鈴状星雲
カメラ:Canon EOS Kiss X5,鏡筒:タカハシε200,NJP赤道儀
露出時間:60sec x 5枚,ISO:3200
ノーマルなカメラなので、緑色に映ります。これもフラット補正なしです。
8/19/2015 M33
カメラ:Canon EOS Kiss X5,鏡筒:タカハシε200,NJP赤道儀
露出時間:100sec x 5枚,ISO:3200
翌朝
機材を撤収。宿の前で記念撮影して、今年は解散なりき。
今回の教訓は、標高が高いと風が強いという欠点も発生することが解ったこと。
あと、空が暗いのはやっぱり良いということ。DSSでの画像処理もなぜか簡単になるし、周辺減光が気にならないのでフラット補正もほとんど必要ありません。害カットフィルターなぞ使わずに、どんどん遠征したいです。