天文はかせ入門(仮)

仙台高専(旧・宮城高専)天文部の活動記録です

流星電波観測、中間報告

4月26日の記事で、電波観測をはじめますと書いてからなにも報告してませんでしたが別にほったらかしていたわけではありません。どうしても電波エコーの受信ができなかったのです。

しかし我々は不断の努力をしておりました。ケーブルを変えたり、アンテナの長さを調整したりハンディタイプの受信機を手に入れて使ってみたりと思いつく限りのことを試していたのですが、なかなかうまく行かず半ばあきらめかけていました。

 

そこで日本流星研究会の小川さんに「できないよー(泣)」なんて泣き言メールを送りつけて相談に乗っていただきました。「結局は受信機が悪いのでは?」というアドバイスでした。

 

良い受信機となると、新品で10万円近くします。それはなかなか買えないなー。と考えていたところ、そういえばうちの高専には「アマチュア無線部」があった。余っている古い受信機とかを貸してもらえるかもしれない。アマチュア無線部員を探せ!ということになって、目を皿にして探したところどこにも見つからない。のちほど同部は部員数ゼロの休部状態と判明しました。ということは。。

「じゃあ、受信機使ってないよね?貸してよね?いつ返すかは未定ですけど」

と元顧問の先生にお願いして、アイコムのIC-706Mk2Gといういい感じの受信機を借りてきました。それでいきなりエコーを観測できるようになりました。アマチュア無線部のみなさん、ありがとうございました。ちゃんと返しますからね。

下は、今朝未明に記録されていた一番大きなエコーです。次の流星群は7月末の水瓶座δ。そのときに、空を見上げながら電波観測との同定を行ってみたいです。それで、観測データの解析もやらなければ。

f:id:snct-astro:20170621184311p:plain

 

初投稿!天の川とM8とM20と

 

読者の皆さん,はじめまして!すずりょうと申します!正月にmyカメラ(EOS Kiss X7)を手に入れたのですが,顧問の先生はどこからこの情報を手に入れたのでしょう(笑)「カメラで星の写真を撮ってみないか」と言われ,試しに参加した南三陸・神割崎での観測会で観た見事な星空にとてつもない感動を覚えました.4月に正式に入部しまして,4月に神割崎にてmyカメラで撮影した天の川は,以前顧問の先生に投稿していただきました.

 

さて,5月の観測会ですが,みやぎ蔵王白石スキー場にて行われました.結構長い時間観測をしていましたが,M8干潟星雲とM20三裂星雲を天の川の中に見つけたので12枚ほど写真を撮って,後日重ね合わせ処理をしてみました.

f:id:snct-astro:20170530170651j:plain

青や赤の色がきれいですね.天の川は肉眼でも観ることが出来ますが,これらの星雲は望遠鏡やカメラがないとなかなか観られません.ピントを合わせるのがなかなか苦手で...もっとうまく撮れるよう精進せねばと思いますね.また観測に行けたら投稿します.それでは今日はこのへんでっ!

5月観測会(白石蔵王スキー場)

 

何人か1年生の新入部員が入ってくれました。先日の週末、さっそく観望会に出かけてきました。ダラダラとなにもしないでいると

なんこの天文部ってのは、何もしぃひんでシャベリしるだけな。辞めるか

大阪弁で罵倒され、去られてしまうことを恐れるからであります。白石蔵王スキー場は、白石駅まで車で30分弱なので終電で帰宅する1年生にも都合がよい。標高800mと高く、空もソコソコ暗いです。

f:id:snct-astro:20170519183009j:plain

当日は、17時に学校を出発。高速道路に乗って南へ。前方には透明度の高い、きれいな空が広がって期待が高まります。

f:id:snct-astro:20170519175112j:plainf:id:snct-astro:20170519175530j:plain
途中、菅生PAに寄り道して夕ご飯を食べました。なかなか美味いです。

f:id:snct-astro:20170519185902j:plainまだ明るい時間帯に、スキー場の駐車場へ到着。ほかには誰もいませんでした。この場所は東側が開けた斜面で、その方向には白石市の光害が強くて、西は山が広がって視界が狭いです。ですが、南は七ヶ宿村の方向で、こちらはかなり暗くなかなか良かったです。

暗くなってから、1年生達はドブソニアンやF6屈折をつかって、おおぐま座周辺の銀河(M51,M101, M81&82)やM104、M13を観望しました。そのあと、夜半には上がってくる蠍座や射手座をまたずに、終電で帰宅となりました。ざんねん!

