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星像テスト
SharpStar 15028HNTの星像のテストを引き続きおこなっておりました。
EOS6Dでは周辺まで綺麗な点像が得られておりました。
ところが、APS-Cの2600mcで撮影してみますと、どうも結果が芳しくないのです。例えば子な感じ
あからさまに悪くなってますよね。フルサイズよりAPS-Cの周辺が悪いとはどういうことか。ピクセルサイズが6.54μmの6Dに対して2600mcは3.76μですから、後者の画像は前者に比較して2倍弱のデジタルズームに対応していてその分シビアというのもありますが、それにしてもです。
どうも望遠鏡とカメラを接続するリングに問題がありそうでした。現状での選択肢は、以下の3種です。写っていない下側がカメラ側M42のオネジ、上側がM48のメネジです。
以下ではわかりやすいように、左から「カバオくん」「ジャイ子さん」「宗兄弟」と名付けます。
上のテスト画像は、ジャイ子さんを使って撮影してました。ちょっと交換してみまひょということで、カバオくんで撮影した結果はコチラ(フィルターなし)
おお、ええんじゃ内科・・だめじゃん。右下をご覧ください。顧問が火球のインチキ合成よりも嫌っている片ボケです。
仕方ないので宗兄弟を使います。
はい、左下は伸びてますけど、これが一番いい結果でした。
原因
リングごとにこのように結果が異なる原因は単純なものでした。まず、カバオくんです。
ノギスで測定してみたら、光路長さが本来必要な長さより1mm短い36.5mmになってました(なんでやねん!)。2600mcのフランジバックが17.5mmで、足すとピッタリ55mmになるべきなのが、このリングを使うと54mmだと。たった1ミリの違いであれだけ星像が悪化するとはあな恐ろし。このリングはイモねじ緩めてカメラ回転できるので一番便利なんですけど、シムリングで調整するの嫌だなー。
次は片ボケのジャイ子さん、
RASAでの撮影はもっぱら彼女にご活躍いただいていてうまく行っていたのに、なぜ今回ヘソを曲げてしまったのでしょうか? これも原因はすぐに判明。と言いますのは、下の写真のイモねじです。
これはネオジム磁石でくっついているドロワーを機械的に固定するネジです。つい先日、このイモねじが緩んで脱落しそうになっていたんですよね。最近はフィルターも使わないからしっかり締めてこましたろって、顧問はやっていたんです。それを就寝前に思い出しまして、ノギスで測ってみましたらきっちりイモねじ側がゼロカンマ数ミリほど、厚くなっていました。締め圧が原因です。これは顧問が悪いのではなく、ZWOの設計が悪いのです。
で一番成績の良かった宗兄弟ですけど、
彼らはいろいろ使い勝手が悪くて採用したくありませんでした。
結局、ジャイ子さんのイモねじを緩めて、さらに光軸を追い込んだ結果、以下のようなところまで持ってくることができました
どう思われますでしょうか?
周辺は全て同じ方向にわずかに流れているので、バックフォーカスの調整でどうにかなるのかな。通常の鑑賞ならほどんどわからないので、「これでヨシ」でも良いのかもしれません。
では次回のエントリーは、いよいよ暗い空でのファーストライト&星沼会集合!となります。乞うご期待。