天文はかせ幕下

金星と、ごく個人的な古い思い出

2月6日、強い寒気が降りてきてようやく冬らしい寒さに見舞われました。会議が終わったら、もう5時近く。西空は澄んだ夕焼けで、宵の明星が輝いています。

「ちょっと撮影してこましたろ」

と、顧問はシュミカセが設置してある屋上に出ました。部員たちはテスト週間でお休みです。

実は、金星の撮影は初めて。望遠鏡を向けたのも、最後はなん年前だったか? Meade経緯台の間怠こしいアライメントを済ませて、まずは眼視。半分よりちょっと太った姿がごく小さく横たわっていて、眩しいくらいです。凍える寒さのドームの中で、ひとり金星の姿を眺めていたら、30年ちかくも前の思い出が急に蘇ってきました。

 

月光天文台は、静岡県函南市にあります。顧問が中学2年生であったころ、友人と二人で電車に乗って、その天文台の観望会に参加したことがありました。広場に月の重力を体験できる遊具があって、すこし早く着き過ぎた僕らは日が暮れるまでそれで遊んでいました。季節は初夏のころだったような。しかし、それ以外のことは何にも覚えていません。

 

自身の海馬を信じるならば、中学生の私が月光天文台で見たのは金星だったのでしょう。stellariumで28年前の5月頃の夕空を調べて見ました。

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当夜の金星の形は、

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こんなでした。

 

さて前置きが長くなりました。6日の夕刻に撮影した金星です。

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(撮影データは後ほど記載します)

うーん、シンチレーションが悪くて、形がわかる程度。金星って、こんなもんでしょうか。紫外で取らないと模様は見えないのでしたっけ?