以下の記事の続きです:
オートガイドというと、なにかというと「ガイドが暴れる」とか「ガイド星が見つからない」なんてトラブルに苦しんでいる方々を、blogなどで拝見します。まずは動作テストが肝心です。そんな火曜日。今夜は晴れそうですね。でも台風が来ているようで、今夜を逃したらしばらく観測は無理ですね、なんて話しておりました。
我々の特徴は、何かにつけて「慎重さ」が欠けている点です。学校の屋上ででテストするとか、妥当な選択肢ははじめからありません。ぶっつけ本番で遠征して、オートガイドが上手くいくとは思えませんが、「はやま湖」まで出かけてきました。
いつも通りに機材を組みます。今回は、M33を撮影する事にしました。ISO1600で6分くらいの露光が目標です
- 赤道儀の極軸望遠鏡に、何となく北極星を入れる
- pole masterで極軸合わせ
- 手動でM33を導入(天頂付近なのでこれがツラかった)
- PHD2を起動して、M33付近の適当な星をクリック。キャリブレーション開始
- 延々とキャリブレーション。待てど終わらない。これはもうダメかも分からんね。といっていたところ、キャリブレーションが終わる!
- うぃんうぃん、なんてモーターが動いて赤緯と赤経を修正している様子。PHD2の画面を見る限り3秒角以内に収まっている様子。
- 闇夜の中で「すげえ、すげえよPHD2」と叫びながらBackYardEOSで撮影開始。
撮影中のキャプチャ画面です。6分は我々にとっては、史上最長ですが、何の問題もなくすべての画像が点像になりました。100%の歩留まりです。
この日は14枚目まで撮影していたところで、斜鏡の結露に見舞われ、撤収となりました。画像処理の結果は、部員アベにより報告される予定です。
ともかく、ついに我々はオートガイドを手に入れました。これでこのブログも「入門」レベルから脱したのではと自己評価しております。よってタイトルを
天文はかせ序二段(仮)
に改めたいとおもっていますが。
気になる点:
- 極軸はかなり追い込まれていると思うのですが、赤経と赤緯の修正量がほぼ同じなのが「?」です。赤緯はほとんど修正いらずなのではと思っていました。
- EOS60DaのセンサーサイズはAPS-C(22.3×14.9mm)で、使用した鏡筒の焦点距離が800mmなので、撮影画角は水平方向で1.67°です。60Daの解像度はRAWで5184×3456pix^2だから、1ピクセルが1.67/5184=1.16秒となります。ガイドは±3秒くらいうごいてますので、星も3〜4ピクセルくらい大きくなっているということです。微光星はだいたい10ピクセルくらいで写っているので、もう少し工夫してガイドの精度を上げれば、もっと星を小さく写せるかもしれません。
部員アベによる報告は、以下をご覧ください;