冒頭から私事で恐縮ですが、わたしは9月生まれの乙女座です。ぱっとしない星座であって、一等星のスピカ以外は目立つ星が少なく存在感がありません。実は未だに、どれとどの星を結べば「乙女座」が構成されるのか、よくわかってなかったりします。
乙女座の隣には獅子座がありますね。これは明るい星が多くて、またその形も確かに4本足の動物のように見えるので、春の星座の中ではよく目立ちます。
このふたつの星座のあいだ、下の写真に赤く囲んだ領域に「おとめ座銀河団」と呼ばれる銀河の集まりがある…とは、中学生の頃なにかの本を読んで知りました。星図に示された銀河の配置を見る限り、その数は尋常ではありません。まるで小虫が群がるように銀河がひしめき合っているのです。それで春の夜、ちいさな双眼鏡を持って外に出かけ、その辺りを観察して見ました。「何にも見えないではないか」とがっかりした記憶が残っています。
その銀河団が位置する上の赤枠の部分を、Mamiya Apo sekor 250mmとEOS6Dの組み合わせで、先日撮影しました。
Date: 8th Mar. 2019, 23:00~
Location: Iidate, Fukushima
Camera: Canon 6D(HKIR)
Optics: Mamiya Apo Sekor 250mm F4.5
Exposure: 180sec. x 30(ISO3600)
Guide: Kenko skymemoR
銀河の密集の様子はこのような写真によって初めてよくわかりますね。ぜひリンク先のflickrに飛んでいただき、ピクセル等倍でごらんください。
この撮影中、昔のことを思い出して5cmの双眼鏡を手にしてこのへんを眺めてみました。はやま湖の暗い空のしたでも、やっぱり乙女座銀河団はよく見えませんでした。私の場合は、そんな少年の頃の「見えなかった」記憶が、中年の今になって星空を見上げる動機になっています。