天文はかせ幕下

2024-01-01から1年間の記事一覧

追尾速度と大気差:40年前の天文ガイド掲載の謎グラフをめぐる議論

事の起こり 以下の概要: 大気差とは 大気差があると星が動く速度が変わる(直感的説明) 修正版「追尾速度図」 天頂でも星の移動が遅くなる理由(20240717 追記) 大気差が追尾速度に与える影響(ガチ計算) 事の起こり ある日のこと。星沼会のSWATユーザー…

Vicent Peris氏考案ののMultiscale Gradient Correctionを試してみました

はじめに Pixinsightのウェブページに、現在、開発チームがすすめているというMARS(Multiscale All-sky Reference Survey)プロジェクトの情報があります MARSは、光害などの影響を取り除いた全天の輝度分布情報を取得する取り組みである(とのことです)。…

「カラーカメラ+光害カットフィルター」のデータをカスタマイズしてSPCCに適用する手続き

LNR-NやLPS-P2などの各種光害カットフィルター、あるいはCometBandPassやL-Extremeなどバンドパス系のフィルターなど...、これらのフィルターをカラーカメラに取り付けて撮影した天体写真に対して、PixinsightのSPCCを適用する場合は、RGB各チャンネルの光の…

6年前に卒業したOBが訪問してくれました

先週の日曜日、天文部OBのアベ君が遊びに来てくれました。 彼はいま東京で起業して、オンライン料理教室「シェフレピ」を手掛ける会社のCTOとして頑張っています。 今回は、最近一緒に住み始めたという彼女も連れてきてくれて、コモンも感激しました。とて…

蔵王でVixen VSD90SSを試してみました

先週、11日の火曜日。今シーズン初の蔵王に行ってきました。 さて、今夜は蔵王へ出発お新香手前の鏡筒の試用と、かんむり座Tの監視をします pic.twitter.com/yOOp7J5xNi — だいこもん (@pochomskii) 2024年6月11日 目的は、星沼会で借りているVSD90SSのレビ…

赤福について

※若干唐突ですが、最近記事にするネタが枯渇気味なので、無内容な随筆をたまに書いていきます。不評であれば止めます 「赤福という餅は、とても不快な餅である。箱に1ダースも餅を並べて一人では食べきれないが、かといって二人で食べようにも、そのうちに…

岩手南部で低緯度オーロラ!

はじめに 事の起こり 7年前の苦い思い出 当日の記録 撮影地、到着時の様子 時系列の空の変化 タイムラプスにして初めてオーロラであることが判明 ニュース報道など はじめに 最近のこもんの対人コミュニケーションは、過半数SNSで占められてしまっています。…

5月連休は神割崎でアンタレス付近

今年の5月連休は、晴天と新月に恵まれました。神割崎に遠征して名所「アンタレス付近」を撮影することができました。 3年ぶりの撮影でした。 使用鏡筒は前回と変わらず、Mamiya Aposekor 250mmF4.5のツインです。カメラはASI2600MCとMMの並列同架にバージョ…

フラット補正を改善する奇妙な方法(ただし光学系依存)

事の起こり 先日の弓張平でのM106の撮影で、LEDトレース台を忘れて現場でフラットが撮れませんでした。しかた無く、帰宅後にRASA11''にカメラを再度取り付けてフラット画像を取得しました。 それをつかってキャリブレーションをしてみますと補正が上手く行き…

弓張平でM106を撮影しました

4月の新月期は、山梨県の弓張平に出かけてM106を撮影しました。その顛末の報告です。 撮影地 結果 撮影方法 フラットはモノクロのみ取得 ピントは意外に動かない 画像処理 前処理 後処理 硬調に仕上げたい DeepSNRのノイズ処理 おわりに 撮影地 弓張平公園は…

NGC3621を撮影しました

2月から3月にかけてのチリリモートでは、うみへび座のNGC3621を撮影しました Date: 2024-2-21.29,3-4,3-8,3-16,4-1Location: El sauce, ChileOptics: Vixen R200SS, correctorPHCamera: ZWO ASI294MMExposure: 240s, gain=120(LRGB), 240s, gain200(Ha,O3)…

