天文はかせ幕下

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

3月最後の撮影記

はじめに 綿密な計画 撮影の顛末記 忘れ物 空の変化 画像処理 撮影結果 今回は、すこしダラダラ気味に撮影の顛末をつづってみたい気分です。どうでも良い方は目次の「撮影結果」をクリックして飛んでいただきたい。 はじめに 繁忙の時は「いそがしいいそがし…

セイファート銀河 M94

18日の神割崎での撮影。到着後にアトラス彗星を1時間ほど撮影した後は、月が出るまでのあいだ、ひたすらM94銀河に筒先を向け続けておりました。 5分露光で30枚ほどのライトフレームを得た後、イナバウアー状態の赤道儀を子午線反転させて、さらに20…

SigmaFpでマルカリアンチェーン

先日18日の神割崎での撮影結果の2作目は、マルカリアン鎖です。 この領域は春の星座の中では、長焦点を必要としない数少ない対象です。この銀河団の特徴は二つあると思っていて、それは 色彩に乏しい くらい銀河が多いものの、以外に中心輝度が高く飽和し…

ベテルギウス、60日間の記録

薄明後、オリオン座はすでに西の低い空に傾いていて、観測もそろそろ終盤です。今冬、ベテルギウスは記録的な減光で話題を集めました。2月中旬からしかし、はっきりと増光に転じて、そのあとにわかに襲来したアトラス彗星に注目が集まって、あまり話題にな…

彗星写真3態

全く期待していません、C/2019 Y4には。もし予想が外れて明るくなれば、5〜6月には学内外で市民観望会や撮影会など、忙しくなってしまいますからね。 3月中旬、C/2019 Y4は急激な増光をみせつつ、まだ等級は7〜8等台。暗いうちに撮影してきました。光学…

1年数ヶ月前の馬頭星雲

3月。新型の伝染病が世界で猖獗を極め、学校は閉鎖し経済は恐慌をなしています。まるで9年前の震災の頃に似た不安な日々です。まことに世の中は予想がつかないもので、来年が、今年と同じようにやってくるのか、誰にもわかりません。 何かやり残したことは…

天体写真への半手動星図書き込み(Pixinsight)

前置き 撮影した天体写真に座標や星座線,メシエ天体名などを書き込みたくなることはよくあって,いままでは手動でやっておりました。顧問は手動が好きなんです。 そういった「星図書き込み」を自動でやってくれる"AnnotateImage"という機能がpixinsightに収…

天体写真におけるISO不変性と相反則不軌

まえおき 数年前から様々なところで議論し尽くされている「天体写真のISO感度設定」について、また蒸し返したいと考えております。といいますのも。 先日、クラゲ/モンキー星雲付近を撮影しました。F4.5のレンズを使い、カメラの設定は480秒露光、ISO1600で…