1年生を白石駅に送ったあと、高学年の我々は更に観測を続けたのでした。しかし、この日も風に負けて、撮影はうまく行きませんでした。

 

うまく行きませんでしたけれども、結果をupします。

  f:id:snct-astro:20170523155637j:plain
2017年5月19日 20:45-21:30 NGC4565
canonEOS60Da センサー温度23℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 

ISO1600 240sec x 6、ダークなし
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理。

f:id:snct-astro:20170523155939j:plain

2017年5月19日 23:00-24:24 M20 三裂星雲
canonEOS60Da センサー温度21℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 

ISO1600 120sec x 12、
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理。

まず、風の影響でガイドが上手く行かず、NGC4565は3割位の写真しか使えませんでした。使った写真も極めて質が悪いです。そうすると画像処理も上手く行かなくて気が滅入ります。それで、そのあとは比較的明るいM20を120秒露光で撮影したのですが、これは低空過ぎて撮影がきつかったです。この日はシンチレーションもあまり良くなかった。 

 

 

体にムチ打ってはやま湖

天体観測のためには、雲がなく、風がなく、月がない、必要があってこれを「三無い」と呼ぶのかどうか。GPV予報やWindytyなどを見て良い条件の日に巡り合うと、「これが今月最後のチャンス、いや人生最後のチャンスかも」などと大げさに思い込んでしまうわけです。今月2日のよるもそんな感じで、唐突に昼に出発を決め、最年長部員のアベと二人でははやま湖に行ってきました。

私は1年前に失敗したM63を、アベはアンタレス付近の撮影に挑みました。M63はそこそこ写ったかなという感じです。

f:id:snct-astro:20170508181753j:plain

2017年5月2日 24:03-25:51 M63 ひまわり銀河
canonEOS60Da センサー温度約17℃
タカハシMT-200 with MPCC Mk3 koma corrector, on NJP赤道儀 ノータッチガイド 

ISO3200 240sec x 12、
CCDStack2で加算平均、GIMPトーンカーブ、カラーバランス調整、Digital photo Professionalでノイズ処理

 覚書つべこべ

NJPのノータッチガイドの性質が段々と分かってきました。現在、1200mmで4分露光を標準としていますが、そのばあい3の倍数枚目の像が周期的に流れて写ります。おそらく赤経のギアの何処かに精度の良くない歯があるのではと思います。これは仕方がないので、そういうものだと割り切って撮影をしていくしかなさそうです。

また、長時間ガイドをしていると段々と追尾精度が悪くなるのですが、その理由もわかってきました。どうやら赤経ウォームギアの固定に問題が有るようです。追尾をしている間にだんだんとウォームギアがズレて、かみ合わせの圧力が強くなっていくようで、ひどくなるとモーターが脱調してしまいます。ウォームギアのかみ合わせは、2つのネジで固定されていて、分解しなくても調整できるようになっています。その調整で解決できるのかどうか、調査中。

先日朝方に天の川をとりに奥松島まで行ってきたときは、半端な写真しか撮れませんでした。もう一度天の川撮影に挑戦したいものであるよなあ、と考えておりました。

そこで木曜日が晴れそうだったので、みんなで宮城県の沿岸北部、神割崎に行ってきました。ここは西方向は薄明のように明るいものの、東側がかなり暗いです。深夜に昇ってくる天の川は見事でした。5年の新入部員スズリョウが撮影した写真です:

f:id:snct-astro:20170428144541j:plain
2017年4月27日 24:00 天の川(射手座付近からはくちょう座にかけて)
canonEOSKissX7(長時間露光のノイズ低減ON) 
SIGMA 15mm F2.8(->2.8) EX DG on ポラリエ,
ISO1600 60sec 
大まかな処理: Digital photo prof.でそのままRAW->tiff8bit変換、GIMPでレベル補正・トーンカーブ補正・色調整後にJPG変換。再びDigital photo prof.でノイズリダクション。フラット補正は失敗したのでやめました。

