天文はかせ幕下

8月、網状星雲

学校は夏休みに入って、ひっそりとしております。そんな週末、県北部のやくらいガーデンの駐車場へ撮影に行ってきました。

最近、撮影の定番となっている蔵王はペルセ群の観望目的の方々で混み合う可能性があったのと、直前のSCWで雲がかかる予報がでていたため避けた次第。当日、現地に行っていたYさんの情報だと、実際には蔵王も26時くらいまで晴れていたそう。ただかなりの混雑だったようです。いっぽう、やくらいガーデンは比較的閑散としていて、周辺は予想外の暗さでした。加美町などの市街地からそれほど離れていないことを考えると驚くほどで、街灯もなく駐車場脇に設置された自販機は照明が極力抑えられています。北が暗いので春先の銀河撮影に使えるかもしれません。ただ、冬は晴れないかな。

さておき、当日はOBのアベや、彼の友人でスカイメモと6Dで撮影しているシバタくんも合流して、賑やかでした。シバタくんは学生の時に天文部に入っていて欲しかったですね。

網状星雲

対象は、白鳥座付近の超新星残骸、網状星雲です。

 

Veil Nebula

8月10日22:30−24:30 網状星雲
Camera: Canon EOS60Da
Lens: Nikkor ED 300mm F2.8->F5.6 with L42シャープカットフィルター
Mount: Takahashi NJP with PHD2 guide
exposure: ISO1600, 480sec x 17

蛇足
  • 【300mmF2.8をF5.6で撮影】軸上色収差の強いNikkor300mmF2.8を普段よりもさらに一段しぼって、F5.6で撮影しました。それによる星像の改善は、暗くなる像のデメリットを上回るものではありませんでしたね。今後は青ハロ処理に尽力しながらF4で使い続け、機運が高まったらタカハシのFS-60CBとレデューサを買ってやろうかと企んでおりますよ。
  • PhotoShopでのraw現像の注意点】PhotoShopでrawを読み込んだ時、デフォルトでカラーノイズ処理の値が25くらいになっています。これによって、ほとんどのホットピクセルなどが取り除かれる一方、網状星雲の淡い赤や青もノイズを一緒に消し去られていました。今後、注意が必要。
  • 【夏場はダーク引きした方がよいかも】撮影時のセンサー温度は34℃くらいに達していて、さすがにノイズが目立ちました。さいきんサボっていたダーク減算、夏場はちゃんとやった方がいいかも。
  • 【NGC6992付近の分子雲】NGC6992は上の写真で言うところの、右側に写っている輝星と重なって見える星雲。その写真右側には淡い分子雲が広がっているようです。画像処理の段階で、これを赤い熱かぶりと勘違いして、消してしまっていました。これも今後、注意が必要。