天文はかせ序二段(仮)

天文はかせ三段目(仮)

仙台高専(旧・宮城高専)天文部の活動記録です

天体電視観望遠征! 天文部初の動画作品。

先日,宮城県の神割崎に出かけて来て,天の川近辺の電視観望をして来ました。その様子を動画にしてまとめましたので,アップいたします。

 唐突にこのような動画を作成したのは,近頃のコロナウイルスの流行が要因です。

本天文部は,昨年度から中谷財団からの助成金をいただいていて,一般向けの観望会を企画していました。いうまでもなく,そういった「対面型」観望会の開催は難しくなっています。観望会は屋外ですし,敢行することはできるでしょうが,そもそもお客さんが来てくれるかどうか・・。

一方で,ZoomやTeams,Youtubeライブ配信で観測の様子をお届けするというのは,一つの方法ですね。近頃の学校の授業ではその形式を「双方向型」と呼んでいます。

で,我々の部では「オンデマンド型」を行うことにしました。それがこの動画です。

電視観望も「光害の強い空なのに,こんなに見える!」という文脈で紹介されることが多いですが,今回の企画では,ガッツリ暗い空で電視観望しています。その辺も見所になると思います。また内容は星だけではないです。「夜に日常を抜け出してお出かけすること」の楽しさを盛り込んだつもりです。これをみてくださった方が,「私も天体観測行きたいなー」と思っていただければ大成功です。

ハレーすい星

私が天文部の顧問になったのは2010年頃でした。

その時期はあまり活発な部ではありませんでした。屋上のドームで仙台市の夜景を見るか、「SEGAサターン」に興じているというのが主な活動内容だったようです。しかし、残された数々の機材や資料からすると、1980年代にはかなり熱心な「ガチ天」が複数在籍していた様子があります。少なくともその頃は、部費でタカハシやニコンの望遠鏡を買い、水素増感(?)とかやりながら、それらを使いこなしていた部員がいたようなのです。

しかし一つ謎がありました。それはフィルム時代の「作品」が一切残されていないことです。うーむ、やっぱり昔からこの部は屋上のドームでファミコンメガドライブでもやってたのでしょうか?

ところで私は今年度から、写真部の顧問も兼任することになってしまいました。そこで、同部と天文部を掛け持ちしているキムラくんに案内してもらって、彼らの暗室を見せてもらいました。掘り出し物のレンズでも落ちてないかなーなんて。するとついに発見したのです!大量の天体写真のスライドを。そうか、当時の天文部員は、写真部の暗室で作品を現像していたのですね!

あまりにも大量なので、全ては紹介できませんが、一枚だけ印象的な写真を載せておきます:

f:id:snct-astro:20200625180302j:plain

うーん、この彗星はなんだろうなあ。

すぐにはわからなかったので、顧問は事情を説明してtwitterにアップしました。すると30分ほどで木人さんから「ハレーすい星ですね」との返信。カノープス氏やその他たくさんの人が反応してくれて、1986年3月18日の明け方に撮影された写真であることまで判明しました。しばしノスタルジックな思いに浸ったのでした。

スライドはまだ大量にあって、なかには「コホーテク彗星」と書かれた木箱もあります。整理してから、順次紹介していきたいと思います。OBの方、このブログを見ていたら連絡くださいねー

三段目昇進のお知らせ

昨日,番付編成会議が行われ,本ブログは序二段から三段目に昇進することが決まりましたのでお知らせいたします。今回の番付変更は,2017年10月に序の口から序二段への昇進以来,2年8ヶ月ぶりとなります。

三段目昇進に関して一般的な基準があるわけでありません。過去の例を踏まえると「冷却CCDカメラによるそれなりの撮影成果,あるいはそれに準ずる成果」が目安になってきます。「それなり」にも明確な基準は無いようですが,当ブログとしては,昨年度から導入した冷却CMOSカメラによる「M95,96,105*1」や「C/2019 Y4 ATLAS*2」などがある程度評価されたものと自惚れております。

今後も「一喜一憂」の精神で,精進していく所存であります(2020年梅雨)。

天の川

先日の蔵王で撮影していた、射手座から白鳥座にかけての天の川です。景色を入れずに撮る時は、広角でもソフトフィルターをかけないほうが好みな感じに仕上がります。

The milkyway - from Sagittarius to Cygnus
The milkyway - from Sagittarius to Cygnus

Date: 6-14 2020 0:40
Location: Mt. Zao
Camera: Sigma Fp
Optics: Sigma 14-24mm F2,8 DG DN Art(F2.8)
Exposure: 60sec. ISO3200( 10 flames)

 

色彩的には、Gが抜けすぎているような気もします

中心部と四隅を切り取るスクリプト

レンズや望遠鏡の性能を評価するときに、写野の中心部と4隅を切り取って並べたうえで、さらにピクセル等倍で点光源の形を見るなんてことをよくします。そんなことをするのは、星屋くらいであって、カメラを製作しているエンジニアの方からしたら、

「ヤメてくれよ、そんなん・・」

なんて思っているかもしれません。

それはともかく、「写真の中心と4隅を切り出して並べてくれるフリーソフト」ってないかな?と軽く探して見ると、まあなかなか見つからないのです。普通のひとはそんなことしないからでしょう?

