天文はかせ幕下

M101の超新星SN2023ixf

先日に、新入部員を連れて蔵王山の刈田岳に登りました

丁度その前日の未明のこと、山形県の著名なアマチュア天文家、板垣公一さんがM101に超新星2023ixfを発見したとの報が。

コチラの記事によりますと、2023ixfは発見時で14.9等星、直後に行われたスペクトルの解析からII型の超新星であることが分かったとのことです。なんにしても、まだメカニズムが完全には解明されていない恒星の爆発です。世界中のアマチュアが撮影しているであろうM101です。前後の大量の観測データが新しい知見につながるかもしれず、胸が熱くなる想いであります。

撮影結果

そんなわけで刈田岳で部員たちが星空を楽しんでいる間、顧問は急遽30分ほどの晴れ間をぬって超新星の撮影をしました。その結果がコチラ

SN2023ixf in M101

バッチリ移っています。これが約2000万年前の爆発現象なんですね。青緑色の輝きが美しいです。

下の写真は、ちょうど4年前に撮影していたM101との比較です。全く何も見えていなかったところにとつぜん星が表れていることがよくわかります

測光

まずはダーク・フラット補正を終えた画像に対して、SplitCFAを実行して、Gチャンネルだけを取り出したうえでスタックします。

この画像をfitsで保存して、Makaliiに読み込みます。そして周辺に写っている星の画像上での輝度値を調べます。以下の星をピックアップしました:

これらの星について、Stellariumで調べた見かけの光度を横軸、画像上の輝度の「カウント値」を縦軸にとってプロットすると以下のようになります(青い点)

オレンジ色の点は、2023ixfのカウント値(約980000)を、青い点からなる曲線の上に乗るようにプロットしたものです。

この結果から、2023ixfの見かけの等級は12.5~13.0等という結果になりました。

その後の報によると、2023ixfはまだまだ増光中とのことでこれを書いている23日は11等台に突入しているとのこと。明日の晴れ予報にもう一度自宅から撮影してみようと思います。