天文はかせ幕下

2018-01-01から1年間の記事一覧

脱・マンネリ構図

カメラレンズを使った撮影では、鏡筒バンドではなしに三脚座をつかって,赤道儀にカメラを取り付けます。そうすると自然に、画像の短軸が北側になるわけです。天体写真には「北が上」というの暗黙ルールがあるので、写真がいつも縦構図になってしまいます。…

9日夜のウィルタネン彗星

メシエ天体などの撮影とくらべて彗星が面白いのは、「ひょっとしたら今夜・・・」という期待があるから。日曜の夜、明日は朝から学生実験があるというのに撮影に行ってしまいました・・・。 残念ながらウィルタネン彗星の今回の姿は、いくら強調しても尾の無…

冬シーズンのスタート

中間試験明けの遠征 12月1日、土曜日。冬型の気圧配置で日中は暴風が吹き荒れました。学生たちはちょうど後期日程の中間試験明けの休日。「観測に行きたいですー」と言っていたので、南三陸町の神割崎まで出かけて来ました。 16時半に学校に集合、荷物を積み…

Comet 46P/Wirtanen,確かに淡い尾が長いです

追記(2018/12/3): 捨てていたコマを追加して,再処理しました。今度は,尾があるのがはっきりわかると思います: 2018年12月1日、21時頃、宮城県南三陸町神割崎Camera: Canon EOS 6D (HKIR),Lens: Mamiya Apo-sekor 250mm F4.5露光データ:ISO3200, 150se…

ウィルタネン彗星の長い尾??

1日の夜、宮城県の神割崎で撮影していたウィルタネン彗星です。同行していた、Yさんと「尾はほとんど無いですね。ちょっと面白くないですね。」なんて話していました。今晩画像処理をしていたら、薄っすらと長い尾があるような気が? 極限まで強調していま…

NJP赤道儀:赤緯軸のベルトドライブ改造(DIY)

前置き この試みは、いま(2018/11/27)のところ失敗していますので、興味のない方はお読み飛ばしください 赤緯方向のガイドが安定しない理由 われわれのNJP赤道儀は、PD5-XYコントローラとギアモーターで駆動されている未改造のオリジナル品です。その2軸…

天文年鑑

11月21日は天文年鑑の発売日でした。 書店で来年の年鑑を購入し、「年の瀬であるよなあ」と感ずるのが正しい天文部の部員というものです。 天文年鑑 2019年版 作者: 天文年鑑編集委員会 出版社/メーカー: 誠文堂新光社 発売日: 2018/11/21 メディア: 単行本 …

新機材でM74を撮影

DSOを撮りたい 天体写真のブログやFaceBookなどを拝見していると、135mm〜400mmくらいの焦点距離での撮影の方が、多数派になるのかなと感じます。たとえば満月の撮影なら写野に対する月の大きさが、国旗の日の丸よりもひとまわり小さく映るかなという、その…

プレアデス星団、2度目の撮影

顧問です。 10日土曜の夜、天気も悪くなさそうだし、2週連続で撮影に行っちゃおうかななんて、皿洗いや庭掃除など、例のヘコヘコ運動をしていたら長男が熱を出してしまって、自宅に待機しておりました。 深夜になって子供たちも寝静まったあと、同日はやま湖…

オリオン座とバーナードループ

小学生のころから何度も望遠鏡で眺めていたオリオン座の周辺。その東側に大規模な円弧状の星雲が広がっていることは,最近知りました。バーナードループと呼ばれているそうです。憧れだったこの領域を,初めて撮影しました。 神割崎にて。夜半過ぎに撮影して…

勾玉星雲の周辺

11月初旬、文化の日の週末と、月が細くなる時期が重なりました。東北地方は安定した秋の晴天に恵まれて観測日和です。この時期は、湖や河川の周辺で霧が発生しやすい頃でもあります。まだ温度が下がりきっていない水面と、寒気の流入で急に冷えた空気の温度…

秋の新機材まつり

潤沢なる年 年間5万円ほどの部費で細々と運営されている本校の天文部。2018年度はしかし、例年に無く予算が潤沢でした。 まずプラネタリウム班では、彼らのプロジェクトが「西松建設」という近隣企業からの助成金事業に採択されて、目下、数十万円をかけて本…

星投影の様子

初日の高専まつりは,上々の出来だったと思います。一方,初めて本格的に暗いドームに星を投影して見て,いくつか新しい課題も出て来たようです。投影の様子をご覧に入れます。 カシオペヤ座から北極星にかけての北天付近です。星の配置,ちょっとおかしなと…

完全自作プラネタリウムと高専まつり

ドームには補強が施され,復旧が間に合った様子です。 これならなんとか。 公開まであと21時間。今は部長が,投影機を調整しています。星を投影するための32個パワーLEDが,一定確率でお亡くなりになるようです。1個150円の安物でしたから。まあでも,な…

「完全自作」プラネタリウムと高専まつり

10月26日,27日には「高専まつり」と呼ばれるイベントが我々の所属する仙台高専で行われます。天文部では,1・2年生が中心となって制作した完全自作のプラネタリウムを出展する予定です。 このプラネタリウムの何がすごいかと申しますと,何度もしつこいな…

