天文はかせ序二段(仮)

仙台高専(旧・宮城高専)天文部の活動記録です

新規開拓地でのオリオン大星雲撮影

こんにちは、ヒマ人です。すずりょうです。やることがないわけではありませんが、観測に行く時間はあります。

今月もまた、はやま湖をめざして顧問と福島方面へ。顧問とべらべらと雑談をしながら、いつも同じ場所かぁと愚痴っていると、顧問にも気になる場所があったらしく...予定を変更して未開の地へ向かうことに。その名は霊山。なにやら怪しげな地名ですね。相馬の市街地からどんどん山の中へ車を進めます。まったくもって対向車とすれ違うことはありません...んん...いったいこの先はどんな場所なんだろう...

しばらく行くと、霊山登山口の駐車場に着きました。あたりは真っ暗で観測にはもってこいです。ただこの日は風が冷たい(((;゜д゜)))

顧問は新しい撮影システムを使い、2台同時撮影を始めました。画期的だ!と勝手に思いながら、今回は久々に登場 my kiss X7 での撮影準備に取り掛かります。前回の手動レリーズ使用だとお菓子を食べる暇もないので、購入したタイマーレリーズを使用しました。オリオン座が綺麗に見えてくるこれからの時期、オリオン大星雲をどこまできれいに撮れるかと思い、チャレンジしてみました。

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露光時間を10s、50s、90sの3パターンにし、重ね合わせ処理を行いました。簡単に処理をするとこんな感じに。前回よりは中が飛んでいないような気がします。でもなぁ、もっとクローズアップしてしっかり撮りたい...ということで、ヒマ人はもう少しオリオン大星雲を追ってみようかと思っています。それではまた。

フラットフレームの撮影

Nikonの300mmでの撮影ですが、初めの画像処理ではフラットが合いませんでした。それでいろいろと試して見て、ひとつポイントがつかめたので記録しておきます。

ます、フラットフレームは下の写真のように、液晶画面にニュートラルなグレーを表示させて、そこにカメラを押し付けて撮影しています。

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DeepSkyStackerのホームページにあるFAQコーナーで、フラットフレームを撮影方法が書かれています。そこでは、カメラをAVモードにしてライトフレームF値と一致させて、あとはカメラ任せに撮影せよ、ということが書かれています。その方法で、いままで多分うまくいってましたが、今回の300mmF2.8をつかった撮影では、フラットが全く合わなかった訳です。

それで、次の方法をとりました:

まず撮って出しのライトフレームを見て見ます。

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これは、今回撮影した、F4, 360sec, ISO1600のrawデータをそのままjpgにしたものです。背景の色を「スポイトくん」とかつかって測定しますと、(R,G,B)=(115,115,114)くらいになっています。フラットフレームを撮影するときに気をつけたことは、露出補正/AEBを調整して、中心部の明るさがライトフレームの背景と同じになるようにしたことです。そうするとDeepSkyStackerに放り込んで、フラットの補正がうまくいきました。

また、改造カメラを使っていると、液晶画面がグレーでも、撮影した画像が青かったり緑だったりします。その場合は液晶画面の色を調整して、フラットフレームの画像がグレーになるようにすれば良いようです。ホワイトバランスは、あくまでライトフレームと一致させた方が良いように思います。

以上です。

ちなみに、カビが生えた25年前の300mmF2.8の性能について

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これはF4に絞った周辺と中心像です。すこし青ハロがでているものの、驚くほど点像になっていてびっくりです。

 

 

 

 

11月の撮影

我々の天文部の備品に、Nikkor 300mm F2.8という高価なレンズがあります。

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備品シールをみると、天文部がこのレンズを購入したの平成3年。部員の学生たちが生まれる前、顧問の私が中学生だった頃です。長い休部状態の時期、このレンズはかなり長いあいだ放置されていて、前玉にカビがたくさん生えてしまっています。もったいないことです。

しかし、カビが生えてもサンニッパ。このレンズは使えるはずです。冬シーズンはこのレンズをメインにして撮影していきます。果たしてその性能はどうなのでしょうか?

