はじめに
最近のこもんの対人コミュニケーションは、過半数SNSで占められてしまっています。その偏った世界から見ると5月11日は大オーロラ祭りでした。皆さんはいかがだったでしょうか?
休日だったこともあり、「ひょっとしたら見えるかも?」の期待で家族総出で観測に行ってきました。こちらはその時に撮影したお写真で、オーロラらしきものを撮影できました。
2024-5-11 20:22(JST), a7s Sigma20mmF1.4 DG DN Art, ISO1600, 10秒露光, 1x3パノラマ合成, 室根山山頂
肉眼ではうっすらとしか見えなかったんですけど、以下ではドキュメント形式で遠征の様子をお伝えします。
事の起こり
その土曜日はすこし汗ばむ陽気でした。こもんは近所の筋トレジムで筋トレをしていました。そのとき空の上で「Xクラスフレア」と呼ばれる太陽表面での大規模な爆発が相次いで発生。それにともなって今夜、北海道以南でもオーロラが観測できるのではという話題が、SNSでトレンドになっていました。
なに、東北でもオーロラとな
— だいこもん (@pochomskii) 2024年5月11日
こう呟いたら、コメントをくれた かのーぷす さんや柊二☆さんと、さっそく遠征先の相談が始まりました。
「栗駒山は北の視界がいまいち」
「田束山は気仙沼のあかりが邪魔ですね」
「室根山の北側はどうでしたっけ」
「すぐ出発するなら種山高原まで行っても良いかも」
つぎつぎと撮影地の候補があがるうちに、こもんはやる気がみなぎってきてしまいました。
筋トレから帰宅して、さっそく家族と遠征の交渉します。「オーロラ」というキーワードが効いたのか、妻や子供たちも乗り気です(意外!) 私の床屋、長男の塾など予定を全てキャンセルし、家族総出で北へ向け長距離のドライブをすることになったのでした。
7年前の苦い思い出
じつは低緯度オーロラの可能性が話題に上ることはそれほど珍しくありません。顧問にとって思い出深いのは、7年ちかく前のこの時の出来事です:
このときも太陽フレア発生の報をうけて、当時1年生だったはたけくんなど強引に連れ出しました。奥州市の衣川国見平スキー場まで出かけて、特に成果なく帰ってきたのでした。
それ以来、東北での低緯度オーロラの観測は難しい。見られてもせいぜい北海度以北なのだな、と思っていました。今回も、
「あまり期待しないでね」
と家族に言い聞かせていました。
当日の記録
撮影地、到着時の様子
撮影地は、岩手県南部一関市の室根山に決定しました。
こちらが室根山の位置です。山頂の標高は800mほどあり、北方向の遠野市までは40kmほど離れています。
16時に名取を出発して、到着は19時ころでした。空は普通の空です。
室根山到着、今のところ北は普通の空 pic.twitter.com/6StArEEU9A
— だいこもん (@pochomskii) 2024年5月11日
7年前の失敗が頭をよぎり焦りました。ともかく撮影の準備をします。家族はコンビニ弁当を食べながら呑気に日没を待っています。
時系列の空の変化
以下では薄明終了にかけてのそらの変化を時系列に掲載します。きらら天文台3階のベランダスペースをお借りして撮影しました。写真中央がほぼ真北になります。
こもんのとなりで2名、同じように撮影をされている方々がいて、それぞれのCanonとPentaxの(おそらく非改造の)カメラでも同じように赤く写っています。
「うーん、これがオーロラなんですかね?」
肉眼ではほとんど見えないので、みなさん半信半疑でした。
タイムラプスにして初めてオーロラであることが判明
こちらは帰宅後に作成したタイムラプス映像です。SigmaFpにてISO6400、20秒露光F2.8で撮影しました。彩度とコントラストを強調しています
再生していただくと、08秒〜10秒あたりで、縦縞のゆらめきが見て取れます。時刻にして20時30分頃です。これでもって「オーロラ確定」といって良さそうです。
ちなみに、動画の右下でチョコチョコ動いているのが我々家族です。オーロラがピークに達した時間帯、こもんは写真を撮影せず、家族と空を眺めていました。その時にほんのうっすらと空が赤く見えていました。雲抜けの蔵王で、たまに大気光が見えることがありますが、それと同じくらいの淡さでした。人間の目が赤の感度が低いこともあり、低緯度オーロラは、本当に空が暗いところに行かないと観察は難しのだと、実感した次第です。
最後にこちらはピーク直後の20時40分に撮影した星景写真with低緯度オーロラで、かつサムネ用です。
ニュース報道など
今回は突発的な天文現象だったこともあって、ニュース報道も多かったです。Twitterでよくやりとりしている方々も結構たくさん記事に登場しておりました。
僭越ながら私も「だいこもんさん」として取材に協力し、テレビなどでも上のタイムラプス映像を使ってもらいました。