天文はかせ幕下

M100銀河を力合わせて18時間露光

先日に撮影したM100にはある程度満足していました。

M100

 

じつはこのあと、Twitterでのやりとりで「天体写真初級編 ぼちぼち星空眺めましょ」のタカsiさん

から17時間分のM100のL画像を提供いただきました。これを上の画像に合成してさらに上を目指そうというわけです。私のが4.3時間で、合計18.6時間になります。

f:id:snct-astro:20210321120256p:plain

左がタカsiさんの17時間データ、右が私の6時間データのL画像です。これを合成する場合、ブレンド比が問題になります。天リフの100時間企画では、露光時間と光学系の明るさからウエイトを決めているようでしたが、ここではちょっと違う方法を撮ってみました。

まず両画像の同じ背景位置を抽出して、pixinsightのstatisticsでデータを取ります

f:id:snct-astro:20210321120737p:plain

これも左がタカsiさんのデータ、右が私です。44850ピクセルの平均輝度(mean)や揺らぎの標準偏差(stdDev)に着目して、両者の比(stdDev/mean)が最小になるようにブレンド比を決めました。それぞれの画像の配合比を変えながら,ブレンドした結果の(stdDev/mean)を縦軸にとると下のようにブレンド比が4:6のところに明確な最小が生じます。

f:id:snct-astro:20210321121627p:plain

この比でブレンドした画像を,再び処理することにしました。

ただ,やった後にこの方法はあまりうまくないかもなと気づきました。平均輝度と揺らぎの比を取ってはいるものの,この指標は空の暗さに依存してしまいそうだからです。気づいたのが,画像処理を終えた後だったので,しかたなし。そのまま進みました。

 

M100_ver2

M100
The datas obtained by two different photographers (naga & takashi) stacked to form a single image.

naga:
Date: 2021-3-9
Location: Kamiwari-saki, Miyagi
Optics: Takahashi MT-200 1200mm F6, MPCC Koma Correcter, UV-IR Cut filter
Camera: ASI294MC pro
Exposure: 240s x 65, gain120 (total 4.3h)

takashi:
Date: 2021-3-8
Location: (A)Uda-city, Nara, (B)Nishinomiya, Hyogo
Optics: (A)μ-250CRS, (B)C11+0.72RD+IR Filter
Camera: (A)(B)ASI2600MM-pro
Exposure: (A)300s x 68 (gain100), (B)300s x 104 total 14.3h

Processing: Pixinsight, Photoshop

編集していて驚いたのは,二つの画像の光条がバッチリ一致していたことです。先に私の画像をみていたタカsiさんが職人技で一致させてくれたのだろうかとビビりましたが,単なる偶然だったようです。ひょっとして相性がいいのかも?「仮想敵国」とか言ってごめんなさい(はぁと)

さておき,ブレンドの結果として画像は滑らかになったと思います。ただトータル19時間近くものデータの素性を引き出せていないような気もします。そーなのかーさんが追加露光をしてくれていますので,再々処理を行う予定です

 

f:id:snct-astro:20210322184444p:plain

サムネ用の銀河中心部アップ