天文はかせ幕下

M45からIC348にかけての星野

12月の小山ダム遠征と1月末のはやま湖遠征,2ヶ月弱の間をおいて5時間の露光をした星野写真です。牡牛座からペルセウス座にかけての分子雲を構図にとりました。

M45 and IC348
Date:20211204, 20220128, two nights

Location: Ibaraki and Fukushima
Optics: Apo-sonner 135mm F2@2.8,
Camera: EOS6D(HKIR),
Mount: SkymemoR without auto guide
Exposure: ISO1600, 180s x 108frames

以下,感想など五月雨式に

珍しく二夜に渡っての撮影になりました。12月の小山ダムでの撮影が半分失敗していたためです。その様子はグラスノスチさんの動画に記録されています。

茨城県天体写真遠征|Shooting astrophoto at Koyama Dam, Ibaraki Pref. B-PART - YouTube

左の15028HNTが星を追尾しているのに対して,スカイメモの方は静止してます。それに気づいて子午線反転させる顧問の様子も残像として写っています。

それで,冬の星座のシーズン終盤になって追加露光をしてトータル5時間を確保しました。自分としては長い方で,フレーム枚数も108枚。SubframeSelectorを活用して,しっかりウエイトをかけてインテグレーションしました。またPixinsightの新しい機能であるNormalize Scale Gradient も丹羽さんのサイトを参考に試してみました

明るさと輝度勾配を一致させるNormalize Scale Gradient 〜 PixInsightの画像処理 | たのしい天体観測

ただ,ImageIntegrationへの移行時に画像が60%以上もリジェクトさせてしまい,うまくいきませんでした。

結果としては,そこそこ淡い構造を炙りさせたと思います。しかし正直なところ,この領域に限っては,このぐらいのモクモクはもうアタリマエになりつつあり,インパクト薄いなあと。

一方で,背景にごく淡いH2領域が広く分布しているのが描出できた点はよかったです。ナローバンドフィルターでの撮影を追加して,これをもっと強く出せば,インパクトのある絵になるかもしれません。

あと今回の処理で気づいたのは,スバル付近の分子雲って意外と茶色いんだなということ。例えば2018年に撮影した以下のM45を見直すと,周辺の雲はほとんど青いです

M45

Date:3rd, Nov. 2018
Camera: EOS 6D(Normal)
Lens: Mamiya APO-Sekor 250mm F4.5
Exposure: 390sec×14flames+420sec. ×14flames, ISO1600

これもそこそこ長い露光時間で撮影していたんですけど,本来の色を引き出せていなかったのかもしれません。いま同じ画角で撮影できれば,茶色の分子雲を強調して,これとはだいぶん違う風景にできそうです。

来冬はスバルをツインで撮ってみたいです。