遠征に行ってきました

水曜日。天気予報の様子が良さそうです。平日の遠征の場合、低学年の部員はあまり誘えないので、顧問は年長のアベに声をかけます。

「今夜、どう?」
「いやあ、むりっす。いきなり言われても」

どうやら予定があるようです。彼女でもできたのでしょうか?ナマイキですね。次に5年生のスズリョウに話しかけました:

「こんやどう?」
「いいっすよ。」

彼はどれだけヒマなのでしょうか。気の毒なことです。

SCW予報をみると、夜は冬型の気圧配置が強まって、日付が変わる前くらいに太平洋側が晴れるとのこと。夕ご飯を食べてお風呂に入って、21時に名取を出発しました。場所はいつもの「はやま湖」です。冬の散光星雲「ばら星雲」の撮影が目的です。

予定変更じゃ

天気の都合上急ぐ必要がないので、高速を使わず国道を南下します。ゆったりとコーヒーを飲みつつ。

「今夜も、はやま湖ですか?」
「はやま湖だよ・・・でも、たまには趣向を変えますか。」

はやま湖は、我々がよく行く福島県飯館村ダム湖です。湖を横断する橋を渡ったところにある、30m四方ほどのスペースで、いつも観測をしています。湿度が高い傾向があり、ここ数回の遠征では毎回結露に悩まされました。南の方向が暗いのに対して、東側は南相馬市の影響があります。先日オリオン座を撮影したら、カブリが発生しました。この時期、バラ星雲を撮影するには都合が悪いです。

顧問には、もうひとつ気になる観測場所がありました。GoogleMapを見てみましょう。

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東の赤いマークが、いつものはやま湖。左側にある「霊山(りょうぜん)」には、登山道の入り口に駐車場があります。なにやら恐ろしげな名前で、真ん中の「クビカケ森」というのも幽霊がでそうな名前で気になりますが、相馬ICから20分かからずアクセスも良好です。いってみよう。

霊山へ到着

車を出た瞬間、「暗い」と思いました。西側の福島方向が少し明るいものの、はやまこで気になった東側は十分に暗いようす。周辺の木々が高くて思っていたほど視界が広くないのがちょっとマイナスでしょうか。

まずは近くのトイレで用を足します。綺麗なトイレです。人感センサーで明かりがつきます。これがちょっと厄介で、一度点灯すると消灯まで10分以上もかかります。「撮影中のトイレはご遠慮ください」ということになってしまいそうです。

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周辺の様子です。当日は少し風が強く、気温も2℃まで下がりました。

撮影中、誰もいないのに、トイレの明かりが「ふわっと」灯ることがあり気になりました。おそらく霊山の地縛霊が用を足していたのかもしれません。怖がるスズリョウには

「風で舞い込む落ち葉にセンサーが反応しておるのだよ」

といって安心させました。普通トイレには熱感センサーを使うので、嘘ですが。

撮影結果

さておき、撮影した結果を。

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撮影データ:
11/15 23:30~
カメラ:Canon EOS60Da
レンズ:Nikkor ED 300mm F2.8->4.0
露光:ISO1600 6minx18
NJP赤道儀、PHD2ガイド

画像処理:
DSSでフラット・ダーク・スタック処理。DigitalPhotoProfessionalでトーンカーブ、色調整。FlatAideProでスターシャープ処理。

 

なかなかうまく行きました。このバラ星雲、改造EOS40Dを使っていた頃、なんどもトライしていたのですが、まともな像が得られたことがありませんでした。ガイドもすこしコツが分かってきて、かなり暴れを抑えることができるようになってきました。あと、懸案であった300mmレンズは、解放だと青ハロがでますが、F4まで絞れば気にならなくなります。センサーがAPS-Cであることも手伝って、周辺像も驚くほどに良いです。

 

スズリョウは、HDRで撮影したオリオン座の周辺を画像処理中です。

また、次回はぎょしゃ座周辺の星雲を撮影してみます。

 

 

10月観測会報告

こんにちは、すずりょうです。最近はプラネタリウム関連の投稿をしておりましたが、プラネタリウムを組み立てる前に、はやま湖へ観測に行っておりました。高専祭が忙しいから...や画像処理がうまくいかないから...など言い訳をして怠けていたら、顧問に先を越されました(笑)

顧問はカリフォルニア星雲の投稿をしたため、自分が撮影したほかの2つの画像についてみていきましょう。

 

まず、ハート星雲&胎児星雲with二重星団ですね。この画像処理がうまくいかず手間取っておりました(-_-;)

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撮影時に気温の低下とともにピントがずれていったのでは?と,顧問にいわれました。どうしようか…画像処理もイマイチだ。しかし、ハートの形は見えますね。星空にハートが浮かび上がるとは、ロマンチックですね!

 

続いて、オリオン大星雲&馬頭星雲です。こちらはまあまあです。

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オリオン大星雲の中が飛んでしまっているのは残念ですが...馬頭星雲はしっかり形が出てますね。毎回思うことですが、肉眼では見えないものがこうして見えてくると、すごいなぁと思いますね。どんどん天体写真撮影にハマってしまいます。これからの時期は寒くなりますが、星空は綺麗に見えてくるはずです。今月もまたふら~っと天体撮影にいったら投稿しましょう。怠けずに。それではまた!