ここは海が近いということもあって、昨夜はすこし風が吹いていました。少し強い程度だったのですが、1200mmのMT200での撮影は全く上手く行きませんでした。じつはいままで、偶然にも無風の状態で撮影し続けていたので、こんなにも風に弱いとは思いませんでした。この間倒してしまったNJPのガイド性能に問題は生じていないことはわかったので、それは良かったなり。

流星電波観測

天文部が長い休眠を経て、活動開始したのは2013年の夏でした。当時、1年生の新入部員であった、部長ざわなかさんと5100さん*1はもう5年生になって就職活動をしています。最後の活動となる今年度は何をしましょうか?漫然と写真を撮っているだけで果たして良いのか?と考えていました。

そこで今年は、同じく卒業見込みの田中と中村が中心となって「流星電波観測」のための設備をととのえ、今後は下級生にもっと天文部を盛り上げてもらおうという事になりました。

「流星電波観測」とは流れ星が発生したときに形成される「電離層」を捉える観測です。宮城近辺ですと、いわき市の地上から空に向かって流星観測のための電磁波が人工的に放射されています。流れ星によって電離層ができると、その電磁波が反射されて、遠くの地上にも届きます。それを捉えれば、流れ星の発生時刻や発生数がわかるわけです。昼でも曇りでも関係なく観測できるのが、この方法のつよみです。

 

本日はそのためのアンテナを設置しました。

f:id:snct-astro:20170425171332j:plain
アンテナを組み立てるざわなかさん、5510さんとオノデラ。

f:id:snct-astro:20170425172655j:plain
完成したアンテナを掲げる5100さん。

 

このアンテナに「なまえ」を付けなければなりません。アイデアが有りましたらコメントお願いします。いまのところ顧問の先生は部長のこれまでの功績を讃えて「ザワナカ」が良いのでは、と考えているようです。

 

 

*1:メンバー紹介を参照

春の木星

4月に入って、何人か新1年生の新入部員も入ってきましたので、このブログの左上に表示されている「プロフィール」の写真を差し替えました。ちっちゃいですけど。

それで、新入部員たちに「天文部は活発に活動してますよ」とアッピールするために、木星の観測会を企画したのです。昼の明るいうちに赤道儀を屋上に上げて、セットしてスタンバイ。そうしたら日本海側から低気圧が近づいてきたとかで、やたらと強風。でも総重量70kgはあろうというNJP赤道儀とピラー脚はびくともしないでしょう、と高をくくっていたら、夕方、なんと横転していました!。あわわわわ*1

赤道儀が倒れるほどの強風では、いくら晴れていてもまともに見えないでしょうし、なによりも危険が危ない感じですので、木星観測会は延期となりました。ざんねん。

 

先週の土曜日、気を取り直して集まれる学生で集まって、再度観測会を行いました。シーイングもそこそこに良くて、シャープな木星像を見ることができました。

軽く動画も撮影して、久しぶりの木星画像です:

f:id:snct-astro:20170424183241j:plain

2017年4月22日 24:10 木星
canonEOSKissX5 
タカハシMT-200 on NJP赤道儀 ノータッチガイド コマコレクター,
Or7mmアイピースで拡大撮影
 ISO800
1min=1800flamesをLynkeosでスタック処理

木星撮影の感想ですが、7mmアイピースを使っての拡大撮影はピントがシビアすぎてこれが限界!です。もうすこし良い像をえるためには別の方法が必要なのじゃないかと考えています

 

*1:鏡筒を外していたのと、屋上の床が柔らかい素材でできていたので、幸い見た目のダメージはありませんでした。追尾性能が損なわれていないかどうかは謎。次回の遠征でテストしてみます