画像処理覚書
事の起こり 先日の弓張平でのM106の撮影で、LEDトレース台を忘れて現場でフラットが撮れませんでした。しかた無く、帰宅後にRASA11''にカメラを再度取り付けてフラット画像を取得しました。 それをつかってキャリブレーションをしてみますと補正が上手く行き…
「低画素機」の利点と欠点 低画素機は、Drizzle Integrationが効く! さらにBXTが効く!! Before-Afterギャラリー リザルト おわりに:EOS6Dはまだまだ現役 冒頭の写真は、135mmF2レンズのZeiss Apo Sonnarを取り付けたCanon EOS6Dであります。顧問にとっ…
上の写真は、先日3x2=6枚のモザイクでそーなのかーさんが撮影し、私が処理しましたイータカリーナ星雲です。モノクロカメラのASI294mmを使用して、LRGB合成で得られたカラー画像を、さらにモザイク合成しています。 モザイク合成は有料ソフトのAstropix…
自宅での第三回から幾ばくもなく、顧問は第四回のチャレンジを目的に遠征に出かけてきました。3月の、月曜の夜のことでした。 結果 撮影記 遠征地選び はじめてのLRGB撮影 シーイングに急激な変化が! 画像処理 RGB画像の色ハロ L画像のコンポジット Deconv…
事の起こり @MasaAstroPhoto さんから 23時間露光の北アメリカ星雲の前処理後のデータが提供され、Twitter上の天文ファンが大挙してそれを後処理するというイベントがありました。 超長秒露出北アメリカ星雲の画像処理していただける方募集しましょうかね♪興…
全体の概要 ダーク減算を手抜きするとフラットが合わない! 一次処理の概要 一次処理を簡単な数学で理解する ダークを手抜きすると何が起こるか? (6)式から分かること3つ [1] フラットダーク減算をサボると、フラット補正不足になる [2]ダーク減算をサボる…
はじめに 事の起こり PixinsightのImageCalibration ダーク減算の"Optimize"の功罪 今回の作品 はじめに 以前、十分になめらかでないフラット画像をつかってフラット補正を行った場合に発生した縮麺ノイズの記事を書きました。 そのエントリでは、マスターフ…
はじめに 彩度のヒストグラムの表示方法 Pixinsightの場合 Photoshopの場合 彩度のヒストグラムの活用方法 彩度の評価 Curves Transformationによる彩度のトーンカーブ おわりに はじめに 天体写真の画像処理にて、「彩度のヒストグラム」というものも有用な…
はじめに 検証の方法 何を使って強調・ノイズ処理をおこなうか? 強調処理:STFのAutoStretchとHDRMT ノイズ処理:MLT (Multiscale Linear Transform) どうやって比較するか 結果 おわりに お正月は満月期。2021年は画像処理のマニアックな話題からスタ…
先日の栗駒山遠征で撮影していたM45です。 Date: 2020-10-18 3:12(JST)~Camera: ASI294MC-pro(-10deg.)Optics: Celestron RASA 11", heuibII filterMount: iOptron CEM70G with iGuiderExposure: (180sec.+30sec.+10sec) x 10 flames (gain 120)Processing: …
前回のエントリ に引き続き,今回は「対数現像」をPixelMathで真似してみます(「再現」と書かないのは,対数現像の中身がわからないため。本当に一致しているかの確証はないです)。ではまいりましょう 対数現像とは Log Stretch Pixinsightで「対数現像」…
ステライメージ(SI)に実装されている「デジタル現像」処理は,もともとは岡野邦彦氏が考案された手法です。 その詳細はたとえば映像情報メディア学会誌vol.57, No2. pp203 (2003)などに公開されています。当時はまだ,CCDカメラがフィルムに劣っていた時代…
序論 裏話 コントラストマスクの作成法 適用結果 (1)オメガ星雲・わし星雲付近 (2)干潟星雲付近 仕組みの説明とシメ 序論 まずは、次の写真をご覧ください: これは今春、kissX5と60Daをつかったツインシステムで撮影した天の川の中心部のモザイクです…
バーダープラネタリウム製、31.7mmのLRGBフィルターと、ZWOのフィルターホイールを手に入れまして、ようやくモノクロカメラによる惑星のカラー合成ができる体制が整いました。昨年度の部費で、ASI174MMを導入して以来、一年越しです。 いまの時期、日没後に…
