DSOを撮りたい
天体写真のブログやFaceBookなどを拝見していると、135mm〜400mmくらいの焦点距離での撮影の方が、多数派になるのかなと感じます。たとえば満月の撮影なら写野に対する月の大きさが、国旗の日の丸よりもひとまわり小さく映るかなという、その程度の倍率がだいたい焦点距離400mmです*1。
さらに長いレンズになりますと、ガイドが難しくなる上に、F値が暗くなるので露光は伸ばさねばならないという二重苦があります。しかも大気のシンチレーションの影響も強く受け、・・つまりは難しいわけです。我々の天文部にも、MT-200という1200mm・F6のニュートン反射望遠鏡があります。これは今年の2月ころに撮影に使用してガイドに失敗して以来*2、しばらく登場ねがっておりません。
しかしながら、やっぱり我々はDSOを撮りたい。Deep Sky Object、深宇宙対象です。そこで新しい機材を導入しました。
新機材まつり その2:M-GEN オートガイダー
先日、天文部に投入された特別予算*3で、M-GENと呼ばれるオートガイダーを購入しました。感謝に絶えません。
協栄産業HPより
これとNJP赤道儀でさらに精度の高いガイドをしてやろうというわけです。
11月13日の遠征
翌日午前に休暇をとって、ひとりではやま湖に行ってきました(平日だったので)。
撮影対象は、うお座のM74です。メシエ天体の中でももっとも小さく暗いと呼ばれている銀河です。ISO1600で8分の露光を目指します。まずは撮影結果を:
日時:2018年11月13日
対象:M74
露光データ:Canon EOS 60Da, 480s x 14flames (ISO1600), ディザリング撮影
撮影鏡筒:Takahashi MT−200(1200mm, F6) MPCC Koma correctorを使用
ガイド:Takahashi NJP赤道儀+PD5-XYコントローラー+M-GENオートガイダー
画像処理:RStackerでフラット補正、PSでRaw現像、DSSでx2Drizzleスタック、PSで強調
蛇足:撮って出しのヒストグラムのピークが1/4。MT−200をつかう場合は、ISO3200にしたほうが良さそう(?)。M-GENとの連携でディザリングをしていましたので、DSSのDrizzleを使ってみましたが、効果はイマイチ。そもそも1600万画素で撮影しているわけですから、サブピクセルの情報を復元して解像度が上がることはなくて、それよりもシンチレーションやピントの精度で解像度の上限が決まっているのだと考えています。
それにしても、もうちょっと解像してほしいと願いますが、このへんが限界でしょうか?。当夜の大気の状態はかなり良い方だったと思いますし、ピントも撮影中にチェックしていたし、光軸もできる限り追い込んでいて、これ以上改善の余地がない・・・。
M-GENでのオートガイド
こちらがガイドの様子です。簡素なガイドグラフは、縦軸のスケールが不明です。今回の撮影では赤緯が若干暴れ気味で、8分露光で18枚中14枚の成功率でした(F=1200mm + APS-C)。初めてにしては上々で、パラメータを追い込めばさらなる改善が見込めそうです。英語のマニュアルを読んだ方が良さそうですね。
最後に撮影の様子。