M77の周辺、職務質問、オリオン座流星群

20日の夜、およそ25時の月の入りをまって「はやま湖」に撮影に行ってきました。 夕刻に雷を伴う驟雨があって、夜は快晴の予報。ところが、湖周辺は霧が立ち込めていました。唯でさえ不気味なこの場所。霧のせいでさらに薄気味悪く、理学部を出た私も「うわ…

LeeソフトフィルターのEOSクリップ自作

星景写真用に,LEEのソフトフィルターを買いました。 このフィルターは、10cm角のピラピラのフィルムになっています。専用のフォルダーを用いて,レンズの前に固定するのが本来の使い方。これに対してよく行われるのは,フィルムをハサミで小さく切り取って…

遠征の限界距離は片道90分です・・・

少々古い物言いではありますが、天体写真撮影というのは 「一に根性、二に技術。三四がなくて、五に財力」 ではないかと思いまして、何よりも根性が大事だと思います。みなさんのブログを拝見していると、関東地方には平日に片道数時間の遠征をするような愛…

モザイク撮影の落とし穴と教訓

ここ何回かの撮影では、Mamiyaのレンズを使ってモザイク撮影をしております。「最強の画像処理とは縮小である」と誰かが言っていたのをどこかで読んだことがありまして、モザイク撮影にはそれと同等の効果があります。その効果は凄まじく、もうこれから全て…

初めての青い天体

昨年度に卒業していった、部員アベとよく話していたのは、「一晩に2対象以上を撮影してはならぬ」ということで、それをやるとたいてい両方失敗するのです。 昨晩のはやま湖での遠征では、薄明終了後からNGC7000を撮影し、それがしだいに西に低くなっていき…

北アメリカ星雲モザイク撮影

顧問です。 今月末は本校の学園祭がありまして、部員たちは懸命にプラネタリウムをつくっております。もしよければ、このブログのトップにリンクを張っている公式Twitterをご覧いただき、「いいね!」など押してあげてください。 さて私は学園祭とは関係なく…

Mamiya APO-Sekor のファーストライト

新しく購入したMamiya Apo-sekor 250mm F4.5で撮影をする準備が整って、顧問はチャンスを伺っておりました。それで、たまたま振替休日を取得していた木曜日の前日、星空を求めて宮城県北部方面まで出かけてきました。 SCW予報では、前線に伴う雲が切れるのが…

Mamiya APO-Sekor 250mm :撮影機材くみたて

9月の初めのこと。 顧問は睡眠中に"APO Sekor 250mm F4.5"というカメラレンズをヤフオクで買う夢を見て、目がさめると同じレンズが机の上に置いてあった。摩訶不思議の力で夢が現出したのか?それともレム睡眠行動障害なのか? とまれ、レンズは手元にあるの…

California星雲の再々処理

今から一年余り前、部員スズリョウが手動式のレリーズを使って根性で撮影していたCalifornia星雲の写真。下の記事では、それを顧問が画像処理して「なかなかよく写っているではないか」と悦に入っております: ところがいま見返してみるといまいちです。 そ…

2018秋合宿 その2

初日の様子は、こちらをご高覧ください。 昼間はひまつぶし さて、秋雨前線は東北地方から南下していき、すっかり秋の空気に入れ替わりました。透明度の高い、綺麗な青空が広がっています。 昼間は、ゆったりと暇つぶしです。昨年度にスズリョウとアベが卒業…

2018秋合宿 その1

序 9月の新月期。日本列島には秋雨前線がへばり付いていました。こんな天気で合宿なぞやる意味があるのか?学校でプラネタリウム作りをしていた方が良いではないかと、一部の部員は思っていたとかいないとか。今年は過去最大の14名+教員2名*1で、2夜連…

新しい250mmレンズ

昨年の冬頃から、nikonの古いサンニッパレンズをつかって撮影を繰り返してきました。 ぎょしゃ座、IC405 - カモメ星雲など - Nikkor 300mm F2.8 ED と M16わし星雲 - 8月、網状星雲 - 焦点距離300mmとAPS-Cの組み合わせは使いやすくて、まだまだ撮影した…

Xenotarレンズで天体写真

以前、「ぷくぷくのブログ」にて という記事を読みました。曰く、Xenotar型と呼ばれる構成を持つレンズが、安価な割に星の撮影には良いとのことです。もっとも力を発揮するのが100mm前後。 例えばNikkor 85mm F2はXenotar型です。これは、ヤフオクに安定的に…

夏場の撮影ではちゃんとダーク減算をしよう、という反省

先日、やくらいガーデンへ出かけて行って撮影した網状星雲の画像処理にて、バックグラウンドの強い色ノイズと輝度ノイズに悩まされました。気温が高かったのと、露光時間が480秒と我々としては長時間の部類にあったためだと思います。ISO感度はいつもどおり1…

8月、網状星雲

学校は夏休みに入って、ひっそりとしております。そんな週末、県北部のやくらいガーデンの駐車場へ撮影に行ってきました。 最近、撮影の定番となっている蔵王はペルセ群の観望目的の方々で混み合う可能性があったのと、直前のSCWで雲がかかる予報がでていた…