天文はかせ幕下

春の系外銀河撮影

学校は春休みに入って、静かになりました。猛烈な活動で学内に知られる、我々天文部のプラネタリウム班も、ここ数日はさすがにお休み(予算を使い切ったので、することがないのだろうと思います)。

陽気もすっかり春模様です。暖かい雨降って、気温が下がって、そのあとの穏やかに晴れる…といった天気がくりかえされています。そんな晴れ間が新月期の金曜日に重なり、よっしゃと撮影に出かけてきました。

春は銀河

天文マニアの人々は、春になると「銀河祭り」などと宣って沸き立ちます。

「は?なんのことやら」

とお思いになると察しますが、春夜は天の川が沈んでしまうので、系外銀河しか撮る対象がなくなってしまうのですね。銀河の撮影には長焦点の望遠鏡が必要で、難易度もかなり高い。祭に参加できるのはある程度の熟練者のみというわけです。マニアの中のマニア、アホの中のアホです。

顧問はそれほどでもないのですけど、機材だけは一定のものが天文部に揃っているため、参加することができます。

夕刻。自家用車に必要機材を詰め込みました。その内容をご紹介します:

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銀河撮影時の機材

全部で80kgはあるのじゃないかと思います。これだけの機材をたった一人で車に積んで、遠征先で設置し、また車に積み直して、帰ってきたら部室に戻す。トータル240kg。しかも徹夜です。正直にいうと、心も体もボロボロになります。なんなんでしょうね。

ひまわり銀河

北天のひまわり銀河を撮影しました。

M63 Sunflower galaxy

date: 8th, Mar. 2019
location: iidate, fukushima
exposure: 480sec. x 14 + 180sec. x 5 (ISO1600)
camera: Canon EOS60Da
optics: Takahashi MT-200(1200mm F6)
mount & guide: Takahashi NJP, MGEN

数えてみればMT200やε200を持ち出す長焦点撮影は、年に4=5回ほどしかない。ここ最近は、NJPとMGENの組み合わせでガイドしていて、なかなか安定した結果が得られていない。今回学んだのは、MGENの場合はガイド星が飽和しているとガイドの精度が著しく落ちること。撮影開始時にはまだ飽和してなかったのに、カメラが天頂に移動するにつれてガイド星の光度が上がって、ついには飽和してガイドエラーが多発するという事態を今回は味わった。