単秒露光画像なしで、星の飽和部を復元する擬似的なHDR合成

はじめに 星の中心部はかなり光っています。調べてみてすこし驚いたのは、例えばデジカメでIso1600の3分程度の露光をかけると、経験的に6等星くらいまでの星の中心部は飽和してしまっています。 飽和した星のプロファイルは、このようにピークが扁平になっ…

彗星を撮る:計画から実際の撮影まで —— ポン・ブルックス彗星編

以下では、今回の12P/Pons-Brooks彗星の撮影について計画から撮影場所選び、実際の撮影までをまとめました。今年の秋にはツチンシャン(紫金山)・アトラス彗星も大いに期待されてますし、その時の撮影の参考になれば幸いです。 彗星が見える位置の確認 彗星…

1月・2月のチリリモート

チリでのリモート撮影をしておりますと、撮影している本人が一体どこを撮っているのか、てんで分かっていないことがあります。 一つの対象を数十時間も露光し続けているというのに、なんでそんなことになってしまうのか。 あかんではないか。 というのはやは…

「時空を超えた贈り物 — 宇宙は不思議で美しい —」 を見てきました

先日、CP+に合わせて実家への帰省をしていました。その帰り道に、かなりの遅ればせで、丹羽雅彦さんの個展 「時空を超えた贈り物 — 宇宙は不思議で美しい —」 を見てきました。実際の会期は昨年の8月で終わっているのですが、顧問は丹羽氏と個人的な友人で…

"My Astronomy Picture Of the Year"を、少し贅沢して印刷する

序 たまに納得のいく天体写真が撮れたときは、フジプリで印刷を発注して、それをハクバのフォトフレームに納め、自宅の壁に飾っておりました。 一方で、年に一度はMAPOY(註:My Astronomy Picture Of the Year)を定め、もっと気合の入った印刷をなして額装し…

LRGB合成するとき、BXTはどの段階で使えばよいのだろうか?問題

(注意:今回のエントリはまだ結論が出ておらず、考察というよりは心配事の吐露みたいな内容です。最後まで読まれて、「なんだよ、この野郎」とガッカリしないよう、あらかじめお断りしておきます) はじめに 心配な問題点 考えられる対策 リニアなLRGB画像…

2024年の撮り始めは神割崎でエンゼルフィッシュ

秋田県勢のみなさんと賑やかに撮影 長い夜 撮影結果 エンゼルフィッシュ星雲の周辺 この領域について(なんちゃって天文学) 秋田県勢のみなさんと賑やかに撮影 冬になりますと、日本海側の天文ファンが晴れ間を求めて太平洋岸までやってきます。1月14日…

往年?の名機EOS6Dの性能を、Drizzle+BXTで150%引き出す

「低画素機」の利点と欠点 低画素機は、Drizzle Integrationが効く! さらにBXTが効く!! Before-Afterギャラリー リザルト おわりに:EOS6Dはまだまだ現役 冒頭の写真は、135mmF2レンズのZeiss Apo Sonnarを取り付けたCanon EOS6Dであります。顧問にとっ…

エリダヌス座のNGC1269/1291と、銀河の進化

オリオン座の南西、エリダヌス座の方向に見えるNGC1269/1291をチリから撮影しました。 エリダヌスとはギリシャ神話の大河のことだそうです。その1等星アナルケルは南端に位置していて、「川の終わり」という意味であることから、流れは空の北から南に向かっ…

Starnet2開発者による、深層学習ノイズ処理プログラムDeepSNRが良い(Pixinsight)

新年あけましておめでとうございます。今年もみなさまのお役に立てる情報を発信できるよう、頑張ってまいります。 さて、海外の掲示板をいろいろ斜め読みしていましたら、Pixinsightで利用できるディープラーニングを使ったノイズ処理プログラムを見つけまし…