カリフォルニア星雲

 

顧問です。

先日の観測では、スズリョウが135mmのレンズを使っていくつかの対象を撮影するつもりでした。しかし顧問は、彼の撮影のためのタイマー付きのレリーズを忘れてしまいました。普通だったらそんな顧問に悪態をつき、車内でふて寝するところです。しかし彼はやる気が違います。シャッター機能しかないこのレリーズ

Canon リモートスイッチRS-60E3

Canon リモートスイッチRS-60E3

 

を使って、カメラに張り付いて80秒の露光をひたすら繰り返しましたのです。その回数およそ100回。2時間半近くも立ちっぱなしで撮影を続けました。いやーすばらしいい根性です。

しかしその後、このブログに画像がアップされません。どうやらあまり処理が上手くいかなかったようです。

「あー、だみだ。ていうかピント合ってないんじゃね?」

という感じで敗亡し、投げ出してしまったのでしょうか。休日、暇を持て余した顧問は、彼が撮影した画像を見直してみました。

「案外いけているのではなかろうか」

と思って、処理してみました。

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2017年10月25日  NGC1499 カリフォルニア星雲
新改造EOSKISSX5 ISO3200 
Apo Sonner 135mm F2(->F2.8), on スカイメモR ノータッチガイド

露光:80sec x 31
DSSでフラット・ダーク処理、平均加算後、Digital photo prof4でトーンカーブ調整、色調整、flatAideProでスターシャープ処理、カブリ補正、フラット補正。
 

新撮影システム

これから冬の季節、MT200やε200を向けるようなめぼしい銀河がありません。ですのでバラ星雲とかスバルとかぎょしゃ座の周辺の散光星雲を撮影していく予定です。

そのために新しい撮影システムを組んでみました。MT200用の鏡筒バンドを固定しているアルミプレートにポコポコと穴を開けてネジをきり、アリミゾと自由雲台を取り付けられるようにしました。

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そしてオートガイドとカビが生えたニコンのさんにっぱ。カウンターウエイトがわりのカメラを取り付けて二台同時に撮影します。

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とくに、ニコンサンニッパの実力は、カビが生えていることもあり未知数ですが、こん冬はこれで撮影します。結露対策もやらないと。

 

ペリカン星雲

5年生部員のスズリョウは、いま天体写真の撮影にもっともやる気を見せており、先月の25日も彼と2年生を二人連れて、いつものはやま湖に撮影に行って来ました。2年生は二人とも写真部を兼部しており、今後に期待です。

最近の天文部は、1年生を中心としたプラネタリウム班と、上級生がメインの写真撮影班に分離して二極化が進んでいます。もともとチームプレーなんてものは皆無なのでそれでいいでしょうと思っています。

 

さておき、オートガイドを導入したおかげで、長時間露光も歩留まりよく撮影していくことができます。ちょっと西に傾き気味のIC5030、通称ペリカン星雲を撮影してみました。

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2017年10月25日 21:12-22:30 IC5030 ペリカン星雲
canonEOS60Da ISO1600 センサー温度約22℃
タカハシε200, on NJP赤道儀 PHD2によるオートガイド 

露光:300sec x 17
DSSでフラット・ダーク処理、平均加算後、Digital photo prof4でトーンカーブ調整、色調整、flatAideProでスターシャープ処理。

今回は前回よりもガイドがすこし暴れ気味でした。全然理由もわからないのですが、シンチレーションなどの問題かもしれません。これについては今後も苦労しそうです。

あと、露出はもっと伸ばした方が良さそうです。今回の撮影ではヒストグラムはちょうど1/3にしました(ネットの情報でよく聞く露出の適性値です)。一方、星雲のハイライト部分の輝度が1/2くらいです。星は白とびしていますが、それを除くとダイナミックレンジの半分しか使っていないことになります。

こういう淡い対象を撮影する場合は、ヒストグラムのピークは1/2かひょっとすると2/3くらいのところにあっても良いのかもしれません。

 

一方、スズリョウはアポゾナーと新しく改造したEOSKissX5をつかってオリオン座の周辺を撮影していました。その画像処理ではいくつか問題が発生したので記録がわりに書いておきます。

・まずDeepSkyStackerでフラット処理をすると、加算平均がうまくいかず星が潰れて消えてしまうというトラブル。フラット処理を辞めるとなぜか加算がうまくいきます。初めはフラット画像に問題があるのではと疑いましたが、原因はよくわからず。結局DSSでのAlignmentを”automatic”から"Bilinear"にしたら解決しました。

・撮影地のはやま湖は東方向に南相馬市があって少し明るいです。東からのぼったオリオン座の画像をレベル調整するとけっこうつよい「カブリ」が出て来ました。これは「ぴんたん」さん(有名)という方が開発されたフラットエイドプロというソフトをつかって解決できました。

 

画像はちかぢか、スズリョウがアップする予定です。