撮影計画は不発 昨日の火曜日の夜、かなりの確率で晴れそうであると見込んで、4年生部員7名を連れてやくらいガーデンへ行ってきました。来月末の学園祭のための写真撮影が目的です。かのーぷす氏とそーなのかー氏も合流し、平日の楽しい観測会になる予定でし…
2019/11/11追記:以下の記述は不正確な部分があります。フラット補正後の周辺のG浮きは、著者のダーク画像の取得ミスが原因だったと思われます。詳細は ASI294MC-pro:ポカミス顛末報告とか、正しい処理フローのまとめなど。 - 天文はかせ序二段(仮) 全体…
これまでの経過をまとめておきます。 CanonのデジカメからZWOの冷却CMOSカメラへ移行して、初めに撮影したNGC6888。まず困惑したのが、ファイル形式がRAWからFITSに変わったこと。つまりはデジカメの画像処理エンジンを通さない、本当の意味での生データの扱…
先日にAくんからお借りした、Sigmaの”Bokeh master”こと105mm F1.4 Artですが、撮って出しのRawを見ると、星の周りにわずかな輝度の落ちくぼみが見えました。 理由は不明。単にレンズを使いこなせていないのか?なんとなく6Dのセンサーとの組み合わせの問題…
前置き M104、ソンブレロ銀河は、南に低く見えていて、また小さいためにちゃんと撮影するのは難しい対象です。 WikipediaのM104の項目には、ハッブル宇宙望遠鏡によるイメージが掲載されています。 この写真のようにまでは行かないまでも、中央を貫く暗黒…
はじめに 作例:ひまわり銀河 準備 フラット補正をおこなう 割り算による補正 引き算による補正 おわりに はじめに ここでは、photoshopのみを用いて、フラット補正を行う方法をご紹介します。補正の精度はかなり高く、輝度ムラだけでなく色かぶりもほぼ完全…
前置き 先日、岩本彗星の撮影をしていたときのついでに、M81とM82の周辺も撮っていました(といいますか、こちらが本命で岩本彗星はついででした)。最近よく使っているフルサイズの6Dと500mmレンズの組み合わせでの撮影ですと、この二つの銀河は小ぢんまり…
13日の夜から14日にかけて、岩本さんが発見した岩本彗星(C/2018 Y1)の明るさがピークに達するという予報が出ていました。翌日の午前に休みをいただいて、撮影に行ってしまいました。V字のテイルを映し出すことができて、ひとまず満足。 Date: 14th, Feb. 201…
顧問は、自分が書いているこのブログを過去から読み返してニヤニヤすることがよくありますが、それが楽しいのは 「昔は、下手くそだったなー」 と、今も下手なりに成長具合がよくわかるからです。天体写真で有名な方々のブログを拝見しても、過去記事の方へ…
はじめに 天体写真のカラーバランスを整えるのに通常行われるのは、写真の背景部分がニュートラルなグレーになるように調整することです。しかし、この操作をちゃんと行っても、写真全体のカラーバランスが崩れてみえることってないでしょうか?私の経験では…
今週末には,天文部プラネタリウム班のイベントがあります。顧問の私も,おてつだいとして展示物の準備などしております。 その過程で表題の件,銀河を望遠鏡で見たときのあの淡くぼんやりしたイメージを画像として使いたいなと思い至りました。 撮って出し…
顧問です。 10日土曜の夜、天気も悪くなさそうだし、2週連続で撮影に行っちゃおうかななんて、皿洗いや庭掃除など、例のヘコヘコ運動をしていたら長男が熱を出してしまって、自宅に待機しておりました。 深夜になって子供たちも寝静まったあと、同日はやま湖…
小学生のころから何度も望遠鏡で眺めていたオリオン座の周辺。その東側に大規模な円弧状の星雲が広がっていることは,最近知りました。バーナードループと呼ばれているそうです。憧れだったこの領域を,初めて撮影しました。 神割崎にて。夜半過ぎに撮影して…
ここ何回かの撮影では、Mamiyaのレンズを使ってモザイク撮影をしております。「最強の画像処理とは縮小である」と誰かが言っていたのをどこかで読んだことがありまして、モザイク撮影にはそれと同等の効果があります。その効果は凄まじく、もうこれから全て…
今から一年余り前、部員スズリョウが手動式のレリーズを使って根性で撮影していたCalifornia星雲の写真。下の記事では、それを顧問が画像処理して「なかなかよく写っているではないか」と悦に入っております: ところがいま見返してみるといまいちです。 そ…
先日、やくらいガーデンへ出かけて行って撮影した網状星雲の画像処理にて、バックグラウンドの強い色ノイズと輝度ノイズに悩まされました。気温が高かったのと、露光時間が480秒と我々としては長時間の部類にあったためだと思います。ISO感度はいつもどおり1…