しかし、さらに慎重に探してみた結果「ほしぞloveログ」のSamさんが製作して、公開してくれていました:

PythonOpenCVをつかったプログラムです。そこで、それぞれインストールしてやってみたました。しかしながら顧問の環境(Mac Book Pro + MacOS Sierra)ではうまく動かすことができませんでした。なにか私が間違っているのでしょうけど、そこは深追いせず自分で別のプログラムを作ってみました。

ベースはImagemagickです。もし「自分も使ってみたい」と思われた方は、以下のテキストをコピーして "crop_corners.sh" みたいなファイル名で保存してください。

#! /bin/bash

 

if [ "$1" = "" ]

then 

echo "error:引数にファイル名を指定してくだされ"

exit

fi

 

width=`identify -format %w $1`

height=`identify -format %h $1`

 

if [ "$2" = "" ]

then

size=100

echo "- 100x100 pixels cropped"

elif [ $2 -ge `expr $width \/ 3`  ] || [ $2 -ge `expr $height \/ 3`  ]

then

echo "error:切り抜きサイズがでかすぎ"

exit

else

size=$2

fi

 

echo "picture size: $width x $height"

 

convert $1 -crop "$size"x"$size"+0+0 "$1_lt.jpg"

convert $1 -crop "$size"x"$size"+0+`expr $height - $size` "$1_lb.jpg"

convert $1 -crop "$size"x"$size"+`expr $width - $size`+0 "$1_rt.jpg"

convert $1 -crop "$size"x"$size"+`expr $width - $size`+`expr $height - $size` "$1_rb.jpg"

 

convert "$1_lt.jpg" -bordercolor white -border 3x3 "$1_lt.jpg"

convert "$1_lb.jpg" -bordercolor white -border 3x3 "$1_lb.jpg"

convert "$1_rt.jpg" -bordercolor white -border 3x3 "$1_rt.jpg"

convert "$1_rb.jpg" -bordercolor white -border 3x3 "$1_rb.jpg"

 

x=`echo "scale=2; $width / 2 - 1.5 * $size" | bc`

y=`echo "scale=2; $height / 2 - 1.5 * $size" | bc`

convert $1 -crop `expr 3 \* $size`x`expr 3 \* $size`+"$x"+"$y" "$1_cen.jpg"

 

composite -gravity northwest -compose over "$1_lt.jpg" "$1_cen.jpg" "st1.jpg" 

composite -gravity northeast -compose over "$1_rt.jpg" "st1.jpg" "st2.jpg"

composite -gravity southwest -compose over "$1_lb.jpg" "st2.jpg" "st3.jpg"

composite -gravity southeast -compose over "$1_rb.jpg" "st3.jpg" "crop_$1"

 

rm "$1_lt.jpg"

rm "$1_lb.jpg"

rm "$1_rt.jpg"

rm "$1_rb.jpg"

rm "$1_cen.jpg"

rm "st1.jpg"

rm "st2.jpg"

rm "st3.jpg"

jpgやtif、pngでは動作を確認しています。ふだんimagemagickを使っていない方は、以下の手順であらかじめにインストールする必要があります

Macの方は

Winの方は(わたくし詳しく無いのですけど)Cygwinをインストールして、インストール時に選ぶオプションでImagemagickを一緒に入れてください:

そうしましたら、先ほどの"crop_corners.sh"を保存したディレクトリに移動して

chmod +x crop_corners.sh

と入力して、ファイルを実行権限を付与します。

これで準備完了です。同じディレクトリに四隅を切り出したい画像ファイル(ここではtest.jpgとします)を置いておいて

./crop_corners.sh test.jpg 200

とすれば、四隅の200pxを切り出して"crop_test.jpg"というファイルを出力します。例えば入力画像が

f:id:snct-astro:20200619232515j:plain

であれば、

f:id:snct-astro:20200619232543j:plain

のようなファイルが出力されます。処理途中で8つほど中間ファイルを吐き出すので、ディレクトリをつくって作業されると良いと思います。

 

