天文はかせ幕下

2023年、天文部夏合宿報告その2

コチラの記事の続きです

 

うーん、昨晩は1枚も露光できなくて残念であったよなあ。って失望を胸に、ロビーで読書している顧問です(三脚で自撮り)

窓外の空は曇っています。

2泊日程の天文部の合宿にて、昼間の時間をどう過ごすかは毎回の課題です。

「会議室を借りて微積分学集中講義」でもやりましょうか。夏の思い出の1ページに、スポーツでなく積分計算に汗を流すなんてのも、乙ではないですか」

顧問はそう提案してみたのですが、部員たちはニヤニヤするだけで反応が薄かったので、この案はボツ。無難に自由時間としました。

外の空気は下界より若干涼しくて、周辺に整備された散策道を歩くのも気持ちが良い。すでに部員たちはどこかに遊びに行っているようです。顧問は先ほど宿の食堂で一人でカレーを食し、いまはロビーでぼんやりしています。小学生の子供が二人いる身にとっては、ただ日没を待つだけのこんな間延びした時間が、たまらなく心地よいです。

施設内のプールや温泉は昼間も利用できて、食堂も営業しています。

「昨晩は、星は見えましたか?」

複数のスタッフの方々にそう聞かれ、天文への理解のある宿だなと思いました。

ウトウト眠ってしまい、ふと時計を見ると14時。本の内容が頭に入ってこなくなったので、車を走らせてイワカガミ平の様子を見に行くことにしました

うーん、これはよく見る光景です。

今夜、ここで合流する予定になっていた、そーなのかー氏(以下そ氏)に状況を報告します。それでも来るとの返事でした。頼もしいかぎり

合宿第2夜

この霧も日没後には晴れたようで、夕食後に再度訪れると晴天が広がっていました。予報通りの雲抜けです。すでにそ氏は到着していて機材をセッティング済みです。日ごろの行いが悪いために、10枚ほど露光したあたりから曇ったり晴れたり曇ったりで、どんどん雲が厚くなっていきました。

観測の様子。雲の切れ間から天の川中心部が覗きました

不気味なほど真っ黒な雲を眺めながら、学生たちと雑談の時間になります。

企業で働くようになってから、いかに微積分学や線形代数、ビジネス英語が重要であるか。そ氏は部員に話してくれました。教員の私が同じことを言うよりも、真剣に聞いていたと思います。そのあとも一向に晴れる気配はなく、話はディープになっていきました。クロソイド曲線懸垂線の応用、確率過程のガウス分布と品質検査の関係などへ及びます。

ちょっとしゃべりすぎたと反省されていたツイートですが、学生とってみれば山中の闇の中という非日常の環境で聞いた上記のような話題は、とても刺激になったと思います。

ありがとう、そ氏。

最後に記念写真を撮って、0時ころに解散となりました。

宿に戻ってからたっぷりと寝て、翌朝は送迎バスにのって合宿はお開きです。どうもお疲れさまでした。また来年!