最後にお約束ですが、このスクリプトを使用して、大事な卒業論文のデータが消失したり、取引先に報告する文書が上書きされたり、これまで撮りためていた家族写真が蒸発したりしたとしても、私としては、ニタニタ笑う以外にはどうしようもありませんので、あしからずお願いいたします・・。

 

Sigma 14-24mm F2.8 DG DN Artのファーストライト

はじめに

このブログの顧問は、昨年の冬にSigma製のミラーレス一眼 "SigmaFp” を購入し(自費)、天体写真撮影に使ってきました。このカメラ悪くないと思うんですけど、誰もついてこないといいますか、ブログ・Twitterの天体界隈でSigmaFpを購入したという方の話をとんと聞きません。

布教活動をいたしましょう。

ミラーレスの特徴は、ショートフランジバック。そしてショートフランジバックの利点は高性能で明るい広角レンズを設計しやすいことです。そしてSigmaのミラーレスを使う利点は、同社の高性能なレンズを「純正レンズ」として使用できる点にあります。私は下記のレンズを狙っていました

「星景写真用レンズの決定版」ですってよ、奥様! 私は買ってしまいましたよ

f:id:snct-astro:20200615211835j:plain

 

このレンズについては、ウェブ上でもいくつかのレビュー記事が上がっています。例えば

とか

など。しかし、どちらの記事も「星景写真用レンズの決定版」というフレーズを引用しているのにも関わらず、星景を撮ってないじゃん。というかライターの方、撮ったこともないのでは?と疑いたくなる様な記事の内容です*1

Sigma 14-24mm F2.8 DG DNレビュー

というわけでありまして、先日に蔵王にてこのレンズのファーストライトをしてきましたので、軽くまとめておきます。そんなに長くなりません。まずは、天頂付近に登った天の川のフラット補正なしの1枚撮って出しです。:

f:id:snct-astro:20200615231639j:plain

ソフトフィルターは入れてません。星が小さくて、見えない!(嫌味)

中心と周辺像

中心と四隅の200px四方切り出しです。

f:id:snct-astro:20200615224829j:plain

周辺はほんのわずかなオニギリ型です。あ、書き忘れてましたけど、これら結果はF2.8の開放です(嫌味)。開放から使えますねー。

光星偽色の傾向は、以前Sigmaの105mm Artを借りて6Dで撮影した時のもの*2と似ています。ピクセルサイズが5.98μmのSigmaFpではアンダーサンプリングになってしまうためかもしれません。

ピント合わせについて

広角レンズではバーティノフマスクも光条がみえなくて使いにくく、ピント合わせが難しくなります。SigmaFpはライブビューの倍率が8倍と低いので尚更です。今回の撮影では、木星をつかってピント合わせしてましたが、ピークが全くわかりませんでした。

ですが、その点はおそらく大丈夫です。といいますのも、レンズのピントリングを動かすと、SigmaFpの液晶画面には「無限遠マーク」と「お花マーク」書き込まれたフォーカスのスライダが表示されるようになっています。このミラーレス一眼特有の機能を参考にしながら、ピントリングを回して「無限遠」まで持って行くと、一旦ソフトウェア的にフォーカス調整が止まります。さらに速く回し続けると、オーバーインフに触れるようになっています。上の写真は、そのソフトウェア的に止まったところで撮っていますが、ピントは合っていると思います。これは撮影がかなり楽です。これは純正レンズのご利益でしょう。ただ、気温にも依存するかもしれないので、冬に試して見てどうかというところですね。

作品を一枚

Milky Way at the mountaintop shrine

Date: 6-14 2020 0:40
Location: Mt. Zao
Camera: Sigma Fp
Optics: Sigma 14-24mm F2,8 DG DN Art(F2.8)
Exposure: 90sec. ISO3200( 1 flame)

せっかく良いレンズを買ったので、星景写真も精進いたします。 

*1:ライターの方々は、短い納期で記事を上梓しなければならないとかの制約があって、晴天の夜を待つ余裕もないのかもしれません。

*2:EOS 6DSigma 105mm F1.4 DG HSMをF2.8に絞って撮影した結果;

f:id:snct-astro:20200615233734j:plain
光星偽色の出方が似ています

梅雨入りじゃ

f:id:snct-astro:20200528171024p:plainくもじいじゃ。

 

東北地方も梅雨入りじゃ。当分は夜空は期待できんぞ。このブログの顧問も、

「しばらくは本業に専念します。。。」 

なんて言っちょった。本業でも大した仕事してないくせにのう。まああまりにCloudy Nightがつづいたら、ZOOM飲み会でもして、気を紛らせばよいじゃろう。

それじゃあの。